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ノービィの進化

「いてて、体が」


体の痛さで目が覚める。

テントの隙間から朝日が差し込んで朝になっていることがわかった。

疲れのせいか痛みがありながらもぐっすりと眠ることができた。


昨日皆でリリィにヒールをかけてもらったのだが、一晩経っても全回復とはいかずに少し痛みを引きずっていた。


皆もだんだんと目を覚ました様だが、やはり全回復とはいかないようでどこか本調子とはいっていないようだった。


その中でもノービィが特に苦しそうにしていた。

唸らながらゆっくりとこちらに這い寄ってくる。


「ノービィ大丈夫?」


こちらからノービィの方に行くと数秒後、いきなり目の前にウェンドウが現れた。


[ノービィが一定の経験値を獲得したため進化可能となりました。]


進化先は3つあります。

通常進化が1つ、特殊進化が2つあります。

以下から選んでください。


①紅眼の大蝙蝠(成体)通常進化。

翼を広げると3メートル以上にもなる大蝙蝠。夜行性でその二つの紅い目は闇世の中で不気味に淡く光り揺らぐぎ、狙った獲物は逃さない。


②紅眼の真血蝙蝠(成体)特殊進化。

ラーミの影響を特に受けた事により特殊進化が可能になりました。

翼を広げると4メートル以上にもなる真血種の大蝙蝠。強力な血液魔法を得意とし、進化の難しさ故、その個体数の少なさから幻の存在として語られる。

さらに成長すると人型にもなれると言われる。


③紅眼の鮮血竜(幼体)特殊進化。

ラーミの影響と竜因子の覚醒により特殊進化が可能となりました。

体長は現在より少し小さく50㎝前後大きさにはなるが、深紅黒色の鱗がしっかり生え、幼竜だがその姿は紛れも無くドラゴンとなる。


確かに最初の頃と比べたらだんだんと大きくなってきてたもんな。今は大体70㎝くらいか?

でも何にしよう、ノービィの為にはやく決めなきゃ。


「ノービィはどうなりたい?」


そう言うとノービィはウィンドウの③に爪を立て、いつもより弱々しくビィと鳴いた。


ノービィの希望通り③を選択する。


[③の選択を確認しました。変更することは出来ません。本当によろしいでしょうか?]


はいを選択する。


[それでは進化を開始いたします。]


そう表示されるとノービィは気持ちよさそうに眠りについた。


[12:00]


そしてウィンドウにはカウントダウンの時間が表示された。

お疲れ様、そう言ってノービィを撫でる。ゆっくり休ませよう。



「そういえばみんなは進化とかしないの?」


精霊のみんなに聞いてみる。

こんな常識も知らないの?と言う様に呆れながら答えたのはカトレアだった。


「私たちは進化というより成長ね、詳しく言うとすれば私たちの中にある存在の格が成長してより強大な精霊になって行くの。後は司っている概念がよりたくさんの人々に浸透したり、個の存在として祀られたりすればより強く成長するわね、精霊王とかなんてオーラがすごいでしょ?そんな感じよ。」


精霊王なんて普通会うことはないと思うけど、そうなんだ。

カトレアの説明は続く。


「ラーミなんかはこっちにきた時に比べるとまだ一般的な精霊ではあるけども、かなり格が上がってると思うわよ。だけどいくら私たちが成長しても契約している者が弱かったら制限がかけられてしまって100%の力は出せないのよ。だからこそシルヴァ、本気の私がみたかったら頑張りなさい!」


今でこそ頼りになるカトレアやみんながさらに強くなるのか。俄然やる気が出てきた!


