変化
「ナイアさん、まさか国に行くつもりなの?」
「え、挨拶に行かなくて良いのか?親父さんだって一応は気にかけてるんじゃないか?大火傷で失明した可愛い娘が旦那を連れて帰郷する。イイ筋書きじゃないか?あ、さん付けに戻っちゃったか。旦那様呼びもたまにはしてくれると嬉しいかな!」
「た、たまにですよ!それに父が私の状態を知ったら是が非でも王宮に連れ戻して結婚をなかったことにすると言い始めますよ」
「旦那様泣いちゃうんですけど」
「泣くだけで済むの?」
「取り敢えずフィリスを邪魔者扱いしてた貴族連中を八つ裂きにしてから交渉の段階に入る。あ、伯父様はメインディッシュだから大丈夫だよ。それならお義父さんも話を聞いてくれるよね」
「ナイアさん、それは交渉じゃなく脅迫だと思うのは私だけかな」
「多分これが一番早いと思います」
「ナイアさんが尋常じゃない存在なのはなんとなく気配で分かりました。だけど本当にそんな武力を持ってるんですか?」
「可愛い嫁ちゃんに教えてあげるとね、大樹海の主ウスグンベルフは俺を見て戦闘を躊躇った、はず。そのあと話し合って友人?知人みたいな友好的な関係を築けたと思う。その証拠にコレ、ウスグンベルフの犬歯ね。あ、近いうちコレを加工してフィリスにプレゼントしてあげるよ!」
「だ旦那様?・・・嘘はついてない、ついてないよね、え?樹海の主と友達?いやその前に戦闘を躊躇ったって、大樹海の主が?」
フィリスの困惑してる顔も可愛いので瞼に焼き付けておこう。
旅も嫌いじゃないからアイゼンドラフト王国に行く手段はフィリスに決めてもらおう。
迂回をして村や街を回りながら行くルート、大樹海を突っ切る強行ルート、裏技空中散歩。多分空中散歩になるだろうけど、フィリスが選ぶ時の表情が今から楽しみで堪らない。
(俺ってこんなに性格歪んでたっけ?)




