大会 一 【王の責務、五】(2)
そのシルエットは俺を見つめていた。
その視線が俺に感じさせた圧倒的な圧力が、俺を動けなくした。
まるで時間が止まったかのようだった。
そのシルエットのコスモスはあまりにも強烈で、部屋全体を包み込み、俺の五感を使えなくした。
感じられる唯一のものは、その存在だけだった。
俺がパニックになり始めたとき……
コスモスが消えた。
視界が戻ったことに気づき、フードを被ったシルエットの方を見たが、誰もいなかった。
それはただ消え去っていた。
俺はささやいた。「リーン、大丈夫か?」
[ええ、どうして?]
「お、お前は何も見なかったのか?」
[何の話?]
「気にするな……」
[本当に大丈夫?]
俺は答えなかった。
代わりに、ドランたちの方へ顔を向けた。
彼らは何事もなかったかのように客の群れの中を進み続けていた。
誰も何かを見たり感じたりした様子はなかった。
本当に疲れているのかもしれない。
広大な玄関ホールは、客たちが集う広々とした舞踏室へと通じていた。
賑やかなおしゃべりが白大理石の壁に反響し、部屋を飾る異国的な木々や植物はその活気を喜んでいるように見えた。
俺はドランたちに追いついた。彼らはセラフィー公爵家からの客たちと話し始めていた。国境を共有しているため、ウルクの拡張主義によってしばしば脅かされる、我が公爵家にとって貴重な同盟者たちだった。
突然、広間の奥の階段から大きな音が響いた。
髭を生やした男がそこに立っており、手に杖を持っていた。
ほぼ即座に静寂が訪れた。
ほんの数秒前まで、数百人もの人々がまだ大声で話していた。笑い声が舞踏室全体に響いていた。
それなのに、この男が現れただけで、すべてが止まった。
最も傲慢な貴族たちでさえ、会話を中断した。
男はゆっくりと階段を降りた。
トン。
トン。
トン。
トン。
杖の音が白大理石に反響した。
丁寧に整えられた灰色の髭は胸まで届いていた。銀糸で刺繍された長いミッドナイトブルーのコートが、彼の細い体を覆っていた。
しかし注目を集めたのは彼の外見ではなく……むしろその存在感だった。
穏やかな存在感。
古い。
何世紀も動かずに過ぎゆくのを見てきた山のように。
階段の途中まで来ると、彼は止まった。
それから広間全体に視線を走らせた。
何人かの人々が無意識に背筋を伸ばすのがすぐに分かった。
最も高慢な貴族たちでさえ、突然ずっと規律正しく見えた。
男は微笑んだ。
「今年これほど多くの若き才能が集まったことを嬉しく思う」
彼の声は特に大きいわけではなかった。
それなのに、一言一言が広間全体に完璧に響いた。
エーテルが声を拡大するために使われているのは感じられなかった。この男は単に並外れた存在感を持っていた。
「まだ私を知らない者のために、名をアルドリック・ヴァレンという」
集まった者たちの間にわずかなざわめきが広がった。
何人かの貴族が驚いたように視線を交わすのが見えた。
[有名みたいね]
だろうな。
アルドリックは続けた。
「今年の試練の主任監督を務める」
ざわめきはわずかに強まった。
ドランでさえ驚いているようだった。
「何か問題か?」俺は彼に寄りながら慎重に尋ねた。
彼は男から目を離さなかった。
「彼はポンティフだ」
俺は眉をひそめた。
「ポンティフ?」
ドランは俺をちらりと見た。
それから、俺が大貴族の完全な教育を受けたことがないのを思い出したようだった。
「ポンティフは塔の直接の代理人だ」
俺はゆっくりと頷いた。
それで周囲の反応の説明がついた。
杖を持った男は片手を上げた。
即座に静寂が戻った。
「皆も知っての通り、この年次集会の目的は様々な貴族血統の後継者たちを評価することにある」
彼の視線は集まった者たちを見渡した。
「しかし今年は……」
面白がるような笑みが彼の顔に浮かんだ。
「……通常の形式をわずかに変更することにした」
今度はすぐにざわめきが再開した。
興味をそそられた様子の貴族もいた。
心配そうな者もいた。
数人が眉をひそめた。