ゆっくり朝食を済ませたとテントを片付け、疲労が溜まっているのとノービィのこともありアーツノルドへの帰路へとつく。


その間も出てきたモンスターをしっかり狩りながら帰る。


アーツノルドへはお昼頃戻ってくることができた。

長距離の移動に備えて馬などの購入も視野に入れといて方が良いかもな。


まずはギルドへと戻り自室でノービィを休ませた後、道中も合わせた今回の遠征でのポイントを確認する。

360ポイントとなっていた。道中は特に強いモンスターも出てこなかったのでこんなもんだろう。

合計個人ポイントは615ポイント。そう考えると今回の遠征はかなり稼げたと思う。


とりあえずはノービィの進化が終わるまではログアウトしないで時間を潰す予定だ。

そう思いながら共有スペースへ行くと意外なメンバーたちがいた。


「おーう、シルヴァ!久しぶりだなー!」


そう声をかけてくれたのはヴィルヘルムさん。

最近は遅い時間のログインなのでなかなか顔を合わせることが無かった。


「お疲れ様です!今日は残業なかったんですか?」


「おう!今日はトラブルなく終わったぜー!」


そのほかのメンバーも珍しくギルドハウスに大勢集まっていた。

大人組はヴィルヘルムさん、ソウタさん、霧雨さん。

同年代組はルルナさん、ロバスト、斬十郎、我王。


「大人組がこんな揃うなんて珍しいですね。」


「たまたまタイミングがあってね。シルヴァくんは最近は調子どうだい?」


ソウタさんが話しかけてくれる。


「それなりに順調です!」


「それなら良かったよ!みんなも元気そうで何よりだよ。」


リリィ達を見てそう言う。


「そういえば、ノービィ君はどうしたんだい?」


ノービィが居なく突っ込まれるとは思っていたが早速来てしまった。


「ノービィなんですけど進化のために寝てしまって、なので部屋で休ませています。」


「何に進化するんだい?」


「それは楽しみに待っていてください!」


「わかったよ、それじゃあ楽しみにしてるね!」


進化してから皆んなにお披露目して驚かせるつもりだったので今はまだ発表しないことにした。ソウタさんだけではなく、皆んなも興味があるようで答えが聞け無いことですごく残念がっていた。


「シルヴァさん、みてください!この子!」


そう言ってルルナさんが見せてくれたのは少し小さめのフォレストウルフ。


「ルルナさんのパートナー?」


「そうなんです!バウバウ鳴くのでバウバウちゃんって名前にしました!」


「可愛い名前だね!」


ネーミングセンスはユウスケと少し似たようなところが感じらるがルルナさんらしい名付けだと思う。

バウバウちゃんの毛並みは透明感のある灰色でとても綺麗で顔もシュッと凛々しくとてもかっこよかった。


バウバウちゃんを見ているとこちらに寄ってきて手をペロっと舐めるとルルナさんの元へと戻っていった。

やっぱり可愛いな。


みんなで話していると時間がどんどんと過ぎてゆき、それに伴いギルドメンバーも狩りに出かけに行ったりして最後に残ったのは僕の他にヴィルヘルムさんとソウタさんだった。

残った人達で話してるうちに今度3人で狩りにでも行こうと言う話になった!足を引っ張らないようにそれまでに出来るだけレベルを上げることにした。

そして色々と話終わるとヴィルヘルムさんとソウタさんも狩りに出かけてしまった。

後、数時間でノービィの進化が終わるので一度部屋に様子を見に行くことにした。


部屋へ行くとノービィは気持ち良さそうにすやすやと眠っていたがその姿は以前と特に変わった様子は無くいつもの姿だった。

とりあえずはノービィに異常がないことがわかったので目覚めた時のためにご馳走を作って待つことにした。


キッチンへ行くとみんなでエプロン姿へとフォルムチェンジをして早速調理へと取り掛かる。

材料はこれまで狩ってきたモンスターなどを使いメインは贅沢にテンペストドラゴンのステーキにする事にした!


下処理などやる事が多く時間はかかったが無事料理が完成し、なんとかノービィが進化する時刻に間に合うことができた。

料理をテーブルに並べてノービィがいる部屋へと向かう。

ドアを開けるとノービィは依然として気持ち良さそうに眠っている。後10分くらいかな……………後数分だ……………………後数十秒、あれ?10分ってこんなに長かったっけ?

その間だけは時間が経つほど1分1秒がより長く感じられらようになり、10分という時間は途方もない時間に感じられた。


そしてやってきた進化の瞬間。


ノービィが眩い光に包まれ、数秒後光がおさまるとその姿を確認する事ができた。

書かれていた通り深紅黒色の美しい鱗に覆われ、大きな翼をバタつかせたその姿はまさに竜。


笑顔でビィと鳴きながらこちらを見ているので、それはもう思いっきり可愛がってあげた。


ノービィをめで終わるとまだ上手く飛べないようなので抱き抱えながらリビングへと向かう。

体長は確かに小さくなったけど以前よりもずっしりとした重さを感じることが出来た。


ノービィをテーブルに乗せると皆んなで席について手を合わせたのちに料理を頬張る。テンペストドラゴンのステーキは今まで食べてきた物の中でも圧倒的に美味しくノービィもとても美味しそうに食べてくれ、あれだけ用意した料理はみるみるうちに減っていった。

用意した料理を全て平らげてもまだ足りないようだったのでアイテム欄を確認して持っている料理を全て出しす。

後少しで無くなるといったところでノービィが満足そうな顔でビィと鳴く。

満足してくれてこちらもとても嬉しいのだが、その小さな体のどこにあの量の料理が入るのかだけが不思議でならなかった。


使った物を片付けるとその日はログアウトする事にした。



ログアウトしますか?

YES or NO


YES

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