インキュバス 一 【王の責務、五】(3)
[システムはあなたの決意に反応しています。]
[スキル『君主の炎』(Lv.2)が発動されました。]
本当に、勝てる力があると感じたのは初めてだった。
試合の瞬間が来るのをずっと恐れていただけだったのに。
システムの通知の直後、体の内側から燃えるような熱が全身に広がるのを感じた。
黒い亀裂が両手と前腕に現れ始めた。
手の震えは止まり、呼吸は落ち着いていった。
まるで体の制御を取り戻したかのようだった。
体内を流れるエーテルを感じ、それを脚に集中させた。
ロデリックが目を細めるのが見えた。あるいは、俺の姿勢の変化に気づいたのか、それとも体から漏れ出る気配を感じ取ったのかもしれない。
持っているエーテルをすべて足の裏に集中させれば、彼より速く動けるはずだった。
そして……
エーテルを一瞬で解放し、俺は猛烈な勢いで前に飛び出した。
……勝つ可能性が生まれる。
闘技場の景色が信じられない速さで周囲に流れ、俺の後ろには砂塵の雲ができた。
ロデリックの目が驚きで見開かれ、俺たちの剣は火花を散らしながら衝突した。
「どうやって……」
彼が剣を振って俺を押し返す間もほとんどなく、俺は再び突進し、相変わらずすべてのエーテルを足に集中させていた。
一方、ロデリックは刃の一撃を強化することを選んでいた。剣が彼の剣とぶつかるたびに、俺の剣が震えるのを感じた。
このペースが続けば、剣は折れるまで長くは持たないだろう。早く終わらせなければならなかった。
俺が放つ一撃ごとに、ロデリックは反応しそこねそうになっていた。
彼は俺の攻撃をそれほど苦もなく受け流していたが、その速度についていくのに苦労していた。
「うおおおっ!」
ロデリックは叫び声を上げ、全力で剣を闘技場の床に叩きつけた。
エーテルで強化されたその一撃は、彼の下の石を粉砕し、闘技場は砂塵の雲に包まれ、群衆は歓声を爆発させた。
俺は周囲の砂塵から身を守るために顔の前に手を上げた。
空気は濃く、息がしにくかった。この雲から早く抜け出さなければ……
[カエル!]
「逃げられると思うなら……」
俺は死角の一つにかすかに影を捉えただけで、ロデリックの剣が首に向かって飛んできた。
「……間違いだ!」
反射的に、俺は脚からすべての力を抜いて地面に落ち、同時にエーテルを目に集中させた。
周囲のすべてが遅くなったように見えた。
目は内側から爆発しそうなほど焼けるようだった。これを長く保つことはできなかった。
この技は一度しか使えなかった。
ロデリックの刃が鼻先を数センチのところで通過するのを見た。
彼の一撃の力が砂塵の雲を押しのけ、破壊された闘技場と、その中央に一人立つロデリックの姿が現れた。
すべてのエーテルを脚に集中させ、雲が闘技場の端に達する前に、俺は雲から飛び出した。
気づけばロデリックの頭上、空中にいた。
風が耳元で笛のように鳴り、落下していった。
今しかなかった。
すべての視線が俺に注がれているのを感じた。
俺は目を閉じ、エーテルを剣に集中させ、体を完全に無防備にした。
ロデリックの姿は数秒のうちに近づいてきた。
ロデリックは、おそらく地面に映った俺の影に気づき、剣を頭上に上げる前に回避しようとした。
二本の刃が衝突し、巨大な衝撃波が闘技場全体に響き渡った。
ロデリックの足元のすでに砕けていた地面はさらにひび割れ、巨大な塊となって吹き飛んだ。
衝撃はあまりにも激しく、両方の前腕に鋭い痛みが走った。
一つ、また一つと、ひび割れる音が聞こえた。
彼の剣はひびが入り、俺の一撃の力の前に砕け散り、俺は彼の刃の向こう側の地面に落ちた。
ほんの一瞬だったが、ロデリックの目が見開かれるのをはっきりと見た。
両足に激痛を感じながら着地した後、振り返ると、ロデリックが俺の方を向いていた。
本能的に剣を上げて防御の構えを取ったが、驚いたことに彼は突進してこなかった。
代わりに、彼はただ黙って、視線を落として折れた剣の残骸を見つめていた。
闘技場には一つの音も響かなかった。
誰もが息を呑んでいるようだった。
ロデリックはついに重い沈黙を破った。
「降伏する」
審判はまだ言葉を失っており、試合の終了を告げなければならないことに気づくまで数秒かかった。
「しょ、勝利はブリテン家のカエル」
システムの窓は即座に更新された。
「うわあああああああああああ!」
群衆は熱狂に爆発した。
[非常に多くの人々があなたを支持しています。]
[あなたの『君主の威厳』が強化されています。]
[スキル『君主の炎』(Lv.2->5)。]




