20話 水の都アクアリア
次は、水の都アクアリアに行きます!
鉱山都市ガルバを最高にホワイトな全自動都市へと作り変えた俺たちは
数千人の獣人たちに見送られながら 再び空飛ぶ拠点『キャンピング・キャッスル』で西へと旅立った
「はぁ〜……お腹いっぱいで最高に幸せだったニャ……」
リビングのふかふかソファで ミーナがお腹をポンポン叩きながら幸せそうにごろりと横になっている
「ミーナったら お肉を食べ過ぎですよ ほら ルナが淹れてくれた全自動の特製ハーブティーを飲んで落ち着きなさい」
シルフィアが苦笑いしながらミーナに湯気の立つカップを渡す
「ありがとうシルフィアちゃん……! れ レン様! 次の目的地はどんなところニャ?」
ミーナが目を輝かせて俺に尋ねてきた
俺は空中に浮かべた全自動ソナー地図をタップして みんなに見せた
「次の目的地は 世界で一番美しくて大きな水の都『アクアリア』だよ ここには世界中の優秀な魔法使いが集まる『水上魔法学園』もあるんだ」
「水の都アクアリア……! 私 一度本で読んだことがあります! 街中に綺麗な運河が張り巡らされていて ゴンドラでお買い物ができる美しい街だって……!」
エルナが瞳をキラキラと輝かせて両手を胸の前で合わせた
「ふふっ 学園都市でもあるなら 新しい魔法の本や珍しい魔導具がたくさん売っていそうですね……! すごく楽しみですレン様!」
ルナも嬉しそうに頬を緩ませる
だが 俺の索敵ソナーには その華やかな水の都の地下にドス黒い不穏な赤点(ブラック反応)がくっきりと浮かび上がっていた
どうやらそこでは 七大幹部の一人が学園の若き魔法使い候補生たちを不当な低賃金と不眠不休の『魔力搾取労働』で苦しめているらしい
「華やかな学園都市の裏でブラック労働なんて……相変わらず懲りない連中だな」
俺は心の中で苦笑しつつ 操舵室のレバーを倒してキャンピング・キャッスルを加速させた
「よし みんなで美味しい水上スイーツを食べながら サクッと学園のブラック環境もホワイト化してあげよう!」
「「「おー!!」」」
こうして俺たちは 眩しく輝く広大な湖と水上都市アクアリアの上空へと到着した
都市の景観を損なわないよう キャンピング・キャッスルを全自動光学迷彩で空に隠すと 俺たちは全自動転送で街の賑やかな広場へと降り立った
「わあぁぁぁ……! 本当に建物が水の上に建っていますよレン様!」
涼やかな風が吹き抜け 透き通った運河を可愛いゴンドラが行き交っている
シルフィアやルナたちはまるで乙女のように声を弾ませて美しい街並みに見とれていた
俺たちはさっそく露店で手に入れた金貨を手に 水上カフェで人気の『冷製フルーツパフェ』を食べたり 可愛らしいドレスのお買い物を存分に楽しんだ
「レン様! このパフェ 口の中で冷たくて甘い果汁がシュワッと弾けて最高に美味しいです!」
「レン殿……この服の生地 すごく柔らかくて動きやすいです……いつもありがとうございます」
みんなの満面な笑顔を見ているだけで 俺の心はぽかぽかと温かくなる
……だが そんな平和な街のカフェのテラス席に 一人のボロボロの制服を着た少女がフラフラと倒れ込んできた
「はぁ……はぁ……もう駄目……今週の睡眠時間……合計で三時間……課題の魔力抽出ノルマが終わらない……」
「大丈夫かい!? しっかりして!」
ルナが慌てて倒れた少女を支え 俺は全自動で生成した『冷たい栄養ドリンク&特製スタミナケーキ』を少女に渡した
「これ 飲んで食べてみて」
「え……? あ ありがとうございます……ゴクゴク……パクッ……う うまぁぁぁい!? 体が熱くなって……疲れが一瞬で吹き飛んでいく……!?」
一瞬で体力を回復した少女は目を丸くして俺たちを見た
彼女は水上魔法学園の生徒で 最近学園に新しく就任した『ブラック理事長』によって 生徒全員が昼夜を問わず地下施設で魔力を絞り取られているのだという
「その理事長……『過労死の支配者・黒影のゼノス』ね」
俺は静かに立ち上がった
七大幹部の一人が学園のトップに居座り 若い生徒たちをブラック労働で食い物にしていたのだ
「みんな パフェも美味しかったことだし……次は学園のブラック理事長を全自動でお掃除しに行こうか」
「はいッ! 若者を不当に苦しめる悪徳理事長など 絶対にお仕置きです!」
シルフィアがキリッと剣を構え ヒロインたちの目が正義感で輝く
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