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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第100話:偶然の出会い

◆ 平穏な日々


数日後――


グリーンヘイブン。


エルフの集落は、すっかり馴染んでいた。


ツリーハウスから、エルフたちが出てくる。


朝の挨拶を交わす。


「おはよう」


「おはようございます」


笑顔。


平和。


子供たちが、遊んでいる。


エルフの子供と、人間の子供。


一緒に。


ホープが、エルフの子供に言った。


「いっしょに、おにごっこしよう!」


エルフの子供は、頷いた。


「うん!」


種族を超えた、友情。


セシリアとエリスは、その様子を見ていた。


セシリアが、微笑んだ。


「素晴らしいですね」


「子供たちに、壁はありません」


エリスも、微笑んでいる。


「はい」


「ここは、素晴らしい街です」


「私たちの新しい故郷です」


アルヴィンが、近づいてきた。


「エリス様」


「みんな、幸せそうですね」


エリスは、頷いた。


「はい、アルヴィン様」


「康太郎様のおかげです」


アルヴィンは、遠くを見た。


おっさんが、街を歩いている。


住民たちと、話している。


笑顔。


温かい。


「……ああ……」


「……あの人は、本当に素晴らしい……」



◆ 最後の捜索


その日の午後――


おっさんは、アルヴィンとバハムートと共に、森へ向かった。


「……念のため、森の奥をもう一度見てくる……」


「……エルフの仲間が、まだいるかもしれない……」


アルヴィンは、頷いた。


「ありがとう、康太郎」


「でも、もうほとんど見つけたと思う」


おっさんは、首を振った。


「……それでも、確認したい……」


「……一人でも多く、助けたい……」


バハムートは、笑った。


「相変わらずだな」


「でも、それがいい」


三人は、森の奥深くへ進んだ。


グレイピーク山脈に近い、森の奥。


ここまで来ることは、めったにない。


木々が、さらに鬱蒼としている。


暗い。


静か。


アルヴィンが、周囲を見回した。


「……この辺りには、もういないと思うが……」


おっさんは、頷いた。


「……そうだな……」


「……でも、念のため……」


その時――


バハムートが、立ち止まった。


「……待て……」


おっさんとアルヴィンも、止まった。


「……どうした?……」


バハムートは、鼻をひくつかせた。


「……匂いがする……」


「……血の匂いだ……」


おっさんは、緊張した。


「……どこだ?……」


バハムートは、前方を指さした。


「……あっちだ……」



◆ ドワーフの発見


三人は、慎重に進んだ。


川のそばに、出た。


そこには――


倒れている者たちがいた。


5人。


いや、6人。


小柄な体格。


髭が、長い。


ドワーフだ。


おっさんは、驚いた。


「……ドワーフ……!?……」


アルヴィンも、驚愕している。


「……本当にドワーフだ……!」


ドワーフたちは、ボロボロだった。


服は、破れている。


傷だらけ。


血が、流れている。


疲弊している。


おっさんは、すぐに駆け寄った。


「……大丈夫か!?……」


ドワーフの一人が、目を開けた。


40代くらいの男性。


髭が、赤い。


傷だらけ。


でも――


鋭い目。


「……誰だ……?……」


おっさんは、答えた。


「……俺は、康太郎……」


「……グリーンヘイブンの伯爵だ……」


「……お前たちを、助けに来た……」


ドワーフは、警戒した。


「……人間……?……」


「……信用できるか……」


アルヴィンが、前に出た。


「俺は、エルフのアルヴィンだ」


「この人は、信用できる」


「俺たちエルフも、助けてもらった」


ドワーフは、驚いた。


「……エルフ……?……」


「……エルフと人間が、一緒に……?……」


アルヴィンは、頷いた。


「ああ」


「この人は、種族を超えて助けてくれる」


「信じてくれ」


ドワーフは、しばらく考えた。


そして――


おっさんを見た。


おっさんの目。


優しい目。


悪意がない。


ドワーフは、頷いた。


「……分かった……」


「……助けてくれ……」


「……仲間が、死にそうだ……」



◆ 治療


おっさんは、すぐに治療を始めた。


持ってきた治療用魔道具。


白い魔石の魔道具。


ドワーフたちの傷に、当てる。


光が、包む。


傷が、癒えていく。


「……!」


「……楽になった……!」


一人、また一人。


全員に、治療した。


ドワーフたちの命は、助かった。


でも――


まだ弱っている。


おっさんは、水を渡した。


「……飲め……」


ドワーフたちは、水を飲んだ。


「……ありがとう……」


「……助かった……」


おっさんは、食料も渡した。


パン。


干し肉。


