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対談

「レント様は姪っ子様を溺愛してるんでね」


そう言っていたのはロリコンじゃない方の門番君だ。彼は面倒そうな顔付でムンナ秘書官に話しかけ、どうやってかヤル気を焚き付けて俺とフィリスをレント城塞伯の元へ送り出してくれたのだ。


門番君が言うにはレント氏はフィリスの誕生日には必ず休日を取り、姪フィリスの誕生日を祝う食事会と言う名の酒飲み大会を城内大食堂で開催するらしい。レント城塞伯の私費を投じて開催するので問題ないそうだ。


「レント伯父様、私の話を聞いてください!」


「フィリス、大火傷が治ったのが、譲れないがそこにいるアウトサイダー氏のおかげだとしよう。しかし何故お前が嫁に行かねばならんのだ!!!」


「それは私の全てを、この御方に捧げたからです!」


「フィリスは実に素晴らしい啖呵を切りましたよ。なにせ【私の全存在をアナタに捧げましょう!足のつま先から頭の天辺まで!心も!体も!魂でさえ惜しくない!!!】とね」


「っな?!」


「旦那様、伯父様を熱くさせないで下さい。話が余計ややこしくなりかねません」


「はーい」


近場にあったソファーに腰掛けレント氏の表情を伺うが、これまた血筋なのだろうか顔を真っ赤にして怒っているのが分かる。


(いや常識的に考えて怒ると言うよりも困惑してるんだろう。何処ぞの馬の骨とも分からない男が大事な姪を治した対価に嫁にするとか意味解らないよ)


この間にもフィリスとレント氏の話し合いは続き


「外道法を使われてないか?」

「身体に異常はないのか?」

「王位継承権はどうする?」

「健康体になったんだから国王が黙って見過ごすわけがないぞ、私もだが!」


大まかにこの四点がレント氏の気になるところらしい。


(外道法ね、死霊術しか思いつかない己の浅はかさが恨めしい。身体は一切合切悪いところは治したから大丈夫。王位継承権は嫁に来るとしたら破棄することになるのかな?国王は貴族との【話死会】を見せれば頷くだろう、ついでにレント氏も。)


俺にとっては全て問題ですらないのだが、二人は真剣に話し合ってるので茶々を入れるのは話し合いの折り合いがついたときで良いと思っている。


フィリスにはあらかじめ『大樹海にある洞窟で長年研究していた魔法使いで俗世に疎い』と言う設定にしてもらってた。そりゃそうだ、いきなり自己紹介で『はじめまして!オレ邪神もどき!よろしくな!』と言って手を差し伸べても誰も取らず、暗黙の了解で存在しない人物にされるか危険人物として豚箱行き間違いなしだ。


フィリスの衣服についてはそれこそ見知らぬ旅商人から買ったということにしておいた。レント伯父様が信用できる人物ならば力の一端を見せても良いけど今のところはただのロリコン伯父様だから無理だね。


「旦那様の力量ならばきっと国王も喜んで私を嫁がせてくれるはずです!」


「フィリス、せめて名前で呼んでくれないか?旦那様は私の心に刺さるんだ、頼むから!」


レント伯父様がいらないところで精神ダメージを負っていたが私は知らない。

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