274 時計が右回りなわけ
天さんと「チコちゃんに叱られる」を見てたら、「時計はどうして右回りなのか」という問題になった。
雑学多めなあたしは、この答えを知っていたので
「北半球の日時計が右回りだからだよ」
と言ったんだけど、天さんは「?」って顔をしてた。
あたしは時計好きだけど、このネタを知ってた理由はそのせいじゃない。
中学の頃、高校受験の模試の現代文の随筆で、このネタに触れてたからだ。
もちろん、そんな昔の模試の問題をなんでもかんでも憶えてるわけじゃないけど、印象の強いものは憶えてたりする。
その随筆では、筆者は、時計が右回りであることについて以前から疑問に思っていたってわけじゃなかった。
たまたま仕事でオーストラリアに行って、そこで日時計を見て気付いたそうだ。
日時計は、盤面(文字盤)の中央に棒を立て、日光が当たった時の影の方向で時間を示す。
日本では、東から日が昇る=影が西方向に伸びて始まる。
そのまま、正午頃に南中して影は北方向を指し、西に日が沈んで東方向に影が伸びたところで終わる。
これが、南半球では、東から昇った太陽は、正午頃に北にいる。
これは、地球の公転軸と太陽の位置関係からそうなるわけなんだけど、北半球と南半球で夏と冬が逆転するのと同種の現象と言える。
つまり、南半球では、日時計の影は、左→下→右、と左回りになるわけ。
それを見た筆者は、時計が右回りなのは、日時計を参考にした→時計を機構として作った文明は北半球で生まれた、ということに思い至った。
時計という機械を作れるほどの文明が北半球で生まれたからこそ、時計は右回りなんだ、もし、南半球で時計が開発されていたら、世界中の時計は左回りだっただろう、と。
あたしにとって、目から鱗な文章だったので、今でも憶えているわけ。
この随筆は、オーストラリアで買った世界地図は上に南極があった、という結びで終わってた。
自国をわざわざ下に描く必要なんてない。宇宙に上下なんかないんだから。
地図の上下も、北半球で生まれたものだから北が上になってるんだ。
時計は右回り
左回りの逆回転時計というものも存在するが、これは遊び心によるアイテムであって、南半球で開発されたわけではない。




