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盗賊

農村フンヌラーと言えばウスグンベルフ大樹海に入る直前、最後の補給地点だ。ここを直進すれば城塞都市アベルクラインは目と鼻の先になる。大陸のほぼ真ん中に存在するこの樹海のおかげで南北間での戦は千年近く起きていないらしい。


樹海の名前にある【ウスグンベルフ】

コレは大昔から樹海の主として君臨し続け各国間に睨みを利かせていると子供の頃母親から寝物語に聞かされたのを覚えている。


曰く体毛は白銀に包まれし巨大な猪である


曰く人語を解し邪な心を持つ者を見抜く


曰く牙はあらゆるものを貫く


時々目撃されているらしく噂の一人歩きではなかったんだと大人になってから思い直した。


大猪ウスグンベルフに挑戦する者は後を絶たないし樹海には貴重な資源が山程あるおかげで挑戦者は後を絶たない。そして樹海から引き返してくる手負いのパーティーを狙うのが俺ら(盗賊)の仕事相手だ。


今日も樹海から歩いてくる男が一人。

見た目は辛うじて成人しているくらいのまだまだ若い男だ。樹海を一人で越えることは不可能だから一人先行して道を確かめに行かせた辺りが有力だろう。


「やぁ、フンヌラーまであとどれくらいだい?」


「フンヌラーまではここから一時間程度で着くよ。アンタ見ねぇ面構えだが何処から来た?」


「城塞都市から来たんですよ、私が先行して後続の商隊の道案内をすることになってるんですよ」


(当たりだ)


右手で後ろの林に石を放り入れ手下に合図をするとあれよあれよと出てきた部下ども。中には興奮を抑えきれずズボンに手を出している馬鹿もいるようだ。


「大人しくしてれば綺麗な顔に傷を付けずに生かしておいてやるよ。後続連中の事をじっくり聞かせてもらおうか」


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