第31話
本日2話目です。よろしくお願いします。
モンスター討伐を終えた俺達はギルドに報告に戻ってきた。今日はリオンがウルフを、キールがボアを討伐した。キールは三日前に魔法を覚えたばかりだし、リオンも一週間前から始めたんだ。成長が著しくて俺も嬉しい。
「キール、リオン」
「はい。」「なんですか、キッドさん。」
「今日はよくやった。リオンはウルフを討伐できた。後は周りを見て、仲間を頼ることができればいいと、俺は思うぞ。キールは魔法を覚えてまだ、3日だ。それでボアを倒せたことは誇るべきだ。後は魔法に慣れることだ。」
「はい。キッドさん。」「わかりました。キッドさん」
二人はおれのアドバイスを聞いてくれた。二人はもっと強くなる。そうなれば俺の将来も安泰だ。
「モンスターの討伐が終わった。確認してくれ。」
「はい。少々お待ちください。」
俺はエリーにクエストの報告を行って二人のところに行くと、誰かが二人に話しかけていた。
side リオン
「こんなところに何でガキがいるんだ。」
俺とキールはキッドさんがいない間に見知らぬ冒険者に絡まれていた。
「おい!聞いてんのか」
俺達が無視していることに気を悪くした冒険者は更に凄んできた。
「なんか用?」
「なんか用だと?、おい!ガキ、てめえ誰に断ってその席に座ってやがる。」
「誰って、椅子に座って何が悪い?」
「てめえ、俺様が誰だと思ってやがる!俺はE級冒険者のメンチだぞ!わかったらさっさと俺の前から失せな!」
なんかどうでもいいことで難癖付けてきた。
というより会話が成立していない。どうしようかな、簡単に倒せそうだが、それをやるとギルドに迷惑がかかりそうだし・・・
「おい、俺の仲間に何か用か。」
「あん!なんだ、てめえは!」
「俺はキッド。C級冒険者だ。それでお前はなんだ。俺の仲間に何か用か」
「キ、キッド!!す、すいませんでした。ま、まさか、キッドさんのお仲間とは知らずに・・・」
「用がないなら、失せろ!」
「は、はいーーーーーー!!」
すごい、さすがキッドさんだ。キッドさんに睨まれて、逃げていく。俺もキッドさんみたいになりたいと思っていると、「リオンやキールは、あんな下らん冒険者にはなるなよ。ミレーユが泣く。」そう言った。いやいや俺が成りたいのはキッドさんみたいな冒険者だ。あんなのこっちから願い下げだ。俺とキールはならないよ、と笑って言った。
side out
全く、あんな下らん冒険者に毒されて、折角のリオンとキールがダメな大人になったら、あいつどうしてくれようか。まあ、リオンとキールにあんなのになるな、というと、『ならない』、と言ってくれた。あんなのになるとミレーユが落ち込む、いや泣くな。俺も泣く。
「リオン、キール、今日のクエストは完了した。今日はどうする。このまま帰るか、どこかよるか?」
二人は考え込み、
「キッドさんはどうしますか?」
「俺は一度ダイクの店に行く。双剣の手入れを頼みに行く。」
「俺も行きます。キールは?」
「じゃあ、僕も一緒に行きます。」
「そうか。では行こう。」
俺はリオンとキールを連れてダイクの店に向かった。
「ダイク。いるか」
俺達はダイクの店に着き、ダイクを呼んだ。
「おお、キッド!、よく来た。今しがたできたんだよ!」
ダイクが興奮しながら、できたことを強調してきた。
「そうか、出来たか。では見せてもらえるか。」
「おうよ!こっちだ、来てくれ。」
俺はダイクについて行く。リオンとキールはよく分かっていないながら、後をついてきた。
「キッド、これだ!おれの自信作だ。」
俺はダイクが渡してきた武器を受け取った。
その武器は1mを越える『カタナ』に似た武器だった。
「ほう、二日前より良さそうだ。」
「だろ!だろ!二日前にお前に折られたのより、硬くなっているはずだ。」
「では、早速・・・」
