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巨城

「フィリスいい加減目を開けてごらん、人が蟻粒程度に見える高さにはもういないから大丈夫だよ」


「旦那様はイジワルですよ、なんでいきなりあんな雲がある高さまで上がっちゃうんですか」


「お守りの効果がどれほど効くか実験したかったのと怯える顔が見たかったんだ。それに可愛い子にはイジワルしたくなっちゃうんだから仕方ないよね」


「かかカワイイ・・・ですか、私・・・?」


「可愛いよ!だから嫁さんにしたんだからさ!」


思わず手で顔を覆い隠すフィリスだったが耳まで真っ赤になっているので意味がないということは言わない方がいいだろう。


「ところであのデカイ城っぽいのってフィリスの実家かな?それっぽい建物だったから近くまで来てみたんだけどさ」


「っ?!だだだ旦那様引き返して下さい!!」


真っ赤な顔が一気に真っ青に変わったのに驚きつつも訳を聞こうとしたその時全身の力が抜けていくような感覚が襲って来た。腕の中にいるフィリスは顔色が悪いだけで何も感じていないようだ。


「あの建物は七大聖天教会のアイゼンドラフト支局なんです!」


「え、あんなデカイ城が教会なの?しかも支局?」


「いいから引き返して下さい!!」


何故フィリスが焦っているのかが正直分からなかったが急速反転し一気に速度をあげて、城にしか見えない教会が完全に見えなくなるくらいまで後退した。


「あ、ごめんね」


会ってから何度目になるか分からない失神をするフィリスであった。

そして気を失って制御をなくし完全にやらかしてしまったようで


「あー右腕が温かいなー・・・ほんと今度からは急に速度をあげるのやめよう、流石に可哀想になって来たよ」


フィリスが意識を取り戻したのは昨日泊まった宿屋のベッドの中だ。自身が一糸纏わぬ生まれたままの姿に気づき奇声をあげるまで時間はかからなかったけね。


「なんで私裸なんですかあぁあぁああぁ!!!」


「はい、今度これ着てね!」


「旦那様せめて説明!説明は欲しいです!」


目の前に真っ白いシャツドレスワンピースをひらひらさせてみるが機嫌は治らず、事情をちゃんと説明すると今度は掛け布団の中に潜り込んでしまった。


「それじゃあ私はまた失禁してしまったと言うんですか?!もう16にもなると言うのにまた漏らしてしまったというんですね!?」


布団の中で狼狽しているフィリスが可愛いと言ったら話してもらえなくなりそうなので自重した。


「いや、アレは不可抗力だったから仕方ないって」


「ししししかも、だだだ旦那様にかけてしまうなんて」


「抱えてたらどうやっても濡れちゃうから仕方ないよね」


「更にはそのまま昨日の宿にまた部屋をとったんですよね?!」


「あ、そろそろ女将さんが晩御飯持ってきてくれるんだった」


戻って来た時には驚いた顔をされ腕の中で気を失っているフィリスを見て心配させてしまった。細かい事情は言わなかったが目を細め哀れみの視線を頂戴しつつ晩飯を部屋に持ってきてもらうよう手配しておいたのだ。


「そういうことは先に言ってください!!」


掛け布団に包まりつつも一瞬で服をひったくられてしまった。意地悪しようと思えば出来たのだがこれ以上気分を悪くさせると離婚と言われかねないので止めておいた。


「旦那様!取り敢えず話はあとです、晩御飯を先にいただきましょう!」


勢いよく掛け布団を跳ね除けベッドの上に立ち上がった我が嫁だったのだが、跳ね除けた勢いでスカートが捲れてしまい大事な部分が丸見えになってしまっているのだが本人は気づいていない様子。服は渡したが下着は渡していないのだ。なので俺の手の中には純白の布がまだ残っている。


「フィリス、コレ、なーんだ?」


その後女将さんが部屋に食事を持ってくるまでの時間、布団の中に包まって出てこなかった。下着は勿論履いていないのであった。

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