10話 銀髪の竜姫
銀髪の竜姫があたらしく仲間に加わります
倒れていた銀髪の少女を全自動ハウスへ運び込んでから数時間が経過した
ふかふかのベッドに寝かせ 全自動の回復魔法と栄養補給スリットを作動させると 少女の頬に少しずつ赤みが戻ってきた
「……ん……う……ここは……?」
うっすらと目を開けた少女は 見慣れない天井とふかふかの布団に驚いたように身を起こした
「あ 気がついたかい? 無理に動いちゃダメだよ」
俺が温かいスープを差し出すと 少女は頭の『小さな白い角』をピクッと揺らし 警戒と困惑が混ざった瞳で俺たちを見つめた
「あなたたちは……? 私……『黒蛇の教団』に捕まって……」
「安心しろ ここはレン殿の館だ お前を追ってきた悪党ならレン殿が一瞬で撃退してくださった」
シルフィアが優しく声をかけると 少女はほっと胸を撫で下ろし おそるおそる自分の名前と正体を語り始めた
「私の名前はエルナ……エルナディア……かつてこの世界の極北に存在した『白竜一族』の生き残りです……」
「白竜一族……!? 伝説の古代竜の血を引くというあの……!?」
ルナが驚きで声を上げる
エルナの話によれば 彼女たち白竜一族は膨大な魔力を体内に宿す特別な存在だったが その力を狙った『黒蛇の教団』によって故郷を滅ぼされてしまったのだという
「教団は世界中の魔力を集めて『完全なる奴隷の世界』を作ろうとしています……私の持つ『竜の心臓(核心)』も その儀式に必要な鍵として狙われていて……」
エルナはぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら 小さな肩を震わせた
「私……もうどこにも行く場所がないの……逃げ続けるのにも疲れて……」
絶望に打ちひしがれるエルナの頭に 俺はそっと手を置いた
「じゃあ ここに居なよ」
「……え……?」
エルナが驚いて顔を上げる
「うちは全自動で何でも揃うし どれだけ教団が攻めてこようが指一本触れさせないよ だからもう逃げなくていいし ビクビクして過ごす必要もない」
「レン様の言う通りですニャ! ここなら毎日美味しいご飯が食べられて ふかふかのお布団で眠れるんだニャ!」
ミーナがニッと笑ってエルナの手を握り シルフィアとルナも温かい笑顔で頷いた
「本当に……私みたいな危険な者を置いておいて……良いのですか……?」
「危険とかどうでもいいよ 俺は理不尽に虐げられている人が笑って過ごせる場所を作りたいだけだからさ」
俺がそう言って微笑むと エルナの瞳から涙が溢れ出し ボロボロと零れ落ちた
「ありがとう……ありがとうございます……! レン様……!」
【仲間追加:銀髪の竜姫 エルナディア(エルナ)】
【特殊能力:古代竜の加護・全自動システムの魔力効率極大化】
脳内にひそかに響いたスキルのアナウンスとともに 俺たちの拠点に4人目の強力で愛くるしい仲間が加わったのだった
だが エルナが仲間になったことで 全自動スキルの画面の奥深くに隠されていた『ある忌まわしいシステムログ』がひっそりと解除されたことに 俺はまだ気付いていなかった
『解禁:神の全自動権限における『代償システム』の稼働開始』
『警告:幸福の蓄積量が規定値に達した際 世界の因果律による『悲劇の強制執行』が行われます』
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