ドワーフたちは、食べた。


久しぶりの、まともな食事。


涙を流している。


「……美味い……」


「……生き延びた……」


赤髭のドワーフが、おっさんに頭を下げた。


「……ありがとう……」


「……命の恩人だ……」


「……俺は、グロム……」


「……ドワーフの戦士だ……」


おっさんは、手を差し出した。


「……康太郎だ……」


「……よろしく……」


グロムは、手を握った。


力強い握手。



◆ グリーンヘイブンへ


おっさんは、ドワーフたちをグリーンヘイブンへ連れて帰った。


ドワーフたちは、まだ歩けない。


おっさんとアルヴィンとバハムートが、支えた。


街に、到着した。


住民たちが、迎えた。


「お帰りなさい!」


「あれ、ドワーフ!?」


ざわめきが、広がる。


エリスも、駆け寄ってきた。


「ドワーフの方々……!」


グロムは、エリスを見た。


「……エルフの王女……?……」


「……なぜ、ここに……?……」


エリスは、微笑んだ。


「私たちも、康太郎様に助けられました」


「この街は、素晴らしいです」


「あなたたちも、歓迎します」


グロムは、涙を流した。


「……エルフが、ドワーフを歓迎する……?……」


「……信じられない……」


セシリアとリリアが、治療を始めた。


ドワーフたちの傷を、さらに癒す。


白い魔石の魔道具で。


「……もう、大丈夫です……」


「……ゆっくり、休んでください……」


ドワーフたちは、館の部屋に案内された。


清潔なベッド。


温かい毛布。


グロムは、ベッドに横たわった。


「……こんなに、優しくされるなんて……」


「……人間は、ドワーフを嫌っていると思っていた……」


おっさんは、首を振った。


「……種族なんて、関係ない……」


「……困っている者を、助ける……」


「……それだけだ……」


グロムは、涙を流し続けた。



◆ 酒の夜


その夜――


グロムたちは、回復していた。


おっさんが、部屋に酒を持ってきた。


「……これを……」


「……グリーンヘイブンの酒だ……」


グロムは、酒を見て目を輝かせた。


「酒……!」


「久しぶりだ……!」


他のドワーフたちも、喜んだ。


「本当か!?」


「酒が飲める!?」


おっさんは、杯に注いだ。


グロムたちに、渡す。


ドワーフたちは、一気に飲んだ。


「プハーッ!」


「美味い!!」


「これは、良い酒だ!!」


グロムは、涙を流していた。


「……久しぶりに、酒が飲めた……」


「……生きていて、良かった……」


おっさんも、一緒に飲んだ。


グロムと、杯を交わす。


「……よろしく頼む、グロム……」


グロムは、おっさんの肩を叩いた。


「ああ、よろしく頼む、康太郎」


「良い酒と、良い友を得た」


「ドワーフにとって、最高の夜だ」


アルヴィンも、入ってきた。


「俺も、混ぜてくれ」


グロムは、一瞬固まった。


「……エルフが、ドワーフと酒を……?」


アルヴィンは、笑った。


「ああ」


「この街では、種族は関係ない」


「一緒に、飲もう」


グロムは、涙を流しながら笑った。


「……面白い街だ……」


「……気に入った……」


三人は、深夜まで飲み続けた。


笑い声が、響く。


友情が、深まる。


種族を超えた、絆。



◆ ドワーフの証言


翌朝――


グロムは、少し頭が痛かった。


二日酔い。


でも――


良い酒だった。


良い夜だった。


会議室に、呼ばれた。


おっさん、アルヴィン、エリス、ゴードン、ダリウス。


そして、グロムと他のドワーフたち。


おっさんが、聞いた。


「……何があったんだ?……」


グロムは、重い口を開いた。


「……アイアンホールドは、陥落した……」


全員が、驚愕した。


「陥落……!?」


グロムは、頷いた。


「ああ」


「2週間前だ」


「魔物の大群が、押し寄せてきた」


「俺たちは、戦った」


「でも……」


グロムの声が、震えた。


「数が、多すぎた」


「強すぎた」


「多くのドワーフが、死んだ」


「俺たちは……」


グロムは、涙を流した。


「逃げた」


「臆病者だ」


「仲間を見捨てて、逃げた」


おっさんは、グロムの肩を叩いた。


「……臆病じゃない……」


「……生き延びた……」


「……それが、大事だ……」


グロムは、おっさんを見た。


「でも……」


おっさんは、続けた。


「……生き延びたから、仲間を助けられる……」


「……死んだら、何もできない……」


「……お前たちは、正しいことをした……」


グロムは、涙を流し続けた。


「……ありがとう……」



◆ 仲間の状況


グロムが、続けた。


「でも、全員が死んだわけじゃない」


「地下深くに、逃げ込んだ者たちがいる」


「何百人も」


「アイアンホールドの最深部に」


「魔物も、そこまでは来ていないはずだ」


「でも……」


グロムの表情が、暗くなった。


「閉じ込められている」


