吉報
厳かな造りの礼拝堂にて少年が祈りを捧げていた。その姿は誰が見ても熱心な信徒であると思えるほどであった。
「失礼致します、レント・サタリューヤ城塞伯から使者が来ております」
年老いた司教が緊張した面持ちで孫ほどの歳の差がありそうな少年に跪いて報告をしている。
「祈りの時間を割いてまで聞く内容なのは確かでしょうね?」
少年は振り向かず祈りの姿勢を変えず声だけで聞き返すが、少年の声はひたすらに冷たく怒気も孕んだようにも聞こえ年老いた司教は一層身を引き締め報告を始めた。
「はい、どうやらお告げにない【来訪者】が異界より現れたようです」
すると少年の体がピクリと動き年老いた司教に振り向き問い掛けた。
「それは本当に【来訪者】で間違いないと?」
「城塞伯本人が直接対峙し複数の異能を確認したそうです。数は最低でも3つとのこと」
「最低でも3つですか、それは脅威ですね」
ふと顔を上げると少年は笑顔を浮かべていた。子供が浮かべる純粋な笑みとは到底言えない薄気味悪い表情で。
「分かりました、その書簡は僕の書斎に運んで下さい。あと他所の連中にも情報を渡しといて下さいね」
「畏まりました、二ラス大司教猊下」
大司教と呼ばれる少年は祈りを再開し司教は静かにその場をあとにした。
「託宣にない異世界人かー最低でも3つは異能を持ってるって言うから殺しがいがあると思うんだよねー嗚呼主神ファンマよ!貴方に感謝を!」
少年は高らかに神への感謝を述べる
敵対者をこの世に呼び込んだことへの感謝を
この昂りをぶつける怨敵の出現に
二ラス=リクセト=アムルセフィト
七大聖天教会 大司教 対異世界者抹消部隊長