俺はダイクから渡された、『カタナ』に似た武器を持ち、試し斬り用の丸太の前に立った。
「フン!」
「うわあああ・・・」
『カタナ』に似た武器は根本がポッキリ折れていた。刃が丸太に刺さったままだった。
「今回もダメだったか~」
「すまない、ダイク。」
「いや、キッドが悪いわけじゃない。俺が悪いんだ。また挑戦させてもらうぜ。」
「ああ、何度でも付き合うさ。」
一週間前に『カタナ』を見た後に、ダイクは『カタナ』を越える『カタナ』を作ろうとしている。前回の試作が二日前、今回のが二作目だ。でも、二つとも折れた。『カタナ』の作り方が分からないため、色々試しているが、折れてしまう。これからも研究が必要だ。
「ダイク、双剣の手入れを頼みたい。」
「おっと、そうだった。いや、すまんな。」
「構わない。そうだ、リオンのも見てもらえ。」
「そうですね。ダイクさん、お願いします。」
「おうよ、見せてみな。」
俺とキッドが双剣を取り出し、ダイクに渡すと、刃をジッと見つめる。
「キッドの方は特に異常はないな。少し、磨いておこう。リオンの方は、右の方が少し刃こぼれがあるな。まだ、震えてやがるな。」
「うう、今日もウルフを狩ったときに右がぶれたと思いました。」
「だろうな、お前さん、右の力が弱いんだろう。少し、右だけ重量を落とすか?」
「いや!俺は今のを使いこなします!」
「馬鹿野郎!意地張ってどうすんだ。今の武器を使いこなすんじゃなく、使いこなせる武器を使うんだよ。そんなんじゃ死んじまうぞ!」
「リオン、今使えなくてもいずれ使えるようになる。だから今は待つことも大切だ。」
「待つ・・・分かりました。キッドさん。ダイクさん、お願いします。」
「おう!任せな。」
リオンが無理な意地を張らなくなった。いい傾向だ。このまま育ってほしいものだ。
俺がそんなことを考えていると、キールに目がいった。
「氷よ、今ここに、集まり、敵を、貫く、槍、となれ・・・」
キールは小さな『氷の槍』を作っていた。
「キール、どうした。」
「キッドさん。・・・すぐに作れるように練習しています。今日も最初から、二発目と同じものが作れていれば、魔力切れにならなかったのに・・・」
「キール、今日初めての実戦はどうだった。」
「怖かったです。でもキッドさんがいてくれたから、魔法が使えました。でもいつもより緊張して、無駄に魔力を込めて、大きいけど、鋭くない、ただの氷の塊でした。あんなのじゃ、キッドさんを助けることなんて・・・、でも僕はあきらめません。絶対にキッドさんを助けられる男になって見せます。」
「そうか。わかった。あてにしているぞ、キール。」
「はい!」
キールは俺を養うために頑張ってくれる。頼もしい奴だ。
俺達はダイクの店を出て、
「ダイク。感謝する。」
「ダイクさん、ありがとうございました。」
「おう。キッド、俺は必ず完成させるからよ、また付き合ってくれよ。」
「ああ、ではまた。」
俺達はダイクの店を出て、孤児院に帰っていく。
「ただいま。」
「ただいま。」「ただいま。」
俺が孤児院に帰り、ただいま、というとリオンとキールが後に続く。
「おかえりなさい。みんな。」
ミレーユが出迎えてくれる。そして、
「リオン、怪我はない。」
「大丈夫だよ。ミレーユ姉ちゃん。」
「キールも怪我してない?」
「大丈夫ですよ。ミレーユお姉さん。」
ミレーユの健康チェックが始まる。二人が冒険者になるにあたり、大層心配したミレーユに怪我がないかいつも確認したらどうかと、提案したところ、今のようなことになった。
「ミレーユお姉ちゃん、夕飯の支度が大変なんだから、早く戻ってきてよ。」
「ルーナ。ごめんなさい。今戻ります。」
ミレーユが台所に戻っていく。ルーナはこっちを見て、口を動かした。
貸・し・ひ・と・つ
そう動いたように見えた。二人はため息を吐いた。どうやら借りを作りたくない相手のようだ。
ありがとうございました。




