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心配

「と言うわけでお腹は膨れたかいフィリス」


ドアを勢いよく開けて極めて明るく尋ねてみるもご機嫌はまだまだのようで、こちらを見てもくれない。


「旦那様、もうちょっと慎みと言いますか節度を覚えて頂けます?」


「こっちに来る時忘れて来ちゃったんだ」


「そんな都合よく忘れられるんですか、羨ましいですね。で、私に何か言うことはありませんか?」


コチラを振り向いてくれたものの顔は少し険しい表情で「怒ってますアピール」なのか腕を組んで見せた。


「怒ってる顔も可愛いね!口元にソースが付いてるのも素晴らしいよ!」


慌てて口元を拭い去るも頬を赤くしながら膨らませている。こんな姿を見たら言うことなんて決まっていたんだよ!


「だ旦那様!」


「うん、ごめん。からかいがすぎたね。本当にゴメンよ、どうすれば許してくれるかい?俺が出来ることなら頑張るよ」


「っ!?えっそっそそれはですねえっと」


真面目な顔をして謝ったら狼狽されてしまった。雰囲気からしてただ一言謝って欲しかっただけなんだろうけども、流石にやり過ぎた感は否めないので、ここらで一つ何かしなければ離婚を叩きつけられるかも知れない。


「えっえっと、私は一言謝ってくれれば良いんですよっ!あっ!あとはもう少しイタズラを控えてくれれば」


「あ、それは無理かも。好きな娘にはついついイタズラしちゃうんだよ。だからそこは諦めてね!」


怒って狼狽して困惑して呆れてと色々な表情が見れてとても有意義な時間だ。だがそろそろ伝えることは伝えなければならないのでひとまずこの話を打ち切ることにした。


「他に何かあったら考えといてね。それとさっき女将さんたちと話してたんだけどね明日城塞都市から兵士が巡回で来るんだってさ。どうする?今から出ても良いし兵士が去るまでここに滞在しても良いんだけど、フィリスが決めて良いよ」


「決めて良いよと言われても・・・あ、旦那様お身体に異常はありませんか?」


突然ベッドから降りて俺の身体をペタペタと触り始め熱もおでこをくっつけて計り出し始めた。


「至って元気だよ?急にどうしたのさ俺の顔色が悪いように見えたの?」


「旦那様、大聖堂に近付いた時何か感じませんでしたか?」


次いで脈まで計り出したフィリスだったが声は真剣味を帯びているので茶化すのはやめた方が良さそうな空気である。


「感じたよ。全身の力が抜けてく感じがしたんだけど、フィリスもなったの?」


「私自身は何も。ですが旦那様はきっと何かしら不調を起こしているのではと思い出しまして。あんなことがなければすぐに思い至ったんですけどね!」


怒りが再沸騰仕掛けているが自業自得だったので甘んじてお説教を聞く姿勢を取っていた。


「その話は後にします。以前母様から聞いたことがあるんです、大聖堂は邪悪なるモノを一切許さないと。なので、もし本当に旦那様が邪神と言うならば旦那様の身に何かしら起きるんじゃないかと思ってしまったんです」


「心配してくれてありがとね。でも本当に何もないから大丈夫だよ!」


小さな身体を抱きしめ感謝の言葉を述べた。


(力を吸われてると分かってからは一方的に力を注ぎ込んで結界破壊したことは言わない方が良いね)


そんなことを思いつつこれからどうしようか考えるのであった。

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