「食料も、限られている」


「いずれ、餓死する……」


おっさんは、拳を握りしめた。


「……それは、まずい……」


「……助けないと……」


グロムは、おっさんを見た。


「本当に、助けるつもりか?」


「ドワーフは、人間を嫌っている」


「助けても、感謝されないかもしれない」


おっさんは、首を振った。


「……関係ない……」


「……命がかかっている……」


「……助ける……」


グロムは、涙を流した。


「……お前は、本当に……」


「……すごい人間だ……」


アルヴィンが、言った。


「俺も、手伝う」


「エルフとドワーフは、仲が悪かった」


「でも、今は違う」


「一緒に、戦おう」


グロムは、アルヴィンを見た。


「……エルフが、ドワーフのために……?……」


アルヴィンは、頷いた。


「ああ」


「この街では、種族は関係ない」


「みんな、仲間だ」


グロムは、二人を見た。


そして――


深く頭を下げた。


「……ありがとう……」


「……必ず、恩を返す……」



◆ 新しい決意


夜――


おっさんとセシリアの寝室。


おっさんは、窓の外を見ていた。


星空。


美しい。


セシリアが、おっさんに寄りかかった。


「コウタロウさん」


「ドワーフも、助けるんですね」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「……何百人も、地下に閉じ込められている……」


「……助けないといけない……」


セシリアは、心配そう。


「でも、危険ですよね」


「魔物が、たくさんいる」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「……ああ……」


「……でも、やらないといけない……」


「……放っておけない……」


セシリアは、涙を流した。


「……無理しないでくださいね……」


おっさんは、セシリアの頭を撫でた。


「……大丈夫だ……」


「……仲間がいる……」


「……バハムート、アルヴィン、ゴードン、真理……」


「……そして、グロムも……」


「……みんなで、力を合わせれば……」


「……必ず、助けられる……」


セシリアは、おっさんを抱きしめた。


「……気をつけてください……」


「……必ず、帰ってきてください……」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「……約束する……」



◆ 種族を超えた絆


翌朝――


グリーンヘイブンの中心広場。


おっさんが、演説していた。


住民たちが、集まっている。


エルフたちも。


ドワーフたちも。


みんな、おっさんを見ている。


おっさんが、言った。


「みんな、聞いてくれ」


「ドワーフの仲間が、地下に閉じ込められている」


「何百人も」


「助けに行く」


住民たちは、ざわめいた。


「危険じゃないですか?」


「魔物が、たくさんいるんでしょう?」


おっさんは、頷いた。


「……ああ、危険だ……」


「……でも、やらないといけない……」


「……命がかかっている……」


「……種族なんて、関係ない……」


「……困っている者を、助ける……」


「……それが、俺たちのやり方だ……」


住民たちは、しばらく黙っていた。


そして――


一人の老人が、前に出た。


「康太郎様の言う通りです」


「私たちも、手伝います」


他の住民たちも、頷いた。


「はい!」


「ドワーフも、仲間です!」


「助けましょう!」


エルフたちも、前に出た。


アルヴィンが、言った。


「エルフも、協力する」


「一緒に、戦おう」


グロムは、涙を流していた。


「……みんな……」


「……ありがとう……」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう、みんな……」


「……準備をしよう……」


「……そして、ドワーフを助けに行こう……」


住民たちは、歓声を上げた。


「おお!」


「頑張りましょう!」


エルフと人間とドワーフ。


種族を超えた、絆。


これが、グリーンヘイブン。


おっさんの街。



グリーンヘイブン。


第100話。


エルフの救出が、完了した。


そして――


偶然、ドワーフと出会った。


グロムと、仲間たち。


彼らから、聞いた。


アイアンホールド陥落。


でも、地下に閉じ込められた仲間がいる。


おっさんは、決意した。


助けに行く。


住民たちも、エルフたちも、協力する。


種族を超えた、絆。


これが、グリーンヘイブンの強さ。


新しい冒険が、始まる。


ドワーフ救出作戦。


危険な戦い。


でも――


仲間がいる。


家族がいる。


だから、負けない。


必ず、成功させる。


そして――


また、平和を取り戻す。


この温かい街に。



物語は、続く。



(第100話 完)

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