大会 一 【王の責務、五】(3)
彼が話し終えると、老人は群衆のざわめきの中を階段を再び上り、何事もなかったかのように去っていった。
彼は確かに謎めいた人物だった。
悪人や悪意のある人物のようには思えなかった。
それどころか、むしろ好印象を持った。
群衆はすぐに散り散りになり、俺たちは割り当てられた宿舎へと戻った。
各国にはそれぞれの区画があり、支配者たちがそこに住居を建てていた。もちろん、住居の種類は国によって大きく異なっていた。
最も裕福な公爵家は、贅沢と壮大な野心にふけることができた。
案の定、我が国のものは盛りの時期を過ぎていた。
壁にはひびが入り、反った木製の正面扉は開けるたびに重々しく軋んだ。
ほこりの匂いが内部に満ち、古いオーク材の家具は絶えず軋んでいた。
階段は一歩ごとにぎしぎしと音を立て、絨毯は色あせていた。
壁紙は黄ばみ、何箇所も剥がれて、不格好に壁から垂れ下がっていた。
それでも、それらの軋みや匂いは不思議と俺を安心させた。そこでは落ち着けた。
落ち着くと、俺たちはリーズが用意した昼食を食べた。
あれほど慌ただしい朝の後だったので、彼女のビーフシチューには何か心を落ち着かせるものがあった。
昼食が終わると、ドランと兵士たちは、俺たちに提供されたはずの訓練場へと俺を引っ張っていった。
通りを渡り、すべての建物の前を通り過ぎて、かなり大きな長方形の建物を囲む大きな石の門の前に到着した。
門をくぐると、すぐに内部の騒音が耳に飛び込んできた。
中は地面が固い土でできており、様々な木製の武器が縁に沿って並べられていた。
的として使われるいくつかの木の杭も、広間の一角に立てられていた。
弓を装備した数人が、部屋の反対側から射撃の練習をしていた。
ドランは俺たちを空いている隅に連れて行き、ストレッチを始めた。
「まさか参加するためにここに来たんじゃないだろうな?」
声が俺の肩越しに響いた。
ドランと俺はそちらを向いた。
すぐにそれと分かった銀髪の若い男が、半ば驚いた表情でこちらを見ていた。
それは、受付の前に初めて彼を見たときと同じ表情だった。ただメイドたちがいないだけで、彼はだいぶ印象が薄く見えた。
「服装からすると、セラフィーから来たのだろうな」
ドランが前に出て、俺の前に立った。
「我々はブリテンから来ました、若様」
少年は彼を見て、それから吹き出すように笑い、嫌悪の表情を浮かべた。
「兵士ごときが私に直接話しかける立場にあるとは思えないがな……」
彼は視線を俺に向けた。
「つまり、本物の国家のふりをしているわけか」
俺は拳を握りしめた。
宮廷で最も愛国心が強いわけではなかったが、俺を救ってくれた国をそのように侮辱するのを聞くと、血が沸騰した。
しかし、俺は国家全体の代表としてここにいた。自制心を失うわけにはいかなかった。
俺は深く息を吸った。
「我が国は常に独立していた。それに、あなたに紹介された覚えはない。そのような言い方は失礼だと思うが」
俺は彼のプライドを傷つけたに違いない。彼の笑みはすぐに消え、体重をわずかに左右の足に移した。
彼の視線は真剣になった。
彼は手を差し出した。
「私はアイザック、ウルクの皇太子だ」
俺は握手のために彼の手を取った。
しかし、手が触れた瞬間、アイザックは突然俺の手を乱暴に握り締め、俺は痛みで顔をしかめた。
俺の不快感に気づいたアイザックは笑った。
「親愛なるブリテンの同胞よ、訓練の決闘などどうかね?」
周囲ではすでに数人がこちらに顔を向け始めていた。
射手の何人かは射撃をやめていた。離れた場所で訓練していた数人の貴族たちも動きを遅くしていた。
見ていないふりをしている者たちも、密かに聞き耳を立てていた。
アイザックはそれを知っていた。だからこそ俺に挑んできたのだ。
彼は訓練を求めていたのではなかった。
見世物を求めていたのだ。
そして何よりも、ブリテンの代表がどれほどのものかを見たかったのだ。少なくとも、俺にはそう思えた。
俺は数秒間彼の視線を保ってから、痛む手を引き離した。
「決闘だと?」
俺の返答に興味を読んだのか、彼の笑みが広がった。
「まさか怖がってはいないだろうな?」
[殴ってやりなさい]
やめておく。
[ちょっとだけなら?]
