表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラクがしたい冒険者~誰か俺を養って~  作者: あさまえいじ
第二章
33/50

第32話

よろしくお願いします。

みんなで夕飯を食べている。ミレーユとルーナが作ってくれたみたいだ。リオンとキールが勢いよく食べている。今日はよく頑張っていたから、腹が減ったんだろう。他の子供たちも真似して食べている。ミレーユはそんな子供たちを見て、笑っている。借金が無くなって、ケルヴィン辺境伯から補助金が出て、孤児院では子供たちを腹いっぱい食べることができる。子供たちも体が大きくなっている。いいことだ。


「リオン、今日はどうする。」

「お願いします、キッドさん。」

俺とリオンは庭に出て、双剣を抜いた。いつも寝る前に組手をしている。リオンに少しでも実戦を経験させてやる。そうすればリオンはもっと強くなるだろう。

「行きます。キッドさん」

リオンから双剣を抜き、斬りかかってきた。右の剣を振るってきた、今日、ウルフを倒した時より鋭くなっている。ダイクの店で調整してもらった効果が出ているようだ。俺は体を後ろに逸らし、刃を躱した。リオンはもう一歩踏み込み、左を振るってきた、俺はそれを右手の剣で防ぐ。リオンは俺からの攻撃を警戒し、後ろに下がった。


いつもやっている組手はリオンが攻めて、俺が受ける、というふうにやっている。たまに俺も攻め、それがリオンに当たったとき、組手の終了となる。

特に何時まで、という時間制限はない。リオンの体力次第というところだろう。

「はぁ!」

リオンが気合を入れて、攻撃をしてきた。右は鋭く、左は重く、双剣でも左右に攻撃の質が違う。双剣に関しては俺よりも上手い。強くなっている日に日にそう思う。もっと体が大きくなると、きっとリオンはテオに匹敵するほどになる。親ばかではないが、そう思う。


side リオン

キッドさんは強い。今日はウルフを倒して強くなったと思っている。でもキッドさんはまだ、そこが見えない。双剣同士で戦うとよくわかる。まだ、相当、手を抜かれている。ダイクさんに調整してもらったおかげで、右の振りが鋭くなっている。キッドさんにも、そう認めてもらえるといいな。でもやっぱり当たらない。いつも考えている。右の剣撃を囮に左でとどめ、これは失敗した。次は左、右・・・、色々試したけどまただめだ。じゃあ次、

「終わりだ。」

キッドさんに言われて、俺の腹にキッドさんの双剣が当たっている。攻撃に意識がいき過ぎて守りが疎かになっていた。ああ、今日の組手は終わりか。

「ありがとうございました。」

「リオン、今日の攻撃は良かった。ただ、攻撃に意識がいき過ぎて守りが疎かになったな。」

俺の考えと全く同じことを言われた。

「はい。明日は気を付けます。」

「ああ。ではな、お休み。」

「はい。おやすみなさい。」

今日の反省をして明日につなげよう。明日こそキッドさんから一本取るぞ。


side out


リオンと組手を終えると、子供の面倒を見ているミレーユがいる。面倒を見られているのはカイルとリアだ。この孤児院で最年少の子供、3歳だ。お金がない中、懸命に生きてきた命だ。最近は少しずつ食べる量が増えてきて、体の成長が著しい。俺に気づいたのかカイルが俺を呼んだ。

「きっどー」

「どうした、カイル。」

「きっどー、きっどー、えへへ。」

何が面白いのだろうか、何故か笑っている。まあ、笑っているのはいいことなので、放っておいた。

「キッドさん。今日もお疲れさまでした。」

「ミレーユ、今日はリオンとキールが頑張ってくれた。俺はそれほど疲れていない。」

「でも、二人を見ていてくれていますから、私は安心しています。」

「二人はもう一人前だ。あまり、子ども扱いしないでやってくれ。」

「私にとっては何時までも子供ですよ。あの子たちがここに来てから、ずっと見てきたんです。だから、冒険者になる、と言ったとき、不安でした。」

「ミレーユ。」

「リオンは年長として、年下の子の面倒を見てくれていました。キールは頭のいい子で、お金の計算をしてくれていました。だから、二人がこのまま遠くに行ってしまう気がして、なんだか寂しくって・・・」

「二人はここに帰ってくる。俺が連れて帰る。だから安心しろ。」

「キッドさん・・・」

「カイル、リア行くよ。あ、こら邪魔しないの」

突然声がして、見るとそこにはカイルとリアを抱えている、ルーナがいた。ルーナはこちらを見て、口を動かした。ご・ゆ・っ・く・り、そう見えた。ミレーユはそれを見て、顔を赤くしている。



俺は部屋で寝る準備をしている。ここ最近、平和を感じている。先週はブラッディーベアやスタンピード、そして、ブランド―商会、色々あったが、今週はなにもない。キアラからも何もない。この都市にいると思っている。でも、何も接触がない。キアラがミレーユを敵視したことがある以上、俺はここを離れるわけにはいかない。リオンやキールにはもっと世界を見せてやりたい。まだ二人だけで旅立たせるわけには行かない。ロイ達に頼んでみるか。



side ???

「お久しぶりです。キアラ姉さん」

「あんた、どうしてここに。」

「お帰りが遅かったので、こちらから参りました。」

「でも一体、どうやってここに・・・」

「愛の力です。」

「愛って・・・あんた、どうしたんだい。前までそんなこと言わなかっただろう。」

「キッド様がいなくなって、思いました。本当に大切な存在がいなくなると人は狂う、ということを、だから取り戻しに来ました。」

「あんた、そんなにあいつのことを・・・よし、いこう!あんたなら、あいつの目を覚ませるかもしれない。」

「はい。待っていてください。キッド様。フフフフフ・・・」


side out


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