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3話 全自動レスキュー!

今回は、仲間が増えます

ふかふかのソファで昼寝を満喫していた俺は 不意に頭の中に響いた無機質なアラート音で目を覚ました


全自動フルオート索敵を検知】

【敷地境界線付近に衰弱した生命反応が三つ——および追跡者多数を捕捉】

【自動防衛システムの起動準備を開始しますか?】


「……んあ? 来客?」

せっかくの昼寝タイムを邪魔された俺は 半分寝ぼけながらも『許可』を出す

すると リビングの壁に映し出された半透明のモニターに 家の外の様子がリアルタイムで投影された


そこには ボロボロの鎧を纏った金髪の女騎士と 杖を支えに必死に歩く幼い魔導師の少女 そして大きな耳を垂らして震える獣人の少女がいた


彼女たちの背後からは どす黒いオーラを放つ騎士の一団が「逃がすな! その奴隷共を捕らえろ!」と叫びながら迫っている

「うわ……見るからにブラックな組織に追われてんじゃん」


前世で上司に詰められていた自分を思い出し 俺の心の中にふつふつと怒りが湧き上がってきた

「全自動スキル! 彼女たちの保護と……追跡者の無力化を頼む!」


【了解しました 全自動フルオートレスキューおよび防衛を開始します】


次の瞬間 俺が指一本動かしていないのに 豪華な家の庭先が勝手に動いた!

芝生の中から透明な壁のような結界がスッと立ち上がり 逃げてきた彼女たちを優しく包み込んで家の敷地内へと引き寄せた


一方で 追ってきたブラックな騎士たちは 見えない力によって一瞬で地面に押し倒され もがき苦しんでいる 


【追跡者の武装解除を自動完了 および『忘却の煙』による記憶処理を実行】


「ええっ!? もう終わったの!? 戦うシーンすら省略かよ!」

あまりの速さに俺が驚いている間に 玄関の扉がこれまた自動で開き 疲れ果てて倒れ込んだ彼女たちが滑り込むように運ばれてきた

「はぁ……はぁ……ここは……天国……?」


金髪の女騎士が 呆然とした様子で豪華なリビングを見上げている

「おい大丈夫か? とりあえず回復させるから待ってろよ」


【自動治療プロセス:中級ポーションを霧状に散布 および精神安定魔法の自動詠唱】

天井からキラキラとした光の粒子が降り注ぐと 彼女たちの傷跡が一瞬で消え去り 青ざめていた顔色に赤みが戻っていく


「嘘だろ……聖女様でも数時間はかかる傷が 一瞬で……?」

「このお菓子……浮いてる!? 勝手にお口に入ってきたですぅ!」


獣人の少女が 自動で運ばれてきた最高級のクッキーを頬張って目を丸くしている

どうやら彼女たちは とある悪徳領主の元で「休む間もなく戦わされる」という 俺の前世以上の超ブラック環境から逃げ出してきたらしい


「あなた様は……一体何者なのですか? こんな神の如き奇跡を当たり前のように……」

女騎士が潤んだ瞳で俺を見つめてくる

「俺? 俺はただの田中蓮 ここは俺の家だけど……


まあ 行く当てがないならしばらくここにいればいいよ 掃除も洗濯も飯も全部自動で終わるから 君たちは何もしなくていい」


「「「何もしなくていい……!?」」」


その言葉を聞いた瞬間 彼女たちは信じられないものを見るような顔をした後 わっと泣き崩れた

「そんな……そんな夢のような場所が この世界にあるなんて……!」

「一生ついていくですぅ! もうあんな地獄には戻りたくないですぅ!」


こうして 俺の全自動ハウスには 賑やかな(というか騒がしい)仲間が一気に増えることになった

一人でゴロゴロするのも良かったけど 誰かに感謝されるのも悪くない

賑やかになっていくリビングを眺めながら 俺はふと思った


 この全自動スキルは 俺だけじゃなく この世界の「疲れた人々」すべてを救えるんじゃないか?

でも その時の俺はまだ気づいていなかった

『全自動で与えられる幸福』が 彼女たちの心から「自分の足で歩く意志」を少しずつ削ぎ落としていくことを


そして あまりに完璧すぎるホワイトな環境が この世界の理を根底から壊し始めてしまうことを——

「蓮様! おかわりをお願いしますっ!」

「はいはい 今出すよ」

今はただ 彼女たちの笑顔を守れるならそれでいい そう思って俺はスキルのスイッチを入れた

新しく3人がふえましたー

シルフィア

元・王国騎士団の女騎士。生真面目で正義感が強い。過酷な無休労働から逃げてきた。

ルナ

幼い天才魔術師。魔法使いのブラックな工房でタダ働きさせられていた。

ミーナ

元気に動き回る猫耳の獣人少女。商人からこき使われて抜け出してきた。

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