第98話 銀・河・最・強・! 〜時空監察官シズカHMS!③〜
ミツルが手首のスナップでカードを反転させると同時に、シズカがミャウドライバーをベルトにセットする。
「「変身!」」
ニャーン!
ニャーン!
「あ、これスコップさんのスマホの着信音!」
「不吉だろ?」
ちゃぶ台を脇に避けて、なぜかコンパクトに戦う2人から距離をとる。
「シズカ、ミツルちゃん。なぜ2人が戦わなければならないの……」
「じゃれてるだけだよ。……ハルナちゃんはどう?見ててウズウズしない?血がたぎるとか」
「ないない!というかバカみたい。私の妹?あり得ないわ」
「それについては間違いないよ!」
ミツルがひょっこりと会話に顔を出した。
「よそ見する余裕があるの!?」
シズカクロウが一瞬前までミツルの頭があった場所を襲う。
「きゃっ!」
「……2人の心が泣いている」
私のために争わないで、と泣いている山田は無視して、スコップとハルナと自分のお茶を入れ直してきたエム。
「訳わかんないわ。母さ……シズカさんたち、あんなに好戦的だったのね」
「エム、アンタも最初問答無用で殺されかけてたじゃないの」
「……そうだった」
シズカとスコップを抹殺にやって来た銀河刑事エムは、仕事モードのシズカの前に手も足も出せずに殺されかけたのだ。
「はいぱぁモード!時空監察官シズカWG!さあ、命乞いをしてみなさい!」
シズカは装甲を一部パージしてエネルギーに変換することで、速度とパワーが格段に上がる決戦フォームへ。
「チェンジ!キングフォーム!」
ミツルは全ての攻撃オプションを召喚。軽量化を図るためエネルギー装甲の一部を非展開することで全身が金色に輝く攻撃特化のフォームへ。
「シズカもミツルちゃんも可愛い〜!」
どちらも水着よりはマシな露出度合いのため、山田は狂喜。
「あの3人が冷静にならないと、話にならないわ」
「ところで、ハルナちゃんっていくつなんだい?」
「ん?西暦3306年生まれの21歳よ」
「「「「「え?」」」」」
「ミツル!あなたがどうして驚くのよ」
「だって、衝動的に連れてきちゃったから」
「今よ!キュリピュア・ギャラクシーアップ!」
「……しまった!」
シズカはミャウドライバーから溢れ出る漆黒のハートに包まれた。
漆黒に輝くシンプルなロングドレス、深いスリットから覗くお御足にヴェールが掛かる。ブーツとグローブはロングな淑女仕様だが、黒猫のアクセサリーでキュートさも演出。
美しい黒髪は豊かに広がり、先端に向けて深紅のグラデーションする。
「殲滅の堕天使!ピュアサイレント!貴方の懺悔を聞かせなさい!」
「伝説の闘士キュリピュアの力だと!?」
「決めるわ!」
サイレントは最愛の姉に向かい両腕を突き出す。
手のひらに清浄な愛のエネルギーが集まり、そして臨界を超える!
「キュリピュア!エターナル・イノセント・ギャラクシー!!」
「ぐわぁあああ……!」
「シズカさん、やり過ぎだ!」
ミツルの身体から吹き出す、どす黒いエネルギー!
「グレートアトラクター!?どうして?」
「お姉ちゃんの心を汚した罪、永遠の監獄で懺悔するといいわ」
実はやり過ぎたと、内心ドキドキのシズカさん。運良く敵っぽいものが出てきたのでホッと胸をなで下ろす。
そしてクールな決めポーズ。
「シズカ、マヂ天使……」
山田は倒れた。
しかし全く悔いを残さない、美しい死に顔であった。
「ゆうきちゃんもダメージ食らってるってどういうこと?」




