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藤井先輩と私。  作者: 寿音
番外編:あなたとわたし
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番外編:あなたとわたし

「永遠の愛を誓いますか?」

「はい、誓います」

チャペルの鐘が優しい祝福の音を奏でる。

「おめでとう!!」

「おめでとう!!お幸せに!!」




「まさか、あの二人が一番先に結婚式あげるなんてねぇ」

「幸せそう…でも、いいなぁ」

「何いってんの陽依、あんたも十分幸せでしょうが!!」

「えへへへ」

はい!どうも!!橋宮陽依24歳です。

藤井先輩とお付き合いし始めてから、約9年経ちました。

長いようで短かった9年間。

あれから、変ったこともあり変らなかったこともあります。

変ったことというと、ジュディがアメリカに帰ってしまいました。

私たちが高校3年生時、進路を決めなくてはならないときに、ジュディは日本ではなくアメリカで暮らすことに決めて、レオとアメリカに帰っていきました。

今は、あっちでレオと一緒に暮らしているみたいです。

「ハイ!!陽依!ユカ!!久しぶりネ!!」

「わぁ!!ジュディ来てたの?」

「来るにきまってるじゃないノ!招待状きたし、みんなに会えるんだから。まぁレオはあっちでお留守番だけどネ」

ジュディは、今、アメリカの日本語学校で教師をして日本語の素晴らしさを教えているって聞いてた。

「ジュディ日本語すっごくうまくなったわね」

ユカは昔のジュディのたどたどしい日本語を思い出してクククと笑った。

「うまいにきまってるでショ!これでも教師よ。あっ、担任いるじゃナイノ!挨拶してくる」

「いってらっしゃい」

「ジュディ変んないなぁ」

「ジュディはずーっとジュディよ」



「陽依さん、柚果さん。今日は私たちの結婚式に来てくださってありがとうございます」

「ありがとうございます」

背後から声を掛けられて振りかえると、美しい花嫁さんとカッコよくタキシードを着こなすお婿さんが立っていた。

そう、今日の主役はこの二人。

「杏奈ちゃん!!きれい…」

「ありがとうございます」

杏奈ちゃんと、坂上渉くんの結婚式。

坂上君とは、結構前、藤井先輩のもう一つの故郷、大阪に遊びに行った時に初めて会ってお話しました。

とっても聡明で賢そうな方で、大人しそうなのかなって思ってたけど、杏奈ちゃんと一緒にいるときは子供のような表情をしたりしていて、二人はちゃんと心を通じ合わせてるんだなぁって思いました。

