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NEURON STAR  作者: リンダ


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2/2

重力レンズの先に

第2話 重力レンズの先に


 宇宙には、音がない。


 爆発も、衝突も、星の死も、真空の中では何ひとつ響かない。


 だが、人類はその沈黙を、長い時間をかけて読み取る術を身につけていた。


 光のわずかな揺らぎ。


 電磁波の乱れ。


 空間の歪み。


 目に見えない重力の痕跡。


 宇宙が残したそれらの微細な傷を拾い上げ、人間は何億年も前に起きた出来事を再構成してきた。


 そして今、その能力が、人類自身の未来を暴こうとしていた。


     ◇


 2250年4月4日。


 地球から約百五十万キロ離れたラグランジュ点L2。


 超大型宇宙望遠鏡オリオンの中央管制区画には、前夜からほとんど誰も帰っていなかった。


 照明は夜間用の青白い光に落とされ、壁面を覆う巨大モニターには、同じ方向を撮影した画像が何枚も並んでいた。


 一見すれば、ただの暗い宇宙だった。


 星々が点在し、その中央には何もない。


 だが、背景の恒星は、時間の経過とともにわずかに位置を変えていた。


 動いているのは星ではない。


 その手前を、巨大な重力源が横切っている。


 天野理沙は、何度目か分からない拡大処理を終えた。


 画面の中心で、遠方の恒星がほんのわずかに弧を描いていた。


「歪み量、再計測」


 理沙が告げると、観測AIオーロラが即座に応答した。


「処理を開始します」


 中央スクリーンに、白い線が一本描かれた。


 それは恒星の本来の位置を示していた。


 続いて、赤い線が重なる。


 実際に観測された位置。


 二本の線の間には、肉眼ではほとんど分からないほどの差しかなかった。


 だが、その差を生むには、途方もない質量が必要だった。


「また増えた」


 背後で、観測主任のラファエル・コスタがつぶやいた。


 理沙は振り返らなかった。


「誤差の範囲は?」


「もう入らない。昨日の時点では、まだ装置由来の可能性を切れなかった。だが、今は違う」


 コスタは手元の端末を操作し、月面観測所、火星軌道望遠鏡、地球低軌道干渉計の観測結果を重ねた。


 四つの独立した観測系が、同じ方向、同じ時間、同じ歪みを記録していた。


「全部一致している」


「だからこそ怖いのよ」


 理沙は答えた。


「故障なら、直せばいい。でも、これは宇宙そのものが正しいと証明している」


 管制室の端で、誰かが紙コップを握りつぶした。


 誰もその音に反応しなかった。


 スクリーン上では、何も見えない暗黒が、確かに存在していた。


     ◇


 午前六時四十二分。


 世界天文連合の緊急解析会議が始まった。


 参加者は、地球各地の観測所、月面都市、火星研究区画、小惑星帯観測施設から集められた。


 数百人にのぼる研究者の顔が、立体映像として円形会議室に浮かび上がった。


 誰も、この会議の記録が一般公開されないことについて異議を唱えなかった。


 すでに、各国政府の安全保障担当者が回線へ入っていたからだ。


 最初に発言したのは、八十一歳になる理論天体物理学者、ヴィクトル・エルマンだった。


 細くなった白髪を後ろへ撫でつけ、深い皺の刻まれた顔でスクリーンを見つめている。


「観測対象に、仮の識別名を与える」


 低く、乾いた声だった。


