第99話:エルフ救出作戦
◆ 本格的な捜索計画
翌日――
会議室。
おっさん、アルヴィン、レオン、ダリウス、オスカー、ゴードン。
そして、エリス。
レオンが、地図を広げた。
「森のこの辺りに、仲間がいるはずです」
地図に印をつける。
複数の場所。
「エルフは、水場の近くを好みます」
「そして、隠れやすい茂みや洞窟」
アルヴィンも、頷いた。
「そうだな」
「系統的に探せば、見つかるはずだ」
おっさんが、言った。
「……大規模な捜索隊を、編成する……」
「……複数のチームに分かれて、森を捜索する……」
ダリウスが、提案した。
「3チームに分けましょう」
「第1チーム:康太郎様、バハムート、アルヴィン、兵士5名」
「第2チーム:私、レオン、兵士5名」
「第3チーム:ダニエル、ヴィクター、兵士5名」
おっさんは、頷いた。
「……いいだろう……」
オスカーが、言った。
「街に残る者たちで、エルフの住処を準備します」
「保護したエルフが増えたら、館だけでは手狭です」
おっさんは、オスカーを見た。
「……頼む……」
「……エルフたちに相談して、作ってくれ……」
オスカーは、頷いた。
「了解しました」
エリスが、前に出た。
「私も、手伝います」
「住処のこと、エルフの好みを伝えます」
おっさんは、微笑んだ。
「……ありがとう、エリス……」
◆ 住処の準備
同じ頃――
グリーンヘイブンの森の一角。
オスカー、エリス、保護されたエルフたち、大工たち。
みんなで、集まっていた。
オスカーが、説明した。
「ここに、エルフの集落を作ります」
「どんな住居が良いか、教えてください」
エリスが、説明した。
「エルフは、木と調和した家を好みます」
「木を切るのではなく、木を活かして」
「高い場所も良いです」
「ツリーハウスのような」
大工の一人が、頷いた。
「分かりました」
「木の上に、家を作ります」
「木を傷つけないように」
エルフたちは、感謝した。
「ありがとうございます」
「私たちの文化を、尊重してくれて」
住民たちも、手伝い始めた。
「一緒に、作りましょう!」
「エルフも、この街の仲間ですから!」
エルフたちは、涙を流していた。
「……優しい……」
「……人間が、こんなに優しいなんて……」
◆ 捜索開始
一方――
森。
3つの捜索チームが、それぞれの場所へ向かった。
おっさんのチームは、森の奥深くへ。
おっさん、バハムート、アルヴィン、兵士5名。
アルヴィンが、先導している。
「この辺りに、洞窟があるはずだ」
「エルフが隠れやすい」
バハムートが、鼻をひくつかせた。
「魔物の匂いもする」
「気をつけろ」
おっさんは、頷いた。
「……分かった……」
慎重に、進む。
木々が、鬱蒼としている。
暗い。
その時――
アルヴィンが、立ち止まった。
「……あそこだ……」
洞窟が、見えた。
小さな入り口。
でも、中は広そう。
アルヴィンが、叫んだ。
「仲間たち!」
「アルヴィンだ!」
「安全だ! 出てきてくれ!」
しばらく、静寂。
そして――
洞窟から、声が聞こえた。
「……アルヴィン様……?」
「……本当に……?」
アルヴィンは、微笑んだ。
「ああ、本当だ」
「俺だ」
洞窟から、エルフが出てきた。
一人、二人、三人。
合計10人ほど。
女性、子供、老人。
戦士も、数名。
全員、ボロボロ。
疲弊している。
でも――
生きている。
アルヴィンは、みんなを抱きしめた。
「良かった……」
「生きていてくれて……」
◆ 魔物の襲撃
その時――
地面が、揺れた。
魔物だ。
大きな魔物。
複数。
狼型、熊型、様々。
合計10匹以上。
目が、赤く光っている。
狂暴化している。
おっさんは、剣を構えた。
「……敵だ……!」
兵士たちも、構える。
でも――
数が多い。
魔物が、一斉に襲いかかってきた。
兵士たちが、応戦する。
剣を振るう。
でも――
魔物は、強い。
硬い。
速い。
一人の兵士が、倒れそうになった。
魔物に、噛まれる。
「ぐあっ!」
ゴードンの護符が、光る。
ダメージが、軽減される。
「……助かった……」
でも――
このままでは、持たない。
おっさんは、バハムートを見た。
「……バハムート……!」
「……頼む……!」
バハムートは、ニヤリと笑った。
「任せろ」
そして――
光に包まれた。
竜の姿に変身。
巨大な銀色の竜。
古代竜バハムート。
「グオオオオ!!」
咆哮。
圧倒的な威圧感。
魔物たちが、怯んだ。
動きが、止まる。
バハムートは、炎のブレスを吐いた。
「フンッ!」
炎が、魔物たちを包む。
「ギャアアア!」
魔物たちが、悲鳴を上げた。
燃える。
倒れる。
残りの魔物たちも、バハムートが尾で薙ぎ払った。
圧倒的な力。
一瞬で、全ての魔物を倒した。
おっさんは、息をついた。
「……助かった……」
「……バハムート、ありがとう……」
バハムートは、人の姿に戻った。
「気にするな」
「俺の縄張りだ」
「魔物は、許さん」
おっさんは、苦笑した。
「……いつも、お前に頼りっぱなしだな……」
バハムートは、笑った。
「まあ、お前は弱いからな」
「でも、それがいい」
「お前には、別の強さがある」
おっさんは、照れくさそうに笑った。
◆ 他のチームの成果
夕方――
3つのチームが、グリーンヘイブンに帰還した。
おっさんのチーム:エルフ10人保護。
