第96話:新しい仲間たち
◆ グリーンヘイブン到着
おっさんたちは、グリーンヘイブンに帰ってきた。
エルフたちと、一緒に。
アルヴィンとエリス、他のエルフたち。
街の門をくぐる。
住民たちが、迎えに来ていた。
「お帰りなさい!」
「康太郎様、無事で……あれ?」
住民たちは、エルフたちを見て驚いた。
「エルフ!?」
「本物のエルフだ!」
「耳が、長い!」
ざわめきが、広がる。
エルフたちは、警戒している。
人間に、囲まれている。
アルヴィンは、剣に手をかけた。
おっさんは、前に出た。
手を上げる。
「みんな、落ち着いてくれ」
住民たちが、静かになった。
おっさんが、説明した。
「彼らは、エルフだ」
「魔物に襲われているところを、助けた」
「命の恩人だ」
「そして、これから共に戦う仲間だ」
「歓迎してほしい」
住民たちは、顔を見合わせた。
そして――
一人の老人が、前に出た。
「康太郎様がそうおっしゃるなら」
「歓迎します」
老人は、アルヴィンに手を差し出した。
「ようこそ、グリーンヘイブンへ」
アルヴィンは、驚いた。
人間が、手を差し出している。
エルフに。
アルヴィンは、少し躊躇した。
でも――
手を握った。
「……世話になる……」
他の住民たちも、拍手した。
「ようこそ!」
「歓迎します!」
エルフたちは、涙を流していた。
人間に、歓迎される。
初めての経験。
エリスは、セシリアを見た。
セシリアは、微笑んでいる。
「安心してください」
「この街の人たちは、優しいですよ」
エリスは、涙を流しながら頷いた。
「……ありがとうございます……」
◆ 宿舎の準備
おっさんは、エルフたちに宿舎を用意した。
館の一角。
広い部屋。
清潔。
ベッドも、たくさん。
アルヴィンが、部屋を見回した。
「……立派な部屋だ……」
「……ありがとう、康太郎……」
おっさんは、首を振った。
「……気にするな……」
「……お前たちは、仲間だ……」
エリスも、部屋に入った。
柔らかそうなベッド。
温かい毛布。
エリスは、ベッドに座った。
そして――
涙を流した。
「……久しぶりです……」
「……こんなに、安心できる場所は……」
セシリアが、エリスの隣に座った。
「大丈夫ですよ」
「ここは、安全です」
「ゆっくり、休んでください」
エリスは、セシリアに抱きついた。
「……ありがとうございます……」
セシリアは、エリスの頭を撫でた。
母親のように。
◆ 子供たちとの出会い
翌日――
エリスは、館の庭を散歩していた。
久しぶりの平和。
花が、咲いている。
美しい。
その時――
小さな声が聞こえた。
「わー!」
エリスは、振り向いた。
子供たちが、走ってきた。
ホープ、希望、光。
3人とも、エリスを見て止まった。
じっと、見ている。
ホープが、言った。
「耳、長い!」
希望も、言った。
「きれい!」
光は、手を伸ばしている。
「あー、うー!」
エリスは、少し戸惑った。
でも――
子供たちの無邪気な顔。
悪意がない。
純粋。
エリスは、しゃがんだ。
子供たちと、目線を合わせる。
「こんにちは」
「私は、エリスよ」
ホープが、エリスの耳を触った。
「ほんとに、長い!」
希望も、触る。
「ふわふわ!」
光は、エリスに抱きついた。
「あー!」
エリスは、笑った。
久しぶりの、心からの笑い。
「あなたたちは、可愛いわね」
「名前は?」
ホープが、答えた。
「ぼく、ホープ!」
希望も、言った。
「わたし、のぞみ!」
光は、笑っている。
「あー、うー!」
エリスは、3人を抱きしめた。
「よろしくね」
セシリアとアリシアが、近づいてきた。
セシリアが、微笑んだ。
「子供たちが、懐いていますね」
アリシアも、微笑んでいる。
「エリス様、子供たちと仲良くしてくださって」
「ありがとうございます」
エリスは、首を振った。
「いえ、こちらこそ」
「子供たちと遊ぶのは、楽しいです」
「久しぶりに、笑えました」
ホープが、エリスの手を引いた。
「あそぼ!」
希望も、引っ張る。
「いっしょに!」
エリスは、笑った。
「分かったわ」
「遊びましょう」
◆ 魔物テイムの成功
同じ頃――
厩舎。
おっさんとバハムートが、魔物の世話をしていた。
小さな魔物3匹。
最初は、警戒していた。
でも――
数日経って、変わってきた。
おっさんが、餌をやる。
魔物たちが、近づいてくる。
餌を食べる。
そして――
おっさんの手を、舐める。
おっさんは、微笑んだ。
「……懐いてきたな……」
バハムートも、頷いた。
「ああ」
「知性があるからだ」
「本来、魔物は人を襲わない」
「魔王の影響で、狂っているだけだ」
おっさんは、魔物の頭を撫でた。
魔物は、気持ちよさそうにしている。
「クゥーン」
まるで、犬のよう。
可愛い。
その時――
若者たちが、厩舎に来た。
ダニエル、ヴィクター、アレクサンダー、ルーカス、ロバート。
