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武術学院入学

指定された場所に行ってみるとそこには立派な講堂があった。

目の前にはいかにもな存在感を放つ大きな扉。

精一杯の力を入れて開けようとするが意外と軽い力ですんなり開いた。

扉を開けるとそこには様々な種族の人達が数百人は居た。


とりあえずは皆適当に立っているだけなので浮かないように擬態をしながら時間が過ぎるのを待つ。


そして時間ちょうどになるといつの間にか壇上には教師と思われる人たちが何人かいた。

その中でも本当に武術の教師なのかと疑うほどの緑のマントに帽子を身に纏ったまるで魔法使いの様な格好の妙齢の女性が前に出る。


「時間になりましたね。今回間に合わなかったものは問答無用で入学資格を剥奪いたします。しっかり時間通りに来た皆さんは偉いですね。」


さっきまでざわざわとうるさかったこの場はスッと静まり返った。


「それでは、長期の方々は右に短期の方々は左に速やかに移動してください。」


皆何も抵抗せずに言われるがままに別れるとまた新たな人が出てきた。


「よし、みんなよろしくな。この長期クラスを担当する、ダグラス・マスキュラーだ!そしてこいつは副担任。」


「皆さん初めまして、副担任のスタンフィールドです。よろしくお願いします。」


ダグラス先生は40〜50歳くらいの渋めのゴリマッチョ。

スタンフィールド先生は20代半ばくらいの爽やかイケメン細マッチョ。

…どちらもマッチョだ!カッコいい!!


「んでー、プレイヤーはお前ら3人か。お前らの主担任はスタンフィールド先生だからなあとの説明はそっちから聞いてくれ。」


周りを見渡すと短期組でも分かれていた。

講堂にいたほとんどの人はプレイヤーで短期を選んでいたらしく実に9割以上が短期に行っていた。

長期の方はというと殆どがNPCで約30人ほど、見た目は小学生高学年から中学生くらいの子が多い印象だ。

そして僕と他2人の長期組プレイヤーはナツメさんとピュアライトニングさん。せっかく3人しかいないので仲良くしようということになった。


「3人とも説明いいかい?」


「「「よろしくお願いします。」」」


「元気でいいですね。まずは入学にあたって君たちが登校できる回数なんだけど今日を抜かして365×3の1095日になります。連続で来てもいいですし期間を空けて来てもいいです。よっぽどのことがない限り退学とかもないので頑張ってください。何か質問がありましたらいつでも聞いてくださいね。私の個人メッセージアドレスも渡しておくので気軽にどうぞ。」


簡単な説明が終わり質問タイムに入った。


「とりあえずはどうすればいいんですか?」


「そうですよね、まずはどういうふうに成長していきたいかそれを聞いたりどの方向性が合っているかのテストをしたりと、その結果で今後の授業が変わってくるのでまずは次回はいつ来れそうかわかったら私に連絡をください。後はありませんか?」



他の2人も特にないようなので解散になった。

ちなみに長期のプレイヤーたちは気づいたらすでにいなくなっていた。


そして改めて3人組で挨拶を交わす。


「それでは私から…轟く豪雷のビート、魔法成女ピュアライトニング!!!」


先陣を切ったのは黄色を基調としたドレス?のようなものを着たピュアライトニングさん。


「どうも、ナツメです。よろしくお願いします!」


次は中学生くらいの男子のナツメさん。


「シルヴァです!よろしくお願いします!」


………………


改めて軽く名乗りをしたが少しの沈黙が流れる。


「ピュアライトニングさんは何かモチーフとかあったりするんですか?」


つい聞いてしまった。

するとナツメさんが目を見開いて、聞いたー!!と言いたげな顔をしていた。

だけど聞いてしまったものはしょうがない。


「私ですか?昔から魔法少女や戦う女の子のアニメが好きでその影響ですね。特に初代様押しです!!だけどもう少女って歳でもないので成人女性の成女ですね笑。あ、魔法とか言ってますけど基本物理の方なんで!」


にこっと笑い素敵な笑顔で答えてくれた。


「それにしても短期にした人たちは勿体無いですよねー。私の歳になると学生生活なんて基本おくれませんから、絶対に長期の方がいいですよー!」


確かに大人になったら学生生活を懐かしく思うってよく聞くもんな。


「それにギルドのノルマもクリアして時間ができたってのもあるんですけどね。皆さんはどこか所属してますか?」


「僕はまだ所属してないです。どこかいいところはあるでしょか?」


「僕は白夜って所のギルドに所属していて一応ギルマスやらせてもらってます。」


「シルヴァさんはまだ若いのにすごいですねー、私はスカウトしてもらって入ったんですけど、絶海の孤島って所です。それなりに有名なので運が良かったですよー!」


「絶海の孤島ですか!!すごいですね!!!かなり実力主義って聞きましたけど………。」


え?絶海の孤島ってそんなに有名だったの?それになんか凄そう。勢いだけのギルドじゃ無かったんだ。


「そうですね、多分今回出されたノルマを達成できなかった人達は十中八九切られちゃいますね。それくらいには厳しいです。」


「やっぱり、凄腕の人たちの集まりなんですね!」


そう言われると魔法成女さんは少し照れたように笑った。


「おすすめのギルドはあんまりわからないですけど、掲示板見たりシルヴァくんみたいに自分で作っちゃうのもありですよ!あ、あと、私のことは呼びやすいように呼んでもらって構わないので!」


そういうことならと皆各々が呼びやすいように呼ぶことになった。


そして雑談もして親睦を深めた後、程なくして解散した。


入学式?を終えて軽く学院内を探索したのちギルドに戻る。


「おや、シルヴァ様今日は何をされていたのですか?」


ギルドは帰るとヴィルノス さんがコーヒーを飲んでくつろいでいた。


「今日は学院の入学式に行ってきたんですよ。」


「そうでしたか、それは無事入学できて良かったです。それとなのですが余った素材などお持ちではないですか?」


そう、ヴィルノス さんはこの白夜ギルドの会計担当の様な位置付けになり素材の売却や取得などそれ以外にも様々働いてくれているのだ。


「ちょうどありました。」


そう言って色々溜まっていたものを渡す。


「おお、これは大量ですね。それでは終わり次第メーセージをお送り致しますね。」


ヴィルノス さん自体が商人ということもあり、ギルドのみんなからの評判はかなりいい。

ヴィルノス はいらないと言ったのだがどうにか説得してくれてそれならばと売却額の1%はヴィルノス さんの取り分となった。それ以外は全て手元に戻ってきて、後は毎月ギルド資金として一定額をみんなから徴収する仕事も行ってくれている。

様々やってくれているのでギルド員のみんなはヴィルノス さんには頭が上がらなくなっていた。



ヴィルノス さんに素材を渡した後は自室に戻りみんなと今後の予定を立てる。

明日からは休日で日曜日にはこのイベントも終わってしまうのでフルでログインしてがっつり狩に行こうということになった。

場所は他の2国どちらかの周辺。ポイント効率はそんな変わらないとみんなから聞いていたが初めてのフィールドでもあるので凄くワクワクしている。


そして今日はキリもいいのでこの辺りでログアウトすることにした。

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