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第15回闘技大会優勝者

目を覚ますとそこは闘技場の医務室だった。


「あれ、どうなったんだっけ?」


「もう、あの後気を失ったのよ。だから私が出てあげるって言ったのに。」


カトレアがほっぺを膨らませながら可愛くツンツン怒っている。


「ありがとうカトレアその気持ちだけで嬉しいよ。」


その他にもみんな集まってくれて心配な声をかけてくれた。


「ありがとうみんな!…‥ヴィルノス さん?」


そこには思いがけない人がいた。


「そんなに驚くと傷に応えますよ。」


ははっと笑いながらこちらの反応を楽しんでいるようだった。


「気づいていませんでしたか?ブロックは違いますけど私も参加していたんですよ?」


「自分の対戦相手のことでいっぱいいっぱいで全然気が付きませんでした。」


ははっと少し都合のわるい笑みがこぼれてしまう。


「それにしても最後の試合は惜しかったですね。両者引き分けで3位の方がAグループの代表なったんですよ。」


「そうだったんですか、少し記憶が曖昧で。」


最後はクロイと苦しくも気持ちよく応戦していたところまでは覚えているけど、それ以降は曖昧だ。


「それにしても最後のあの槍捌き、一度スキルを確認してみたらどうでしょう?もしかしたらなにかがあるかもですよ。」


すぐに確認をしてみるとスキル欄にはなんと鬼槍術 1が追加されていた。

今まで槍も使ったりしてきたけどやはりまだスキルの取得基準がわからないな。


「そういえばヴィルノス さんは……」


そう言おうとした時に係員の声に遮られてしまった。


「ヴィルノス さん!次の試合がありますので闘技場の方までどうぞ。」


そう言われて一度、係員の方を向いていたヴィルノス さんはこちらを向き笑顔で一言。


「ぜひ応援よろしくおねがいいたしますね。」


やっぱりかっこいいな。

体も問題なく動かせるので観覧席に行き応援することにした。


観覧席に着くと観客と解説で大盛り上がりしていた。


「さぁ、いよいよ優勝者が決まるぞ!言わずもがな圧倒的強者のオーラを放っている。タキシードに白い手袋。こいつのこの姿は舐めているのか?いや本気だ!剛腕のヴィルノ〜ス !!

そして初出場ながらかなりの好成績を残した新人!獣人ということもありその身体能力の高さと多彩な攻撃手段。とくにそのスピードには目を見張るものがある!雷〜神っ!!」


2人が入ってくると歓声はさらに増した!