老人は数秒待ってから続けた。
「個人試練は廃止された」
広間全体に騒然となった。
「何だと?」
「廃止?」
「馬鹿げている!」
「なぜだ?」
ドランでさえ驚いているようだった。
アルドリックは杖で床を軽く叩いた。
静寂が戻った。
「世界は変わりつつある」
彼の笑みは消えた。
「一人の個人が単独で偉大なことを成し遂げられる時代は終わった」
彼の視線は冷たくなった。
「モンスターは数を増している」
「異変は増殖している」
「国境は不安定になっている」
ほんの一瞬、俺はすぐに森の中のモンスターのことを考えた。
そして、自分の手に現れたあの奇妙な炎のことを。
アルドリックは続けた。
「したがって、今年は……」
彼は間を置いた。
「……主要な試練はトーナメント形式で行われる」
数人の貴族が視線を交わした。
「チーム制の決闘トーナメントだ」
沈黙。
それからさらに大きな騒ぎが広間全体に巻き起こった。
「チームだと?!」
「馬鹿げている!」
「後継者がチームで戦うなど、いつからだ?」
「チームはどう選ばれるんだ?」
議論はすぐにあらゆる方向で爆発した。
リーンでさえ興味をそそられたようだった。
[厄介な予感がするわ]
アルドリックは再び杖を上げた。
静けさが戻った。
「チームは同じ家族の者で構成されることはない」
多くの貴族の表情が急に変わった。
なぜかはすぐに理解できた。
もしチームが混成なら……
それは同盟家族が協力できることを意味した。
しかし、敵同士が協力させられる可能性もあることも意味した。
ポンティフの顔に面白がるような笑みが浮かんだ。
彼は自分の発表が与えている影響を正確に分かっていた。
「チームは二人一組に限られ、ランダムに割り当てられる」
抗議の声がすぐに再び巻き起こった。
アルドリックはそれらを無視した。
「パートナーの名前は明日の朝に知らされる」
今度はドランでさえ小声で悪態をついた。確かにこの状況は我々に有利ではなかった。
彼の懸念は理解できた。
もし我々のように弱い公爵家と協力することを拒む者と組まされたら……
我々はすでに片足を墓に突っ込んでいるようなものだった。
もし政治的敵対者と組まされたら……
それはさらに悪いかもしれない。
そして俺のいつもの運を考えると……
結果はすでに想像できた。
[絶対に厄介な奴と組むことになるわよ]
「ありがとう、リーン」
[現実的に言ってるだけよ。がっかりさせないためにね]
俺はため息をついた。
「トーナメントは内闘技場で行われる」
数人の貴族が頷いた。
彼らはその場所をよく知っているようだった。
俺はもちろんそれが何なのか全く分からなかった。
「目的は必ずしも相手を倒すことではない」
その言葉は即座に全員の注意を引いた。
老人の笑みが広がった。
「ある試練では戦うことが求められる」
「別のものでは、生き残ること」
「さらに別のものでは、協力すること」
ポンティフの笑みが再び広がった。
「そして時には……」
彼の視線はゆっくりと集まった者たちを見渡した。
「……憎んでいる者を信頼すること」
広間を震えが走った。
それから彼の視線が止まった。
俺たちの上で。
俺の心臓が一瞬跳ねた。
ほんの一瞬だけ。
しかし確信した。
彼は俺たちを見ていた。
まっすぐに。
まるで俺たちが何を恐れているかを正確に知っているかのように。
それから彼は視線を逸らした。
何事もなかったかのように。
それなのに、奇妙な感覚が胸に残った。
不快な感覚。
まだルールを知らないゲームの駒になったような。
そして広間の奥のどこかで……
俺はどうしてもあのフードを被ったシルエットのことを考えずにはいられなかった。
その視線。
そのコスモス。
そして先ほどから俺につきまとっているあの確信。
あの人物はトーナメントを見に来たのではなかった。
俺のために来たのだ。
プロローグもそろそろ終わりに近づいてきました。伏線が全部崩れていないといいのですが…〒▽〒
もっと章をアップしなきゃ!