「正式分類が終わるまで、便宜上『ノクス』と呼ぶ」


 ラテン語で、夜。


 誰も賛成も反対もしなかった。


 ただ、その名だけが記録された。


「まず、分かっていることを整理しよう」


 エルマンが言った。


「可視光反応なし。赤外線反応なし。紫外線、通常の電波帯域でも有意な放射は確認されていない。一方で、背景恒星に対する重力レンズ効果は明確だ」


 火星側の研究者が続けた。


「相対位置の変化も確認しています。ノクスは静止していません。非常に高速で移動中です」


「速度推定は?」


「観測角度がまだ浅すぎます。ただし、最低でも秒速数百キロ」


 会議室のあちこちで、わずかなざわめきが起きた。


 秒速数百キロ。


 恒星間天体としては異常ではない。


 だが、太陽数個分に匹敵するほどの重力作用を示す暗黒天体が、その速度で移動している。


 組み合わせが悪すぎた。


 理沙は発言を求めた。


「軌道を遡ります」


 エルマンが彼女を見る。


「可能なのか」


「完全には。銀河系内の恒星や暗黒物質分布、過去数億年分の重力攪乱を含めれば、誤差は膨大になります。ただ、進行方向の起点を絞ることはできます」


「必要な計算資源は?」


「地球圏だけでは不足します。月面量子計算網、火星自治圏の重力シミュレーター、小惑星帯の航法演算施設を接続します」


 政府関係者の一人が口を開いた。


「どれほど時間がかかる」


 理沙は一瞬だけ迷った。


「最初の結果まで二十時間。信頼できる結果には、数日」


「やれ」


 短い返答だった。


「全計算資源の優先権を与える」


 その言葉に、研究者の何人かが顔を上げた。


 民間宇宙船の航路計算、気象予測、月面都市の環境制御、火星の地下水解析。


 それらに使われている計算資源を止めてまで、正体不明の天体を調べる。


 すでにこれは、単なる天文学上の発見ではなくなりつつあった。


     ◇


 軌道逆算計画は、「ヘリオス・バックトレース」と名付けられた。


 観測された位置、速度、推定質量を初期条件として、対象天体の軌道を過去へ向かって逆算する。


 だが、宇宙の軌道計算は、一本の線を逆にたどれば終わるような単純な作業ではない。


 恒星は動く。


 銀河も動く。


 見えない暗黒物質が重力を及ぼす。


 星団が接近し、離れ、超新星が起き、恒星が誕生し、死んでいく。


 数億年を遡れば、わずかな誤差は銀河規模のずれへと成長する。


 そのため、解析班は一本の軌道を求めなかった。


 数十億通りの仮想宇宙を作った。


 少しずつ条件を変え、ノクスがどこから来たのかを統計的に絞り込む。


 地球、月、火星、小惑星帯に分散された量子計算機群が、同時に稼働を始めた。


 各地の演算施設では、通常業務が停止された。


 火星の都市交通予測は簡易モードへ移行。


 月面鉱山の採掘計画は一時保留。


 地球上では、気候予測用の演算資源の一部まで接続された。


 それでも計算は遅かった。


 理沙は管制室の片隅で、縮尺の異なる銀河地図を眺めていた。


 ノクスの現在位置。


 太陽系。


 銀河系。


 その周囲を回る伴銀河。


 白い軌跡候補が、蜘蛛の巣のように広がっている。


「大マゼラン雲方向に偏っている」


 コスタが言った。


「まだ早い」


 理沙は答えた。


「銀河ハローの重力分布に不確定性が大きい。たまたま収束して見えている可能性もある」


「でも、半分以上が同じ方向だ」


「半分では足りない」


「君は慎重すぎる」


「あなたが早すぎるのよ」


