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お祭りから帰ってきて数時間経って、現在夜10時。
お風呂に入って、自室でマンガを読んでいた私。
この前買ったばかりの漫画で、学園ラブコメディ。
テレビでコミックランキングの上位に入っていることを知って、買ってみた。
読んでみるとなかなかおもしろくて、両思いなのにくっつかない主人公たちにやきもきさせられる。
『太郎さん…彼女いたんだ』
街中で、女の子と楽しそうに笑う太郎を見かける主人公花子。
『なんで彼女いること黙ってたんだろう』
一緒にいた友達の前で涙ぐむ花子を、友達幸子が優しく慰める。
「この感じ…私も分かるかも…」
どうして共感できてしまうのか分からない。
花子と幸子が、私とユカに見えた。
数ページ進むと、太郎と一緒にいた子は、太郎の妹で花子の早とちりだった。
「なぁんだ…よかった」
漫画の世界の事なのに、自分の事のようにほっとしてしまう。
今日、私なんだかやっぱりおかしいな。
ピロリロリン♪
あ、メールだ。
ユカからかな。
ベットに放り投げていた携帯に手を伸ばすと、ディスプレイの文字に私の体は固まった。
≪藤井 悠太≫
藤井先輩?
おそるおそる、受信メールBOXを開く。
≪新着メール1件≫
ポチッと開くボタンを押す。
≪受信メール1件≫
ボタンを押す。
開いた瞬間、目を閉じた。
なんだか怖くて見れないよ。
でも見なくちゃだよね、無視しちゃ先輩に悪いし。
ゆっくりと震える瞼を持ち上げた。
『ジュディに聞いたで?気分悪かったんやってな。気付かんでほんまごめん!体調良くなったか?』
先輩すごく心配してくれてる。
なんか、申し訳なくなっちゃった。
私全然体調いいのに。
ジュディ、私が体調悪くなったから先に帰ったって先輩に言ったんだ。
あれからジュディとずっと一緒にいたのかな。
まだ一緒にいるのかな?
私は、返信ボタンを押した。
なんて返そう。
聞きたいことはいっぱいあるのに、どれも藤井先輩に聞くのが怖い。
どう聞いたら自然かな…。
うーん、と唸っているといつのまにか10分、20分と時計の針は進んでいた。
『心配かけてごめんなさい。体調はだいぶ良くなりました★
先に帰ってしまって本当にごめんなさい。せっかく誘ってくれたお祭だったのに。本当にごめんなさい』
こんなメールでいいかな…。
そして送信ボタンを押す。
送信し終わって、もう一度自分のメールを確認する。
「あ、ごめんなさいって3回も書いてる」
件名も本文もごめんなさいだらけ。
文章的に変かもしれない。
どうしよう…!
すると1分と経たずに藤井先輩からの返事がきた。
『俺の事は気にするな!陽依がおらんと楽しくないから俺も祭途中で帰ったし★また違う機会にまた遊ぼうな!』
先輩あれから帰ったんだ。
ホッ…
なんだか、自然と顔がゆるむ。
「陽依がおらんと楽しくない……か、ふふっ♪」
それからすぐ私は、≪はい!楽しみにしてます≫と返信すると、少し早めに眠った。
私ったら結構単純な性格してる。さっきの漫画と同じみたい。




