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8話 黒蛇の教団

今回は、黒蛇の教団が迫ってきます

温泉で疲れを癒やした翌日 俺たちの全自動ハウスは異様な殺気に包まれていた

青く澄み渡っていた空にはドス黒い暗雲が立ち込め 庭の木の葉が不気味にざわめいている


「レン殿……この不吉な気配は一体……!?」


「空の魔力が歪んでいます……! 何か恐ろしいものが近づいてきています……!」

シルフィアが即座に剣を構え ルナが震える手で杖を握りしめる


ミーナも猫耳をピンと立てて「あっちから嫌な匂いがするニャ!」と森の奥を指さした

暗闇の森からゆらりと現れたのは 黒いローブを纏った異様な集団だった


その数は百を下らない

全員が禍々しい紫色のオーラを纏い その顔は能面のように無感情で目が落ちくぼんでいた


「ヒヒヒ……ギルバートの愚か者がやられたと聞いて来てみれば まさかこんな山奥にこんな桃源郷を作っていたとはな」

集団の先頭に立つ背の低い男が 下品なダミ声で笑い声を上げた


男の首元には 先日回収したのと同じ『黒い紋章のペンダント』が怪しく光っている

「我らは『黒蛇の教団』幹部 毒蛇のザガン! 貴様らが抱え込んでいる出来損ないの女どもを引き渡し その奇妙な拠点を我らに捧げよ! さすれば苦しまずに殺してやるぞ!」


「引き渡す……? ふざけるな!」

シルフィアが一歩前に出て叫ぶ

「私たちはもう二度と 誰かの奴隷になどならない! レン殿がくれたこの温かい居場所を 貴様らのような悪党に踏みにじらせはしない!」


「ハッ! 元騎士の威勢がいいことだ! おいお前たち 全員まとめて魔力を絞り尽くして呪い殺せ!」

ザガンの合図とともに 百人以上の黒ローブたちが一斉に不気味な呪文を唱え始めた


空を覆う暗雲から紫色の巨大な雷が何本も走り 全自動ハウスを目掛けて凄まじい威力の黒い魔力砲が一斉に放たれる


ドギャアアアアン!!

天地を揺るがすような大爆発が起き 激しい衝撃波と煙が周囲を吹き飛ばした

「ひっ……!」「きゃあああっ!?」

ルナとミーナが悲鳴を上げて目を瞑る

だが どれだけ待っても熱風も痛みも襲ってこなかった


恐る恐る目を開けたシルフィアたちは 信じられない光景を目にすることになる

俺たちの頭上には 透き通るような美しい青い魔法陣のドームが展開されており 教団の放った極大の呪いと魔力砲を指一本触れさせずに完璧に弾き返していたのだ


【全自動絶対防壁:敵対魔力の百分の一以下への減衰および完全無効化を完了】


「……え?」

ザガンが目を見開いて口をぐうの音も出ないほど開ける

「な……なんだその防御魔法は!? 我ら教団の禁忌魔術が……傷一つ付かないだと!?」


俺はふぅと短くため息をつきながら ポケットに手を突っ込んで一歩前へ出た

「言っておくけどさ……俺は前世でサービス残業と休日出勤で命を削られたんだよ」

「は……? 前世……? 何を言って——」

「人の自由や休日を奪って 都合よくこき使おうとする奴らが一番嫌いなんだよ!」


『思考:敷地内における全敵対個体の完全無力化および自動拘束』

【全自動制圧プロセスを開始します】


俺が冷ややかに言い放った瞬間 空に広がる青いドームが一斉に輝きを増した

敵たちの足元の地面から 無数の『光の全自動アーム』がモグラ叩きのように一斉に飛び出す


「ぐわあああっ!?」「な なんだこの速さはー!?」「腕が……動かないっ!?」

百人以上いた教団の刺客たちが まるで熟した柿でも収穫するように一瞬で空中に持ち上げられ バチバチと麻痺光線を受けて白目を剥いて倒れていく


「ひいっ!? な なんなんだお前はー!? 化け物かーーー!?」

腰を抜かして這いつくばるザガンの首元へ 全自動アームがぬっと伸びてその身根を軽々と持ち上げた


「安心しろよ 命までは取らないから」

俺はニッコリと微笑んだ

「全自動リヤカーの特別便で 一番遠い王都の警察病院まで送ってあげるよ」


【全自動特急リヤカー:発進】

「いやだああああっ! 降ろせー! お前を……教団が許さな——!!」

爆音とともに星の彼方へと飛んでいくザガンを見送りながら 俺はパンパンと手を払った

「ふぅ これでひとまずお掃除完了かな」


呆然と立ち尽くすシルフィアたちの方を振り向くと 3人はまるで神様を見るような熱い眼差しで俺を見つめていたのだった

星やブクマなどしてくれると嬉しいです!

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