坂上君とお付き合いを始めた杏奈ちゃんは、以前のように、私につっかかることもなく、素直になって本当の妹みたいになりました。

昔じゃ考えられないけど、一緒にお茶したり、ショッピング行ったりしてるの。

でもたまに、「陽依さんのファッションセンス疑います」とか「そんなに食べたらお兄ちゃんに嫌われますよ」とか言われるんだけどね。

ブラコンぶりは健在みたい。


「二人とも、とっても素敵。お幸せにね」

「陽依さんに言われなくても、幸せになるわよ!」

ほらね。ふふっ


「おーい!橋宮!」

遠くから聞こえる声。

この声は…。

声のしたほうに振りむくと、梶瀬くんの姿が。

すっごく久しぶりだぁ。

高校卒業してからまったく会っていなかった。

学校も違ったし、卒業後の進路もまったく違っていたから。

でも周り女の子に囲まれていてこっちになかなか近づけないみたい。

「おいブス共、どけ」

教会にはふさわしくない言葉が耳に入る。

この真っ黒い言葉って…まさか。

「梶瀬広樹はあたしのもんだから、ブス共散りな。邪魔じゃ。」

すごい剣幕と、ドスのきいた声にビビって去っていく女の子たち。

というか、この子たちも新郎新婦の友人なのに…こんな…大丈夫なのかな、結婚式。

「え…江梨香ありがとなっ、助かったよ」

「こ…このくらいなんでもありませんわ」

つ…ツンデレ…。

楠木さん、あれからさらに二重人格に磨きをかけたみたい。切り替えがすごすぎて感心しちゃった。

「楠木さん、梶瀬くんお久しぶり!!」

「あら、橋宮さんと本宮じゃなくって?」

「久しぶりね楠木さん……てか、二人って付き合ってるの?梶瀬の趣味も変ったわね」

ユカったら。

「なんですの?その言い草は」

「いや、梶瀬には楠木さんみたいな人が合うって思ってたからさ」

「そうですの?うれしいですわ」

二人の出会いは、大学のコンパだそうで、身近な二人がくっつくなんて、世間は狭いなぁって実感した。


そんな楠木さんの職業は、なんと……保育士です。

梶瀬君は体育の教師をしているみたい。

もう少しして、落ち着いたら結婚を考えてるって梶瀬君は笑顔で教えてくれた。

となりで、顔を赤らめて「それ、聞いてないんですけど」と驚く楠木さんはとっても可愛くって。

みんな幸せそう。


あっ、ユカあっちで委員長が呼んでるよ」

「ほんとだ!行ってくるわ」

委員長は、何年たっても委員長のまま。

変りません。

今、委員長とユカは大学の院に進学して、博士号を取得するため猛勉強中。

私はあんまりわからないけど、二人ですっごい研究してるみたい。

二人は相も変わらずラブラブです。

ユカと会うたび会うたび、委員長とのノロケ話を聞かせてくれます。

この前なんか、喫茶店で一日中ノロケられて困りました。

ほんと、みんな幸せそうでよかった。


かくいう私も、幸せです。

「陽依~!!めっちゃ探した!どこフラついてんねん」

「ごめん、ユカと一緒にいたの」

先輩…かっこいい。

はい、私も変らず先輩大好き人間です。

「もう陽依一人の体ちゃうんやからな、ほら椅子持って来たからここ座り」

「ありがとう、ふふっ」

「どうした?」

「ううん、悠太はいつも優しいなって思って」

「ちょ…もう、やめてや陽依~、はずかしいから」


はい、私の中には、新しい命が宿っています。

5ヶ月後には私はママになります。

赤ちゃんを産んでから結婚式をあげる約束をしました。

先輩……悠太と私の赤ちゃん。

どんな子が生まれてくるのか毎日楽しみで、それを考えてるだけで幸せ。


悠太は、今、売れっ子インテリアデザイナーで、テレビや雑誌や依頼やらで引っ張りだこ。

でも、私との時間を大切にしたいからってちゃんと夕方6時には家に帰ってくる。

私が妊娠してからは、5時には帰ってきて、夕飯とか家のこととか一生懸命してくれて…とってもいい旦那さんです。

入籍はもうすでに済ませていて、私の苗字は橋宮から藤井に変りました。

でもまだみんな私と先輩が結婚してることを知っていても、呼びなれていなくって、橋宮と呼ばれることがほとんど。

藤井陽依。

入籍した当初、自分の名前をフルネームでつぶやいてみては、うれしくって家じゅうをかけまわったなぁ…。

あっ私は、今産休中だけど、ちゃんと働いてるんです。

なんと働いているところは……ベルグレフィンなの!!

すごいでしょ!!

高校卒業して、パティシエになるために専門学校に入って猛勉強。

ハタチになったころから、ベルグレフィンのパティシエとして働かせてもらってる。

あと何年かしたら、独立して自分のケーキ屋さんをつくろうって思ってる。

もちろん内装や外装のデザインは悠太に任せる予定。


「陽依…」

「はい?」

「いつか俺らも、こんな風に結婚式あげような」

「うん」

「幸せになろう」

「悠太となら、今もこれからもずっと幸せだよ」


藤井先輩と出会えて、よかった。


本当に本当に、よかった。

先輩が私を好きになってくれて、よかった。


あなたと結婚して、よかった。


あなたとわたし、そして新しい命と3人で、もっともっと幸せになろう。


「大好き、悠太」

「愛してるよ陽依」






fin.

藤井先輩の私。

つ・い・に!完結しましたぁああああ!!


さて、藤井先輩と私。の番外編としてスタートした「藤井先輩の私。」ですが、いかがだったでしょうか。

個人的に好きな話は、杏奈と坂上君のお話です。


ちびちびと連載していたのにもかかわらず、支えてくださったファンの方々ありがとうございました!

感謝感謝感謝です。

藤井先輩の私。藤井先輩と私。を応援してくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!

でわまた、ほかの作品で逢えたらうれしいです($・・)/~~~


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