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2話 全自動ハウスと最高な朝食

はじめて主人公がスキルをつかって家を作ったり朝食を作ったりする回です

まぶしい光が収まると そこは青々とした芝生が広がるのどかな草原だった

風が心地よく頬をなでて 空には雲ひとつない快晴が広がっている


「……まじで異世界に来ちゃったよ」

前世のあの湿っぽくて狭いアパートとは比べものにならない清々しさだ

身体を起こしてみると あんなに重かった肩や頭の痛みが嘘みたいに軽くなっている


「よし まずはさっそくあのスキルを試してみるか」

俺は念じるように頭の中で叫んだ


『固有スキル:全自動フルオート起動!』

すると視界の端に鮮やかな青い画面が浮かび上がり 静かな機械音が頭の中に心地よく響き渡った


全自動フルオートスキルを認識しました】

【思考:生活拠点の確保 および安全な住環境の構築を検知】

【全自動建築プロセスを開始します】


「おおお!? なんか勝手に画面が動いてるぞ!?」

次の瞬間 信じられない光景が目の前で繰り広げられた


地面からドゴゴゴと地鳴りのような音が響き渡り 大量の土や石が勝手に空中へと舞い上がる

それらはまるで目に見えない巨人が精密にパズルを組み立てるかのように 一瞬で綺麗なブロック状に成形されていく


木々は勝手に伐採されて滑らかな木材へと変わり 屋根や柱が目にも留まらぬ速さで組み合わさっていく

「速い速い速い! 大工さん何百人分だよこれ!?」

わずか十数秒の出来事だった


目の前には まるで王族が住むかのような豪華でモダンな二階建ての木造コテージがドカンと完成していた

【建築プロセス完了:防犯結界付き全自動住宅(庭園付き)】

「マジかよ……パッと考えるだけで一瞬で家が建った……」


腰を抜かしそうになりながら おそるおそる玄関の扉を開けてみる


中に入るとふわっと良い木の香りがして ふかふかのソファや高級そうなベッド さらには魔法で動く全自動のお風呂まで完備されていた

「すげえ……前世の俺の部屋の百倍広いし綺麗だ……」

あまりの快適さに感動していると お腹がぐううと盛大に鳴った


そういえば前世ではまともにご飯を食べていなかったし 転生してから何も口にしていない

「よし 次は全自動で飯を出してみよう」


『思考:最高においしい朝食』

【調理プロセスを開始します】

【周囲の安全な野生食材を自動採取・調理中】

キッチンからカタカタと心地よい音が響き始め フライパンが勝手に宙を舞い 包丁が目にも留まらぬ速さで食材を刻んでいく


ほんの数秒後 テーブルの上には湯気が立つ焼き立てのパンと とろとろのスクランブルエッグ ジューシーな香りを漂わせるカリカリベーコンのプレートがセットされた


「うわあああ! ホテルの朝食より豪華じゃん!!」

フォークを取ってベーコンを口に運ぶ

じゅわっと溢れ出る肉汁と最高の塩加減が口いっぱいに広がって 思わず目から涙がこぼれ落ちそうになった


「うまい……うますぎる……! 前世のコンビニ弁当とは比べものにならない……」

ポチッと念じるだけで 自分は指一本動かさずに家が建ち 最高の料理が出てくる


「全自動スキル 恐ろしい子……!」

あまりの楽さに俺はソファへ深く深く沈み込んだ

前世では毎日サービス残業に追われ 上司の怒声を聞きながら終電を逃す地獄の日々だった


それが今では 誰にも文句を言われず 好きなだけぐっすり寝て 美味しいものを食べて過ごせる

「神様……本当にありがとう……俺はこの世界で全力でぐうたらしてやるからな!!」

俺はふかふかのクッションに顔をうずめて 心からの解放感に浸った


これから始まるのは 前世の苦労が報われる最強で最安らぐ最高のぬくぬくライフだ

何もしなくても この全自動スキルがあれば一生安泰に違いない


そう信じて疑わなかった俺は まだ知らなかった...

この全自動スキルがもたらす『あまりにも完璧すぎる幸福』の裏に どんな残酷な運命が隠されているのかを


そして どんなに楽で満たされた世界であっても やがて訪れる『切ない結末』から逃げることはできないのだということを——

星やブクマ、リアクションをしてくれると嬉しいです

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