それにしてもヴィルノス さんって二つ名あったんだ、剛腕か…なんか強そうでかっこいい。


そして静寂が会場を包む。


「さぁー!両者位置に着いて。………はじめっ!」


その瞬間飛び出したのは雷神だった。暗器を使い多彩な攻撃を仕掛けて行く。

だがその全てを片手で弾き返す。まるで師匠が弟子に手解きをしているような、そんな感じだ。

だが雷神も攻撃の手を緩めず攻め続ける。


「いいぞー!」


「頑張れ!」


「惜しい!後ちょっとだったぞ!」


そんなことが続いていると半々だった歓声がだんだんと雷神を応援するものへと変わっていった。

素人目でも実力差かっていても直向きに有効打を狙い攻撃をし続けるその素直さにみんなの心は動かされたのだと思う。


だがその連打にも限界が見えてきた。そこでヴィルノス が仕掛ける。ヴィルノスが雷神の連撃大きく弾き返した時にできた隙を狙い、気合を込めた打撃を腹部に一撃。

見事にクリーンヒットして闘技場への壁へと吹っ飛ばされた。雷神はそしてそのまま気を失ってしまう。


「優勝者、ヴィルノス !」


審判の掛け声により今日一番の歓声が闘技場内に響き渡った。


暫くして会場内が落ち着きを取り戻すと勝者インタビューが始まった。


「流石ですね、おめでとうございますヴィルノス さん。今回はなぜ参加を決めたのですか?」


「ありがとうございます。そうですね、優勝賞品のお酒が欲しくてと言ったらおこられてしまいますかね?」


少しばつがわるいように答える。


「いえいえ、酒豪のヴィルノス さんらしい理由だと思いますよ。やはりそのお酒はご自分で?」


「勿論私たちでいただきますよ。ギルドの皆さんといっしょに。」


「そうですか、わかりました。それでは皆さん優勝したヴィルノス さんと出場者の皆さんに大きな拍手をお願いします!」


会場全体から拍手が湧き上がりそれは闘技場から選手たちがいなくなるまで続いた。



「ヴィルノス さん、おめでとうございます。」


閉会式が終わると真っ先にヴィルノス さんのところへ行きみんなでお祝いの言葉をかける。


「ありがとうございます、シルヴァ様、それに皆様。」


「おめでとう、それにしてもあなた以外に強いのね。」


カトレアがなぜだか対抗意識を燃やし始めた。



場が落ち着いたらみんなでギルドへと戻り集まれる人たちで祝賀会をすることにした。


「皆様わざわざありがとうございます。それで失礼しては開けさせていただきます。」


「「「おめでとー!!!」」」


ポンと開くコルクの音に合わせてみんなで改めてお祝いの言葉を贈る。


「ありがとうございます。そういえばポイントも頂いてましたね、50ポイントほど。」


50ポイントは結構な高ポイントなのについでにさらっと発表するヴィルノスさん。


「結構貰えるんですね。」


「そうですね、思わぬ収穫でよかったです。」


そしてみんなで存分に飲み食いした後は自室へ戻りログアウトする。



目を開くとそこは見知った天井。

明日は水曜日かー、後半分頑張るぞ!



次の日の朝、いつもより早く目が覚める。せっかくなので早めに学校へ向かうことにした。


いつもより早いことだけって人通りも少なく空気も澄んでいてとても美味しい気がする。

そのせいもあってぼーっとして曲がり角に差し掛かったところ人とぶつかりそうになってしまった。


「っ!!あ、すいません!急いでいたもので、埋め合わせは後日必ず〜。」


こちらが何か言葉を発する前にそう言って走り去って行ってしまった。制服から見るに例の女子校だけど、嬢様もあんなに急いで走ることもあるんだなと思った。

それ以降はいつも通り何事もなく学校に着いた。


教室に着くとすでに1人机に座って頭を抱えてる人がいた。田中くんだ。


「おはよう田中くん。いつもこんな早くに来てるの?」


「おはよう白崎!今日はたまたまないけどいつも朝練があるから6時くらいは来てるな!」


今まで悩んでいたそぶりを一切見せず満点の笑顔で応えてくる。


「それよりもせっかくだし正弘って呼んでくれないか?俺も光樹って呼んでいいか?」


「そうだね、せっかくだしよろしく正弘!」


正弘はただ真面目なだけではなくこの素直でいい人そうなところもクラスで人気の理由だと思う。


「さっきはなんか悩んでたようだけど何してたの?」


「あぁ、三校祭の展示についてあらから候補を出しとこうと思ってね。みんなも忙しいだろうし。」


「それなら声がてちょうだいよ!俺も一緒にやるよ!」


正弘は真面目なのはいいけど少し真面目すぎるところがあるんだよなー


「ありがとう!」


生徒に丸投げしすぎなんだよなー、みんなで話し合う時間が圧倒的にすくなすぎるよねー、などとお互いに愚痴を漏らしつつ案出しを進めて行った。


だんだんと教室も人が集まって来たので作業をやめて自分の席へと戻って行った。

その数分後、いつものメンバーも順々に登校してきた。


最初に登校してきたのはTKG


「シルヴァーおはよー今日は早いな!」


「おはよ!今日の朝飯は?」


「もちろん俺こだわりのTKGだ!後で食わせてやるよ!」


次にユウスケ


「おはよ。」


「おはよー」


ちょうど中間の曜日なのでいつもより気だるげだ。


そして最後にロバストだ。


「おはよ、昨日は楽しかったなー。」


「おはよ!だね、またやりたいねー。」


そしてクラスメイトが揃い、担任がやってきたら朝礼が始まった。




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