やめておく。
俺は数秒間考えた。
トーナメントはすぐに始まる。
今ここで自分の能力をすべて見せてしまえば、他の家はすぐに戦略を調整するだろう。
そしてもっと重要なことに、俺の凡庸なレベルを考えると、切り札は隠しておいた方が良かった。
アイザックは俺の沈黙を嘲笑するような笑みで見ていた。
「それで?」
俺はわずかに肩をすくめた。
「いいだろう」
彼の笑みはすぐに満足そうなものに変わった。
俺は続けた。
「ただし条件がある」
彼の片方の眉が上がった。
「聞こう」
「エーテルなしだ」
彼の笑みは消えた。
周囲の数人が驚いたように見えた。
アイザックはしばらく俺を見つめてから、小さく笑った。
「エーテルなし?」
「そうだ」
「なぜだ?」
俺は腕を組んだ。
「ここは貴族で溢れた訓練場だからだ。誰かがエーテルの制御を失えば、すぐに問題になりかねない」
嘘だった。
しかしもっともらしい嘘だった。
本当の理由はずっと単純だった。
俺はアイザックに俺を過小評価してほしかった。
エーテルをまともに使えない田舎の剣士に過ぎないと見てほしかった。
もし後でトーナメントで対戦することになれば……
不意打ちの要素が大きな違いを生むかもしれない。
アイザックはしばらく俺を見つめた。
それからいつもの笑みが戻った。
「いいだろう」
彼は両腕を広げた。
「君のような相手を倒すのにエーテルは必要ない」
[殴りたくなる顔ね]
同感し始めている。
ドランがわずかに近づいた。
「若様……」
「若様」が戻っていた。彼は本当に心配しているに違いない。確かに俺はあまり強くはなかったが、アイザックと戦うことが本当にそれほど危険なのか?
俺は彼にわずかに頷いた。
彼は理解したようだった。
彼は俺が特に強いわけではないことを知っていた。
しかし、共に訓練を重ねた後では、俺が愚かではないことも知っていた。
数分後、訓練場の中央に人だかりができた。
木製の武器が運ばれてきた。
アイザックはすぐにロングソードを選んだ。
俺も似たような武器を手に取った。
それからウォーミングアップを始めた。
違いは歴然だった。
アイザックは幼い頃から武道の訓練を受けてきた者の自信を持って武器を扱っていた。
彼の動きは流れるようだった。
正確だった。
自然だった。
俺は戦い方を知っていたが、それは主にセバスチャンが訓練の間、俺を何年も感覚がなくなるまで叩きのめしたからだった。
疑わしい教育方法だった。
しかし効果的だった。
少なくともある程度は。
俺たちは向かい合って構えた。
静寂が訪れた。
いくつかの特に注意深い視線に気づいた。
ほとんどはアイザックを見ていた。ほんの一握りだけが俺を見ていた。
おそらく将来の対戦相手を評価しているのだろう。
何も見せないもう一つの理由だった。
アイザックは武器を回した。
審判役の兵士が手を上げた。
「準備はいいか?」
アイザックと俺は頷いた。
兵士は手を下ろした。
「始め!」
アイザックはほとんど瞬時に消えた。
速い。
非常に速い。
木剣が空気を切り裂いて俺の肩に向かってきた。
俺はかろうじてそれを防いだ。
衝撃が訓練場全体に響いた。
数人の観客が控えめに頷いた。
アイザックはすぐに追撃してきた。
縦。
横。
突き。
俺は圧力に押されて後退した。
一撃一撃が正確だった。
彼は決して無作為に攻撃していないようだった。
俺は防いだ。
そらした。
かわした。
反撃は一度もしなかった。
アイザックはわずかに眉をひそめた。
カッ!
カッ!
カッ!
打ち合いは続き、俺は地面を譲り続けた。
意図的に。少なくとも、半分は意図的に……
俺は劣っているように見せなければならなかった。
無視されるほどに弱く。
[わざとやってるのね]
そうだといいが。
[たくさん攻撃も受けてるわよ]
俺は体にできている痣を見た。
それも計画の一部だ。
[馬鹿げた計画ね]
アイザックは突然加速した。
彼の剣が俺の剣を打った。
それから彼の足が地面を払った。
俺はわざとバランスを崩した。
次の瞬間、木剣が俺の首の数センチ手前で止まった。
静寂が訪れた。
数人が拍手した。
アイザックは勝利の笑みを浮かべて後退した。
「悪くないな」
彼の口調は正反対の意味だった。
俺は武器を下ろした。息が切れ、ほこりまみれだった。俺は望んでいたものを手に入れていた。
今日ここにいたすべての観客の心の中で……
ブリテンの代表はまともな剣士だった。
それ以上ではない。
脅威ではない。
特筆すべきものでもない。
大国の後継者たちと張り合えるような人物ではない。
アイザックは最後に剣を回してから、俺を見下ろした。
「思ったよりは立ち回れるようだな」
俺は肩をすくめた。
「ありがとう」
その答えは彼をほとんど失望させたようだった。
彼はおそらく俺が悔しがるのを見たかったのだ。
あるいは屈辱を受けるのを。
残念ながら、俺は敗北にこれほど満足したことはなかった。
それから、彼が立ち去ろうと背を向けたとき、リーンが突然ささやいた。
[カエル]
何だ?
[上よ]
何がある?
[上の回廊を見て]
俺は慎重に目を上げた。
訓練場の一番上に。
柱の列の後ろに隠れて。
ポンティフのアルドリック・ヴァレンがその様子を見ていた。
俺の心臓は一瞬止まった。
彼の視線は俺に固定されていた。
まるで何かを理解したかのようだった。
まるで俺が今まさに皆に嘘をついたことを完璧に知っているかのようだった。