 二人の間に短い沈黙が落ちた。


 コスタは苦笑した。


「いつから寝てない?」


「あなたに聞かれたくない」


「昨日から?」


「一昨日」


「それは寝てないと言うんだ」


 理沙は画面から目を離さなかった。


「今眠ったら、夢に出てきそうだから嫌」


「何が」


「あれが」


 何も見えない暗黒。


 星を歪めながら近づいてくる、正体不明の何か。


 コスタはそれ以上何も言わなかった。


     ◇


 二十六時間後。


 最初の有意な収束が現れた。


 全シミュレーションの六十四パーセントが、同じ領域を指していた。


 地球から約十六万光年。


 天の川銀河の周囲を回る伴銀河。


 大マゼラン雲。


 スクリーンに、その全体像が表示された。


 青白い星々と赤い星雲が入り乱れ、恒星形成が今も続く不規則銀河。


 人類が古くから観測してきた、南天の淡い光の雲。


「拡大」


 理沙が言った。


 大マゼラン雲の内部に、過去の恒星分布を再現した立体モデルが展開される。


 その中で、一つの領域が赤く点滅した。


「候補領域、直径約二百光年」


 オーロラが告げる。


「過去の超新星残骸記録と照合します」


 人類が観測できるのは、光が地球へ届いた時点の姿だけだ。


 だが、過去数世紀にわたり蓄積された観測記録、星間物質の化学組成、放射性同位体の分布、残骸の膨張速度を組み合わせれば、遠い昔に何が起きたかを推定できる。


 候補領域には、巨大な超新星残骸が残されていた。


 現在の直径は百光年を超えている。


 中心部には、かつて太陽の約三十倍の質量を持つ大質量恒星が存在していたと考えられていた。


 その恒星の名称は、今では番号だけで呼ばれている。


 LMC-HX-4419。


 約三億年前。


 それは超新星爆発を起こした。


 理沙の胸がわずかに高鳴った。


「中心天体は?」


「未確認です」


 火星の研究者が答える。


「残骸内にブラックホールも中性子星も見つかっていない。昔から奇妙だと言われていました」


 エルマンが顔を上げた。


「見つかっていないのではなく、残っていなかった可能性は」


 その一言で、会議室の空気が変わった。


 超新星爆発は、必ずしも完全な球形で起こるわけではない。


 星の内部構造、回転、磁場、爆発時の物質放出がわずかに偏れば、その反動で中心に残された中性子星が猛烈な速度で弾き飛ばされる。


 いわゆる、パルサーキック。


 秒速数百キロ。


 場合によっては千キロを超える速度に達する。


 理沙は、急いで新しい条件を入力した。


「非対称爆発を加味。初速分布を拡張。連星系だった可能性も含めて再計算」


 オーロラが応答する。


「実行します」


 スクリーン上で、三億年前の恒星系が再現された。


 中心には、太陽の約三十倍の質量を持つ青色巨星。


 その近くを、小さく高密度な天体が周回している。


 すでに一度、超新星爆発を経験して生まれた中性子星。


 青色巨星と中性子星は、互いの重力に縛られ、激しい軌道運動を続けていた。


 やがて、青色巨星も寿命を迎える。


 中心核が崩壊。


 外層が爆発的に吹き飛ぶ。


 超新星爆発。


 映像は音もなく白く染まった。


 爆発は均等ではなかった。


 一方向へ大量の物質が噴き出し、その反作用で新たに生まれた高密度天体が反対方向へ押し出される。


 同時に、恒星の質量が一気に失われたことで、連星系の重力バランスが崩壊。


 それまで伴星の周囲を回っていた古い中性子星も、軌道速度を保ったまま宇宙空間へ投げ出された。


