門番
「次の二人、前に!」
今日の相方が張り切って声をあげた。そりゃそうだろうアイツの好きそうな小さい女の子がいれば自然と気分が高まるのは分かりきってたことだ。
隣のデカ過ぎるヤツはその子の父親だろうか?少女がそもそも小さいだけに更にデカく見えてしまう黒コートの男。
「お嬢様、我らの番ですよ」
「えっ?あ、はい、そうでしたね」
お嬢様ね。確かに顔だけ見たらそんじょそこらとは比べられないくらい整った顔立ちをしてるし、下手すればお貴族様や王族と比べたって見劣りしないだろうさ。
男の荷物はコレでどうやって旅をしてきたのかと思えるほどに少ない。
試しに聞いてみると
「この先で物乞いをしているモノに飲食物は差し出してしまったんですよ。お嬢様が憐れんでしまって仕方なく。それに城門はすぐ先でしたので問題ないと私も判断したんです」
と言われてしまった。世間知らずのお嬢様が不憫に思って手持ちのモノを渡したと、やはり良いところのお嬢様なのは間違いないらしい。知り合いがここにいるのか?と聞くと
「はい、宿屋で待ち合わせをしているのですぐに会えるかと」
男と話していると何故か寒気がしてくる。
この地方では見かけない浅黒い肌、決して微笑みをやめない中立的な顔立ち。
服装などは珍しさもないが、それを身に着けているモノが異常なほどの高身長。コチラに迫ってくるような気迫すら感じてしまう。
気付くと相方の手が止まっていた。
少女の顔を凝視して身体を震わせているようだった。
いくら少女が好きだからと言っても限度があると思い小突いて急かすことにした。
「ふぃ、ふぃ、ふぃ、フィリス王女殿下様!!!」
相方が発狂したかの如く叫んだかと思うとひっくり返ってしまった。
どうやら今日の仕事が増えたようだ。
レント・サタリューヤ城塞伯になんて報告すればイイんだ?




