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人型
低い低い唸り声が鳴り響く
身体の芯からと言わず心臓を、魂そのものが得体の知れない恐怖に縛り付けられるような感覚。
目の前のドス黒い何かが発したモノでは決してありえない。ザムドを殺した謎の存在は唸り声に反応してかゆらゆらと全身を揺らしている。そして異臭がまた立ち込め始めた。
大穴からと言わず黒い存在からも沸き立っているようで吐き気が止まらず頭痛すら起き始め、魔法防壁や障壁が無意味だと気付くのに時間はかからなかった。
ドス黒い謎の物体がヒトの形を取り始めたかと思うと、顔の口部分が大きく裂けた。
口と思われる部分には歯と思える物がビッシリと生え揃っており、長い長い真っ赤な舌が覗いていた。
『ーーーーーーーーー!!!』
突然の金切り音に思わず耳を塞ぐが意味がなかった。直接頭の中に流れ込んでくる不快な音を発しているのは目の前のヒト型になった黒い奴だろう。
我慢していたモノが一気に胃から逆流してきて不快感からか思わず跪いて盛大に撒き散らした。見たら出血すらしている。攻撃を直接食らった覚えはないのに何故かと考える前に地鳴りが響いた。
「ぁ、な、なんなんだよ、あれは」
分隊長の掠れた声が聞こえた。
目の前には得体の知れない巨体な何かが鎮座していたのだ。
「主神ファマスよ、どどどうかお」
分隊長の最後の言葉は神への祈りだった。