 二つの高密度天体が、異なる方向へ飛び去っていく。


 そのうちの一つ。


 古い中性子星の軌道が、長い弧を描いた。


 大マゼラン雲を離れた。


 銀河間空間へ出た。


 天の川銀河の重力にわずかに曲げられた。


 さらに数億年をかけて進み続けた。


 画面上の軌跡が、現在のノクスの位置へ重なった。


 会議室で、誰かが息をのんだ。


「一致率は」


 エルマンが聞いた。


 オーロラが答えるまでに、数秒かかった。


「八十九・七パーセント」


 誰も声を上げなかった。


 数字が大きすぎた。


「再計算」


 理沙が言った。


 自分でも、声が震えているのが分かった。


「恒星密度モデルを変更。暗黒物質ハローの分布を三種類。銀河潮汐力の誤差も最大まで広げて」


「実行します」


 再び計算が始まる。


 だが、結果はほとんど変わらなかった。


「一致率、八十七・九パーセント」


 大マゼラン雲。


 超新星爆発。


 連星系の崩壊。


 軌道を外れた中性子星。


 そして数億年の孤独な旅。


「つまり」


 コスタが、乾いた喉で言葉を絞り出した。


「三億年前に起きた爆発が……今、こちらへ届こうとしている」


 理沙は首を振った。


「爆発の光じゃない」


「分かっている」


「星そのものよ」


 その言葉が、会議室に沈んだ。


     ◇


 追加解析は、さらに二日続いた。


 ノクスからは弱いX線と周期的な電波放射が検出された。


 これまで見つからなかったのは、その放射軸が地球を向いていなかったことと、恒星間物質の薄い領域を通過していたためである。


 自転周期。


 磁場強度。


 質量推定。


 すべてのデータが、一つの結論へ近づいていった。


 孤立中性子星。


 直径は二十キロメートル前後。


 質量は太陽の約一・九倍。


 当初の「太陽よりはるかに重い」という推定は、重力レンズ解析の初期誤差によるものだった。


 だが、それで安心できる者はいなかった。


 わずか二十キロの天体に、太陽約二個分の質量が押し込められている。


 角砂糖ほどの物質でも、地球上では山に匹敵する質量を持つ。


 その超高密度天体が、太陽系へ向かって高速で接近している。


 しかも、今後の軌道はほぼ直線的だった。


 銀河間を数億年漂った末に、偶然、太陽系と交差する。


 誰かが送り込んだわけではない。


 知的生命体の兵器でもない。


 悪意はない。


 目的もない。


 ただ宇宙の法則に従って進んでいるだけ。


 だからこそ、止めることができない。


     ◇


 4月7日。


 世界天文連合の最終判定会議が開かれた。


 会議室には、前回より多くの政府関係者がいた。


 軍関係者。


 宇宙開発機関。


 惑星防衛部門。


 国際連合地球圏評議会。


 誰も自己紹介をしなかった。


 スクリーン中央に、ノクスの分類結果が表示された。


 OBJECT TYPE:ISOLATED NEUTRON STAR


 孤立中性子星。


 その文字を、誰もが黙って見つめていた。


 エルマン博士が立ち上がった。


 ゆっくりと机に手を置く。


「これで、正体についての議論は終わりだ」


 声は静かだった。


「この天体は、大マゼラン雲内の連星系から放出された孤立中性子星である可能性が極めて高い。約三億年前、太陽質量の約三十倍の恒星が超新星爆発を起こした。その際、質量喪失と非対称爆発によって連星系の重力均衡が崩壊した」


