13話 商業都市ルキア(3)〜ギルドの激震〜
大幹部シェルバを全自動はえたたき&粘着シートで一瞬でギルドの牢獄へダイレクト送還したあと
街には何事もなかったかのように平和な雑踏が戻っていた
「ふぅ 変な邪魔もいなくなったことだし 仕切り直してみんなで思いっきり買い物を楽しもう!」
「「「おー!!」」」
俺の掛け声に シルフィア ルナ ミーナ そしてエルナの4人が元気よく拳を突き上げた
まずは露店で稼ぎまくった金貨の山を手に 商業都市ルキアで一番大きな高級防具店&魔法道具店へと向かうことにした
店内には重厚な鎧や光り輝く杖がずらりと並んでおり 店主の頑固そうなオヤジが腕を組んで俺たちをチラリと見た
「いらっしゃい……って おいおい兄ちゃん ぞろぞろと可愛い女の子たちを連れて冷やかしかい?」
「冷やかしじゃないですよ みんなの新しい装備と可愛い服を買いに来たんです」
「ハッ! うちの装備は一級品ばかりだぞ? 金貨の一枚や二枚じゃ——」
そう言いかけた店主の目の前のカウンターへ 俺は露店で得たずっしりと重い金貨の袋をドカンと置いた
「これで足りる分だけ 店で一番いいやつをみんなに選んであげてください」
「き 金貨が百枚以上……!? ひぇっ……! お客様ぁぁぁ! どうぞどうぞ奥のVIPルームへ!!」
一瞬で掌を返した店主に案内され みんなの装備選びが始まった
だが 普通の店売り装備では俺の満足がいくクオリティではない
『思考:店内装備の全自動鑑定および極上エンチャント加工』
【全自動装備強化プロセスを開始します】
俺が指をパチンと鳴らした瞬間 シルフィアが試着した銀の甲冑が眩い光を放ち始めた
【シルフィアの装備:神聖騎士の自動防御鎧(物理ダメージ99%カット・全自動洗浄・超軽量化)に進化】
「な……なんですかこの軽さは!? まるで羽織を一枚着ているだけで 絶対に傷つかないような凄い魔力を感じます……!」
続いてルナの持っていた古い木製杖が 美しい宝石をあしらった至高の魔法杖へと変化する
【ルナの装備:自動詠唱杖(無詠唱化・魔力消費ゼロ・自動ターゲット補正)に進化】
「魔法の詠唱が頭に浮かんだ瞬間に完成しています……! こんなの国宝レベルの魔道具ですよ……!?」
ミーナには全自動で仕立てた『絶対に脱げないふかふか軽甲冑』を エルナには『気配遮断と自動温度調整機能がついた極上の可愛いドレス』をプレゼントした
「すごいニャー! 動きやすくて体が軽すぎるニャ!」
「レン様……こんなに綺麗なお洋服……本当に私なんかが着てもいいのでしょうか……?」
鏡の前でクルリと回るエルナの姿は 本当にお姫様のように愛くるしかった
「すごく似合ってるよエルナ! 可愛いね」
「あ……ありがとう……ございます……っ!」
顔を真っ赤にして照れるエルナの姿に シルフィアたちが「ずるいですレン様! 私のも褒めてください!」「私のもです……!」と頬を膨らませて詰め寄ってきた
そんな賑やかな買い物劇を終えて店を出ると 冒険者ギルド前が何やら大騒ぎになっていた
「おい! ギルドの地下牢にいきなり粘着シートでぐるぐる巻きにされた『懸賞金首の大幹部』が転送されてきたぞ!!」
「えぇぇ!? あの教団の『影蛇のシェルバ』だぞ!? 誰が倒したんだ!?」
ギルド職員や熟練の冒険者たちが大パニックを起こしている
牢屋の中でハエたたきの痕を顔につけたシェルバが「あのハエたたきの男を呼べぇぇぇ!」と泣き叫んでいるのが見えた
「……レン殿 アレ……完全にレン殿の仕業ですよね」
「あはは……まあ害虫駆除のついでみたいなもんだからさ」
俺は苦笑いしながら みんなと一緒にギルドの喧騒を通り過ぎて全自動ハウスへの帰り道を歩き出した
「今日は本当に楽しかったね みんな満足できた?」
「はい! こんなに楽しくてお腹いっぱいの休日は生まれて初めてでした!」
「私もです……レン様と出会えて本当に幸せです」
夕暮れ時の赤橙色の光に包まれながら 4人のヒロインたちが心からの満開の笑顔を見せる
その幸せそうな顔を見ているだけで 俺の胸の中は温かい気持ちでいっぱいになった
だがその頃——俺たちの見えない全自動スキルのシステムログの裏側では
無情な文字がまたひとつ刻まれていた
『幸福度の蓄積完了まで:あと50%』
『因果律の調整中:『田中蓮』に対する運命の絶望イベントを生成しています』
みんなの笑い声が夕暮れの森に響く中で 忍び寄る悲劇の影は着実にその密度を増していた——
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