ウルフの正体
皆何が起きたのか理解が出来ておらず混乱して、少しの間ぼうっとしてしまっていたが正気を取り戻してとりあえずギルドに戻ることにした。
ギルドに戻ると何かアイテムなど増えていないかみんなで確認をする。
すると称号の欄にはフェンリルの加護、そしてアイテム欄には使い切りの神殿までの転移石、使い切りのフェンリルの護符というものがあった。
転移石はそのままの神殿まで転移できるアイテムで、護符の方は一度だけ呪いを無効化してくれるのもらしい。
「あのウルフはフェンリルだったんだね。」
「そうだなー、ルルナちゃんに感謝だな!」
思いもよらなかった大物に驚きつつもその縁を作ってくれていたルルナさんにみんなで感謝する。
「ポイントはほとんどもらえなかったけどなんか冒険って感じで楽しかったな!」
TKGが珍しく良いことを言う。
「そうだね。」
「うん、面白かった。」
ユウスケは相変わらずの様で良かった。
「最初はあのオーラにビビっちゃったけどな。」
ロバストは獣人だからなのか何かを感じなっていたのかも知れない。
とりあえずポイントを精算したら気疲れが大きく各自自由行動となった。
「今日でいろんなことがあったな。」
「まさかフェンリルが出てくるなんてね、なかなかに貴重な体験よ?」
カトレアが言うのだから間違い無いのだろう。
それにしてもフェンリルの前ではみんなおとなしかったな。精霊や妖精も何か感じ取れるのだろうか?
あまり深く聞かないでおこう。
みんなが部屋へ戻ったり外出していなくなったが自分が思っている以上に疲れていたのか共有スペースで少し居眠りをしてしまった。
「美女に囲まれて居眠りとは良いご身分だな!」
そんな軽口で目が覚める。
そこにはヴィルヘルムさんとソウタさんがいた。
「すいません、ちょっと疲れちゃって。」
「なんだ、疲れてるのか。予定なかったらこの前言ってた一緒に狩に行くのでもどうかと思ったんだけどな。」
「無理はしなくても大丈夫だよ!いつでも行けるんだし。ヴィルヘルムそんもそんな言い方したら断りづらくなるじゃ無いですか!」
ソウタさんは優しいな。
それにしてもいつも一緒にいるなこの2人。うん、深くは考えないでおこう。
「あ、そういえば!聞きたかったことがあるんです!」
「いいよ、なんでも聞いて。答えれることだったら何でも答えるよ。」
「フェアギフの情報がいくら探しても全然出てこないんです。今のも昔のも。」
「あー、それはね、このゲームは情報にかなりの価値があるからだよ。自分が頑張って見つけた情報をタダで人にあげる人なんていないだろ?それくらい情報が大事なゲームってこと。」
ソウタさんのわかりやすい説明に納得した。
「ただ、今の時代だと昔よりかは情報が出回ると思うけどね!」
ソウタさんがウィンクしながら補足する。
「そういえば何だが、シルヴァはもう学院には行ったか?」
ヴィルヘルムさんが言ったことで大事なことを思い出す。
「そういえばまだいってないです!」
「そうか、俺たちもまだ行ってなくて何ともいえないんだがなもし長期と短期があるなら長期を選んだ方がいいぞ。短期はそれ以上はいられないが長期は学ぶこと学びきったら辞めることもできるからな。」
新たに貴重な情報を知ることができた。
「それじゃあな、ゆっくり休めよ。俺とソウタはポイント稼ぎ行ってくるわ。」
「それじゃ、また今度ねシルヴァ君。」
そう言い残し2人は颯爽とギルドを後にした。
いつまでも共有スペースにいても邪魔になるので一度自室へ戻りベットに横になる。
すると腹部に軽く衝撃が走った。ノービィが乗ってきたのだ。ちょうどいい重量感に、ツルツルとした触り心地が抜群の鱗を永遠に撫でてさせる魔力がそこには宿っていた。
目を瞑りながらノービィを撫でぼーっとしているとリリィやカトレアなどの騒がしい声が聞こえてくる。
「ここは、私の席ですよ!」
「私に決まってるでしょ!」
「ふふっ、我以外無かろう。」
「それじゃ〜わたしはここにします〜。」
「「「ちゃっかり(しないでください!)(してるんじゃないわよ!)(するでない!)」」」
