インキュバス 一 【王の責務、五】(2)
ここの人々のほとんどは覚悟を決めていた。
それは俺が過小評価していたことだった。
正直に言えば、俺は主に叔父の役に立つためにここへ来ていた。
自分の意志を持つような人間ではなかった。流れに従い、必要とされる場所へ行くだけだった。
俺の手は上着をきつく握りしめた。
つい先ほどまで脅威的な雰囲気を放っていたエリオットは、今や闘技場の床に動かずに横たわっていた。
彼の対戦相手は群衆の拍手の中を去っていった。
数人の担架係が彼を回収しに来て、運び去っていった。
試合は次々と続いていった。
戦士たちは皆、それぞれの技を完全に掌握しているようだった。
どの試合も比較的早く終わったが、全ての戦いをほんの数秒で終わらせた競技者が一人いた。
ウルクの皇太子が相手と対戦するたびに、相手はわずか数手で打ち負かされていた。
それなのに、俺たちが戦ったとき、彼が俺に対して手加減していたようには感じなかった。
他に何かがあるはずだった。
「カエル!」
システムに呼ばれた名前が俺を思考から引き戻した。
俺は急ぎ足で闘技台へ向かった。
闘技場の端の壁が作る影から踏み出すと、燃えるような太陽が俺を幻惑させた。
数秒間、周囲を正しく見るために目を細めなければならなかった。
競技場の歓声は闘技台の中央からだとさらに耳をつんざくようだった。
何万人もの人々が皆、俺の方向を見ていた。
喉が締め付けられるのを感じた。
俺のブーツが石の板に反響しながら、闘技台の中央へと歩いた。
一歩ごとに、視線が自分に注がれるのを感じた。
特別席の貴族たち。
観客席の観客たち。
壁の近くに並んだ他の参加者たち。
彼らは皆、俺を見ていた。
俺は視線を前方に固定したままだった。
負けたらどうなるかなど考えないように。
ついに闘技台の中央に着くと、空に新しい窓が現れた。
第一ラウンド カエル[ブリテン] 対 ロデリック[アスター]
ざわめきがすぐに観客席に広がった。
俺はゆっくりと対戦相手へと目を上げた。
彼は四十代に見えた。
背が高く、肩幅が広かった。
茶色の髪は後ろで結ばれ、いくつかの傷跡が顔を横切っていた。長剣が腰に下がっており、鍔にはヴェイン家の紋章があった。
戦いに慣れた男。それが彼が与える印象だった。
彼もまた俺を観察していた。
彼の目は俺の体を上下に走った。
そして俺の顔で止まった。
一秒。
二秒。
それからかすかな面白がるような笑みが彼の唇の端に浮かんだ。
その目つきは知っていた。
相手が俺を脅威ではないと判断したばかりの者の目つきだった。
彼は落ち着いて開始位置へ歩き、構えを取った。
審判が手を上げた。
「ルールは変更なし」
彼の声は闘技場全体に響いた。
「降伏」
彼は指を一本立てた。
「戦闘続行不能」
二本目。
「または審判の判断」
三本目。
「意図的な殺害は即時失格とする」
審判はそれから数歩後退した。
静寂が徐々に競技場に降り始めた。
心臓が速くなり始めるのを感じた。
一打ちごとに胸の中で響いているようだった。
向かい側では、ロデリックが何気なく剣の柄に手を置いていた。
彼の笑みは消えていなかった。
「お前がブリテンの少年だな?」
俺は答えなかった。
彼はそれを面白がっているようだった。
「心配するな」
彼は軽く肩をすくめた。
「ひどく傷つけないように気をつけてやる」
観客席から数人の笑い声が起こった。
俺は歯を食いしばった。
審判はついに手を下ろした。
「始め」
合図が与えられた瞬間、ロデリックは剣を抜いた。
彼の刃は金属的な擦過音と共に鞘を離れた。
俺は即座に防御の構えを取り、剣を彼の方へ向けた。
筋肉は緊張していた。
脚は動ける準備ができていた。
驚いたことに、ロデリックは突進してこなかった。
彼はゆっくりと前進してきた。
落ち着いて、彼は俺の方へ歩いてきた。
一滴の汗がこめかみを伝うのを感じた。
[気をつけて]
分かっている。
俺の目は彼の肩に固定されたままだった。
腰に。
足に。
ドランは何十回も繰り返していた。攻撃は剣に届く前に必ず体から始まるのだと。
だから俺は見ていた。
待っていた。
ロデリックはもう一歩踏み出した。
そしてもう一歩。
すると突然……
彼は消えた。
俺の目は見開かれた。
次の瞬間、彼の剣はすでに俺の目の前にあった。
本能的に自分の剣を上げたが、遅すぎた。足場が十分に安定していなかった。
ガキン!
衝撃が腕を伝わり、ハンマーで叩かれたようだった。
手首が軋むのを感じた。
体は石の上を数メートル後方へ滑った。
競技場はすぐにどよめきに包まれた。
俺はかろうじて体勢を立て直した。
手と腕は震え、攻撃の痛みが残っていた。
一方、ロデリックは完全に静止していた。
まるでほんの一瞬で数メートルを横切ったばかりではないかのように。
しかし、彼の笑みは消え、軽い驚きに取って代わられていた。
「ほう」
彼の目は細められた。
「防いだか」
彼は剣を軽く回した。
「際どかったが、俺の攻撃をそらしたな」
俺には応える時間がなかった。
今度は、何かを感じた。
温かさ。
かすかだった。
しかし間違いなくそこにあった。
胸の奥深くで。
ゆっくりと目覚める残り火のように。
半透明の窓が一瞬、視界の端に現れた。
[あなたは上位の相手と対峙しています]
[条件を検出しました]
それから文字が震え始めた。
何かが書き込まれようとしているかのように。
まるでシステム自体がためらっているかのように。
そしてこのトーナメントが始まって以来初めて……
俺は勝てるかもしれないと感じた。




