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内部

「ふっざけっるなああああぁぁあ!!!」


常日頃騒音とは無縁な生活を過ごしていると思わず顔をしかめてしまう程の絶叫だった。


七大聖天教会アイゼンドラフト支局内部は普段とは違い慌てふためき走り回る局員が多く見られる状況だ。


そんな中でも群を抜いているのが支局長であるロイ・エルミット・タングスンであった。

支局長という肩書きではあるが司教位であり、古参の司教たちには何かと頭が上がらないタングスン支局長。だが信仰心もさることながら類い稀に見るほどの情報収集能力を持っていて、堅物と言われていたアイゼンドラフト王国中枢部を丸め込み支局を認めさせた相当なやり手だ。


支局長が絶叫をあげる理由。

支局に展開されている【聖魔結界】が突如破裂してしまったのだ。


最初に気付いたのは下位局員である若い司祭見習いだった。

下位局員が小休止に入ろうとしていたところ頭上から光の粒子が降っている事に気付き空を見上げたところ一面に広がる亀裂、次の瞬間豪雨のように降り注ぐ光の奔流。

皆が摩訶不思議な現象に内心心躍らせている中、支局長は執務室にてその光景を椅子に座って声も出せず顎が外れるのではないかというくらいに口を開け放ち眺めていたと言う。


書記官と通信士がとぼとぼと執務室を退室して行く姿が目撃されるのは何度目だろうか、本部は元より各支部に救援を求め連絡をしているらしいが色好い返事が返って来ないらしい。


「聖魔結界を修復あるいは再度展開出来るだけの力を持っている者は極僅かであり時間が掛かるものである」


ある程度の地位に就くものが一度は必ず受けるであろう講習会。その時初めて聖魔結界の存在を知る者が大多数である。元から知っている者は【魔力視】や【祝福】などの特殊能力や文字通り神からの祝福により知覚出来る者、数代に渡り信仰を護って来たであろう一族のみだ。


「今までの貢献を一切合切無視すると言うのか本部の連中がああぁあぁあ!!!」


タングスン支局長は後者である。だが優秀な魔力視持ちとして有名だった。故に視えるだけ相当切羽詰まった焦りが顔に出てしまっている。


「通信士を呼び戻せ!再度各支部に総当たりで救援要請を出すぞ!」


執務室に篭り直してしまったタングスン支局長。大慌てで通信士を連れ戻そうと走り出す側付き司祭。


このあと数えきれないほどの絶叫があがる事になるのだが、誰も彼もが対応に忙しなくしているので気にも止められなかった。

そして憔悴しきった通信士が渡り廊下で見つかったのは深夜過ぎの事だった。

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