とりあえず気にせずにいるとウトウトと眠くなってきた。
目を覚ますと目の前が真っ暗で何も見えなくなっていた。寝ぼけた頭で考えるとか数十秒何かが載っていることに気がついた。掴んであげてみるとそれはリリィだった。そのほかにも顔も周りにはカトレアやラーミ、ドッペルもいて幸せ空間が形成されていた。
みんなを起こさない様に細心の注意を払いながらリリィをゆっくりと他のところに寝かせ自身の体を起こすとビィと言う鳴き声でみんなが起きてしまった。
「あれ?…しうばさまおはようございます。」
「おはよ、シルヴァ。」
「うむ………あるじー。」
「おはよ〜ございます〜。」
「ビィー!」
過半数が寝ぼけ眼で挨拶をする。
「おはよ、みんな。」
みんなの目がしっかり覚めるまで待って今日の予定を立てる。
「今日は学院にでもいってみようか?」
「いいですね!シルヴァ様とのドキドキラブラブな学院生活が始まっちゃいます!」
「まぁ、いいんじゃない?」
「あるじよ、それは妙案だ!」
「おまかせします〜。」
とりあえずは了承を得られたと言うことで準備を済ませ早速学院へ行く。
この国の学院の位置は分かりやすく中心方面に行けばすぐに見つけられた。
まずは門の前で違法行為の有無などの簡易検査をして異常がなければ受付へと進み、そして必要書類を書いて提出する。
「うむ、精霊使いですか。それなら魔導国の方が良さそうに思えるのですが?」
いきなり受付で面接みたいなことが始まってしまった。
「もしもの時に自分1人で対処できる力が欲しかったので貴院を選択しました。」
「そうですか、わかりました。期間は長期を選んでいますがお間違えないですか?改めて口頭で説明いたしますと、長期は最大3年分。短期は最大3ヶ月分の入学が認められています。それと一度入学し退学した場合は再度の入学は認められていません。そして、プレイヤーの皆様は殆どが短期でのご入学ですが本当に長期でお間違い無いですか?」
凄く念を押してきた。そんなに珍しいのだろうか?
「はい、長期でお願いします!」
そして軽く様々な説明を受ける。
「わかりました。それでは本日の午後1時から説明会がありますので指定場所に絶対に来る様によろしくお願いします。それでは、ごほん。………当学院はあなた様の今後、進む道の中でこの学院で学んだことが少しでも力になれればと思っております。それでは良い学院生活を!」
急にいい笑顔でそんなセリフを言ったかと思うと、言い終わった途端無表情に戻って次の受付を始めてしまった。
とりあえず時間までまだ余裕があるので置いてあったパンフレットを見ながら時間を潰そうと思う。
「へぇ、庭園とかは一般開放されてるところもあるんだ!」
暇なのでみんなで行ってみることにした。
「なかなかじゃない。」
「素敵ですね〜!」
「いいかおり〜。」
「なんとも雅だな!」
みんなも喜んでくれていたのでこっちまで嬉しくなってきた。
確かに手入れも行き届いていてさまざまな種類の草花が咲いておりこの空間自体にいい香りが漂っていら様に感じられる。
テラス席も何箇所かあったので一箇所借りておやつタイムにすることにした。
おやつのクッキーを広げたところで背中に大きな衝撃が走った。
「おっと後輩く〜ん、先輩への献上品はないのかな〜っす!」
振り返るとそこには学院の制服を着た時雨さんの姿があった。
「ひさしぶりですね時雨さん!」
驚きながらも平静を装い対応する。
「おっと〜強がりっすか?ともあれ久しぶりっすね!シルヴァちもこの学院に入学するんすか?」
「さっき受付してこの後説明会があるんですよ。」
「そうなんすね!うちはもう何日か前に入学してるんでもし会った時はよろしくっす〜!」
そう言うと嵐のように去っていった。それと何故かクッキーが何枚か無くなっていた。
そして何事もなかった様にみんなはお茶会を継続していた。
「あんな騒がしいのは災害とでも思っておいた方がいいは。」
カトレアの容赦ない言葉が放たれる。
それでもおやつタイムという名のお茶会はつつがなく進んでいる。
お茶会が終わったところでちょうどいい時間になったので指定された場所へと向かって行く。




