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9話 農園を作った!

全自動で農園を作りました!

黒蛇の教団の幹部ザガンを全自動特急リヤカーで撃退してから数日が経過した

教団の襲来によって一時的に騒がしくなった我が家だったが 再び穏やかで贅沢なホワイト日常を取り戻していた


朝の爽やかな光が差し込むテラスで 俺たちは焼きたてのパンとハーブティーを楽しみながら 今日の予定について話し合っていた


「レン殿 先日の戦いでお庭の芝生が少し荒れてしまいましたので 今日こそは私に整備を行わせていただきたく……!」

シルフィアが拳を握りしめて意気込むが 俺は苦笑いしながら首を振った


「シルフィア 庭の芝生ならもう朝一番で全自動修復しておいたよ ふかふかの青々とした状態に戻ってるから見てごらん」

窓の外を指さすと そこには昨日の戦いの傷痕など微塵も感じさせない完璧に整えられた美しい庭園が広がっていた


「な……なんということでしょう……またしても私が活躍する隙が……!」

がっくりと肩を落とすシルフィアの横で ルナが申し訳なさそうに手を挙げた

「あの……レン様……私たちがただここで美味しいご飯を食べてお風呂に入っているだけでは 食材や生活資材がそのうち底をついてしまうのではないでしょうか……?」


「そうだニャ! ミーナも狩りに行って肉を獲ってくるニャ!」

生活費や食糧難を心配する2人に向けて 俺はニッコリと胸を張った

「ふふふ 心配ご無用! 実は昨日から裏庭で『新しいプロジェクト』を始めてたんだ」


俺は3人を連れて 敷地の裏手へと回った

そこに広がっていたのは 見渡す限りの広大な畑と 幾重にも並ぶ近代的な温室ビニールハウスだった

「な……なんですかこの広大な農園はーーー!? 昨日まではただの森林だったはずですが!?」


シルフィアが目を見開いて叫び ルナも口を開けて呆然としている


『思考:最高品質食材の全自動栽培および自動収穫システムの稼働』

【全自動農園:熟成トマト・極上スウィートコーン・魔法イチゴ一斉収穫完了】


俺が指をパチンと鳴らした瞬間 畑の中をシャカシャカと可愛らしい『小型全自動ロボット』たちが走り回った

丸々と実った真っ赤なトマトやツヤツヤのコーンが傷ひとつなく一瞬で収穫され 綺麗な木箱へと規則正しく積み上げられていく

さらには全自動の灌水システムが作動し 虹色の綺麗な水滴が作物の葉を潤していく

「すごい……! 魔法の植物たちが一瞬で育って 勝手に箱の中に収穫されていく……!」


「イチゴが甘くてすっごく美味しいニャー! こんなに大きくて甘い果物食べたことないニャ!」

ミーナが採れたての魔法イチゴを頬張りながら 尻尾をぶんぶんと振り回して大興奮している


「これがあれば食糧の心配は一切ナシ! それどころか街に持って行けば高級食材として売ることもできるよ」

「働かずに極上の野菜や果物が無限に手に入るなんて……やはりレン様は神様の生まれ代わりに違いありません……!」


ルナが感動のあまり涙ぐみながら拝むように俺を見つめる

俺たちは採れたての新鮮な野菜を使って 全自動で作られた特製バーベキューを庭で楽しむことにした

ジュージューと音を立てて焼ける最高級のお肉と甘いコーンの香りが 森全体に香ばしく漂う


「美味い……! こんなにジューシーなコーンは食べたことがないぞ……!」

「ホワイト生活……最高だニャ……ずっとここにいたいニャ……」


みんなが笑顔で美味しいものを食べている姿を見るのが 俺にとっての一番の幸せだった

……だがその時 敷地を囲む防衛結界のアラートが 脳内で静かに鳴り響いた


『感知:敷地境界線付近にて 倒伏状態の未知の生命体を検知』

『状態:重度の魔力枯渇および衰弱』


「ん……? 誰か倒れてる……?」

俺たちはバーベキューの手を止め 結界の境界線へと向かった

そこに倒れていたのは ボロボロのローブを纏った一人の小さな少女だった

綺麗な銀色の髪と 頭から生えた小さな『竜の角』

少女は薄っすらと目を開けると 消えそうな声でつぶやいた

「た……助けて……『黒蛇』に……追われて……」

そう言い残すと 少女は再び意識を失ってしまった

人間でないような雰囲気を持つ少女が登場しました名前などは、第十話で紹介します

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