 スクリーンに、再現映像が映る。


 爆発。


 崩壊。


 放出。


「中性子星は、その瞬間の軌道速度と爆発による重力キックを受け、大マゼラン雲を離脱した。その後、銀河間空間を数億年にわたり移動し、現在、太陽系近傍へ接近している」


 一人の政府代表が尋ねた。


「なぜ太陽系へ向かっている」


 エルマンは、その人物を見た。


「向かっている、という表現は正確ではない」


「では、何だ」


「進路が偶然、太陽系と交差している」


「偶然」


「そうだ」


 政府代表は黙った。


 人類は、原因を求める。


 敵を求める。


 誰かの意図を求める。


 だが、宇宙には、人間の理解できる意味など存在しないことがある。


 三億年前。


 大マゼラン雲の片隅で、一つの恒星が死んだ。


 その爆発で投げ出された中性子星が、数億年後、人類の住む太陽系を横切る。


 ただそれだけだった。


 ただそれだけのことが、文明を滅ぼすかもしれない。


 理沙は、会議室の空気が変わっていくのを感じていた。


 これはもう、発見ではない。


 災害の予告だった。


「最接近距離は」


 別の声が飛んだ。


 理沙は答えなかった。


 その計算はまだ終わっていない。


 速度は分かった。


 進行方向も、かなり絞り込めている。


 だが、太陽や惑星の重力による偏向を含めた最終軌道解析には、さらに時間が必要だった。


 エルマンが言った。


「次の段階へ移る」


 画面が切り替わる。


 太陽系の立体図。


 その外側から、一本の赤い線が伸びてくる。


「我々が次に求めるべき数字は二つだ」


 赤い線が、太陽系へ向かう。


「最接近距離」


 そして、もう一つ。


「到達時刻だ」


 その瞬間、理沙の端末に新しい通知が入った。


 オーロラからだった。


 軌道計算の一次結果。


 彼女は表示された数字を見た。


 息が止まった。


「天野博士」


 エルマンが気づいた。


「何が出た」


 理沙は画面を見つめたまま、答えられなかった。


 数字を読み違えたと思った。


 単位を間違えたと思った。


 だが、何度確認しても変わらない。


 隣にいたコスタが画面をのぞき込み、表情を失った。


「理沙」


 小さな声だった。


「これは……」


 理沙はゆっくりと顔を上げた。


 会議室にいる全員が、彼女を見ていた。


「一次計算です」


 ようやく声が出た。


「まだ確定ではありません」


「構わない」


 エルマンが言った。


「読み上げてくれ」


 理沙は一度、目を閉じた。


 そして、数字を口にした。


「太陽系外縁への到達まで……」


 喉が乾いていた。


「約七十年」


 誰も動かなかった。


 七十年。


 人の一生に近い時間。


 短くはない。


 だが、文明にとっては、あまりにも短い。


 今生まれた子どもが老人になる頃。


 現在を知る大人の多くが、この世を去ったあと。


 それでも確実に、その日は来る。


 エルマンは、ゆっくりと椅子へ腰を下ろした。


 誰かが小さく言った。


「七十年もある」


 別の誰かが答えた。


「七十年しかない」


 理沙はスクリーンを見た。


 大マゼラン雲から始まった赤い軌跡。


 数億年の時間を越え、太陽系へ近づく一本の線。


 人類がその存在に気づいた時には、旅のほとんどはすでに終わっていた。


 残されているのは、最後の七十年だけだった。


     ◇


 会議終了後。


 管制室には、夜が戻っていた。


 地球は遠く、青白い半円として窓の向こうに浮かんでいる。


 理沙は一人、観測スクリーンの前に立っていた。


 ノクスはまだ見えない。


 ただ、背景の星がわずかに歪んでいる。


 三億年。


 その時間を、人間は想像できない。


 国家が生まれ、滅びる。


 大陸が動く。


 種が誕生し、絶滅する。


 人類という生物が地球上に現れるよりも遥か以前から、あの中性子星は旅を続けていた。


 誰にも観測されず。


 誰にも知られず。


 何も望まず。


 ただ宇宙を横切ってきた。


「あなたは、私たちが生まれる前から来ていたのね」


 理沙はつぶやいた。


 返事はない。


 当然だった。


 宇宙は、人間の問いに答えない。


 その代わりに、数字だけを差し出す。


 七十年。


 それが、宇宙から人類へ与えられた時間だった。



第2話 終


次回予告


孤立中性子星ノクス。


その正体と来歴は明らかになった。


だが、科学者たちの本当の恐怖は、ここから始まる。


太陽系への最接近距離。


地球への重力影響。


惑星軌道の変化。


そして、人類文明が生き残れる可能性。


各国首脳は、世界最高峰の科学者たちを極秘会議へ招集する。


「七十年ある」のか。


それとも、


「七十年しかない」のか。


真実を公表すべきだと主張する者。


文明の崩壊を恐れ、沈黙を求める者。


人類は、最初の決断を迫られる。


次回、


第3話「70年という猶予」


世界がまだ何も知らないまま、


人類史上最大の秘密が生まれる。

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