ダリウスのチーム:エルフ8人保護。
ダニエルのチーム:エルフ5人保護。
合計23人のエルフを、保護した。
館の前で、エリスが待っていた。
保護されたエルフたちを見て、涙を流した。
「みんな……!」
「無事で……!」
エルフたちも、エリスを見て涙を流した。
「エリス様……!」
「王女様……!」
みんなで、抱き合った。
感動の再会。
住民たちも、拍手していた。
「良かったね!」
「おめでとう!」
セシリアとリリアが、治療を始めた。
保護されたエルフたちの怪我を、癒す。
白い魔石の魔道具で。
「……楽になった……」
「……ありがとうございます……」
食事も、用意された。
温かいスープ。
パン。
肉。
野菜。
エルフたちは、久しぶりのまともな食事に涙を流した。
「……美味しい……」
「……人間が、こんなに優しいなんて……」
◆ エルフの集落
翌日――
オスカーが、おっさんに報告した。
「康太郎様」
「エルフの集落、完成しました」
おっさん、アルヴィン、エリス、保護されたエルフたち。
みんなで、森の一角へ。
そこには――
ツリーハウスが、たくさんあった。
木の上に、家。
木を傷つけずに。
木と調和した家。
美しい。
エルフたちは、驚愕した。
「……すごい……」
「……エルフの家だ……」
「……本当に、エルフの家だ……」
エリスも、涙を流していた。
「……故郷を、思い出します……」
「……ありがとうございます……」
オスカーが、説明した。
「エリス様の助言を元に作りました」
「エルフの文化を、尊重しました」
「どうぞ、使ってください」
アルヴィンは、おっさんの肩を叩いた。
「康太郎」
「ありがとう」
「お前は、本当に……」
「エルフのことを、考えてくれている」
おっさんは、首を振った。
「……当然のことだ……」
「……お前たちは、仲間だ……」
「……仲間が、住みやすい場所を作る……」
「……それだけだ……」
エルフたちは、全員涙を流していた。
そして――
深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
「康太郎様」
「この恩は、決して忘れません」
◆ エルフと人間の共存
数日後――
エルフの集落は、賑わっていた。
エルフたちが、木の上の家で暮らしている。
子供たちが、遊んでいる。
笑顔。
平和。
そして――
人間の子供たちも、遊びに来ていた。
ホープ、希望、光。
エルフの子供たちと、一緒に遊んでいる。
「いっしょに、あそぼ!」
「うん!」
種族を超えた、友情。
おっさんとセシリアは、その様子を見ていた。
セシリアが、微笑んだ。
「素晴らしいですね」
「エルフと人間が、仲良くしています」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……これが、理想だ……」
「……種族なんて、関係ない……」
「……みんな、同じ生き物だ……」
アルヴィンが、近づいてきた。
「康太郎」
「エルフたちは、みんな幸せだ」
「お前のおかげだ」
おっさんは、首を振った。
「……いや、みんなのおかげだ……」
「……住民たちも、協力してくれた……」
アルヴィンは、微笑んだ。
「そうだな」
「この街の人たちは、素晴らしい」
「だから、お前が素晴らしいんだ」
「お前が、この街を作った」
おっさんは、照れくさそうに笑った。
◆ 次の目標
夜――
おっさんとセシリアの寝室。
おっさんは、窓の外を見ていた。
エルフの集落。
木の上の家々。
温かい光が、灯っている。
セシリアが、おっさんに寄りかかった。
「コウタロウさん」
「エルフの方々、みんな幸せそうですね」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……良かった……」
セシリアが、聞いた。
「次は、ドワーフですか?」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……彼らも、助けないといけない……」
「……でも、まだ準備が必要だ……」
「……もう少し、情報を集める……」
「……そして、行く……」
セシリアは、おっさんを抱きしめた。
「私も、一緒に行きます」
おっさんは、首を振った。
「……いや……」
「……危険すぎる……」
「……お前は、ここで子供たちを守ってくれ……」
セシリアは、少し不満そう。
でも――
頷いた。
「……分かりました……」
「……でも、気をつけてくださいね……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ああ……」
「……必ず、帰ってくる……」
グリーンヘイブン。
エルフの救出作戦、成功。
合計23人のエルフを、保護した。
そして――
エルフの集落を、作った。
木の上の家々。
エルフと人間の、共存。
子供たちが、一緒に遊ぶ。
種族を超えた、友情。
これが、おっさんの理想。
でも――
まだ、やるべきことがある。
ドワーフを、助けること。
そして――
魔王に、備えること。
新しい冒険が、待っている。
でも――
今は、仲間がいる。
エルフも、人間も。
みんなで、力を合わせれば。
必ず、守れる。
この街を。
この平和を。
(次回:第100話に続く)




