表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/95

猪突

樹海を駆け抜ける大猪ウスグンベルフ。

背中の乗り心地は意外にも良く、しがみついてたら獣臭くなると思いきやハーブ系の良い香りがしてくるという始末で挙げ句の果てに『我も生物としては雌だ』と言われ驚きの連発だった。


『ナイアよ、フンヌラーに何かあるのか』


樹海の樹々が避けているにしか思えない速度で走っている中でウスグンベルフは問い掛けてきた。


「これと言った用事はないんだけどさ、いきなり大都市に向かって失敗するよりも農村とかで世情を知ってからのほうが良いと思ったんだよ」


『我が教えてやるぞ』


「人類種の王の話とか噂話とかだぞ?」


『それは無理だな』


鼻を鳴らして残念そうな素振りを見せる。たかが数時間でこの大猪の表情が解るようになってきた。ただウスグンベルフは人語を話せるので声で感情がなんとなく解るだけなのだろう。


「樹海から出れる寸前で止めてくれ、ウスグンベルフはどちらの意味でも目立つからね」


大猪曰く樹海に住み始めて九百余年、いつの間にか周囲の生物から怖れ敬う存在になっていた大猪。自らの名前が樹海の名前になるほどには周辺の国々にもその巨体は有名らしく、樹海の外を歩くものなら軍隊と祈祷師が出張ってきて祈りを捧げてくるそうだ。そのような存在が農村近くに現れたらどうなるかは想像しやすいよね。


『分かった、止まるぞ』


急停止


これは少しムッとしたからだろうか、仕方ないので慣性の法則に任せて吹っ飛ばされることにしよう。


勢いよく吹っ飛ばされ大樹にぶつかった。

ウスグンベルフは心配する素振りも見せずゆっくりと近づいて来た。


『すまないナイア』


と言って樹海の外を見つめている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