ダニエルが、魔物を見た。
「おお、懐いてる!」
ヴィクターも、驚いている。
「本当だ」
「最初は、怖かったのに」
アレクサンダーが、聞いた。
「触っても、大丈夫ですか?」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……優しく、な……」
ルーカスが、魔物に手を伸ばした。
魔物は、ルーカスの手を嗅ぐ。
そして――
舐めた。
ルーカスは、笑った。
「可愛い!」
ロバートも、魔物を撫でた。
「本当に、懐いてますね」
おっさんは、若者たちを見た。
「……魔物も、生き物だ……」
「……全てを倒す必要はない……」
「……共存できる……」
若者たちは、頷いた。
「はい」
「康太郎様の言う通りです」
バハムートが、言った。
「俺も、最初は敵だった」
「でも、今は仲間だ」
「魔物も、同じだ」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
◆ 住民たちの反応
数日後――
魔物たちは、街に慣れてきた。
住民たちも、魔物を見慣れてきた。
最初は、怖がっていた。
でも――
魔物たちが、可愛いと分かった。
子供たちが、魔物と遊んでいる。
魔物は、子供たちに優しい。
尾を振る。
舐める。
住民たちは、微笑んでいる。
「魔物って、可愛いのね」
「康太郎様のおかげだわ」
おっさんは、その様子を見ていた。
(……良かった……)
(……魔物との共存……)
(……できるんだ……)
◆ アルヴィンとの友情
夜――
おっさんとアルヴィンは、酒を飲んでいた。
館の一室。
二人だけ。
アルヴィンが、杯を傾けた。
「良い酒だ」
おっさんは、頷いた。
「……この街の醸造所で作っている……」
「……自慢の酒だ……」
アルヴィンは、微笑んだ。
「美味い」
二人は、しばらく黙って飲んでいた。
そして――
アルヴィンが、口を開いた。
「康太郎」
「お前は、変わった人間だ」
おっさんは、アルヴィンを見た。
アルヴィンは、続けた。
「人間は、エルフを嫌っている」
「差別する」
「でも、お前は違う」
「俺たちを、助けてくれた」
「そして、歓迎してくれた」
「なぜだ?」
おっさんは、少し考えた。
「……種族なんて、関係ない……」
「……人も、エルフも、ドワーフも……」
「……みんな、同じ生き物だ……」
「……困っている者がいたら、助ける……」
「……それだけだ……」
アルヴィンは、涙を流していた。
「……お前は、本当に変わっている……」
「……でも、だから信頼できる……」
アルヴィンは、おっさんに手を差し出した。
「友達になってくれ」
「俺の、友達に」
おっさんは、手を握った。
「……ああ……」
「……よろしく頼む、アルヴィン……」
二人は、杯を交わした。
友情の証。
アルヴィンが、言った。
「一緒に、魔王に備えよう」
「エルフの知識も、提供する」
「戦い方も、教える」
おっさんは、頷いた。
「……ありがとう……」
「……助かる……」
アルヴィンは、微笑んだ。
「お前のためなら、何でもする」
「命の恩人だからな」
おっさんは、照れくさそうに笑った。
「……大げさだ……」
◆ エリスの笑顔
同じ夜――
エリスは、部屋にいた。
ベッドに座って。
窓から、外を見ている。
星空。
美しい。
エリスは、微笑んでいる。
(……ここに来て、良かった……)
(……優しい人たちばかり……)
(……子供たちも、可愛い……)
(……安心できる……)
その時――
ノックの音。
「エリス様、入ってもよろしいですか?」
セシリアの声。
エリスは、答えた。
「はい、どうぞ」
セシリアが、入ってきた。
温かい飲み物を、持っている。
「ハーブティーです」
「リリアさんが、作ってくれました」
「よく眠れますよ」
エリスは、受け取った。
「ありがとうございます」
セシリアは、エリスの隣に座った。
「この街は、どうですか?」
エリスは、微笑んだ。
「素晴らしいです」
「みんな、優しくて」
「子供たちも、可愛くて」
「久しぶりに、笑えました」
セシリアは、エリスの手を握った。
「良かった」
「ここは、あなたの家です」
「いつでも、帰ってきてください」
エリスは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
「……セシリア様……」
セシリアは、エリスを抱きしめた。
母親のように。
「大丈夫ですよ」
「あなたは、もう一人じゃありません」
◆ 平穏な夜
深夜――
おっさんとセシリアの寝室。
二人は、ベッドに座っていた。
セシリアが、おっさんに寄りかかった。
「コウタロウさん」
「新しい仲間が、増えましたね」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……エルフたちと……」
「……魔物たちと……」
セシリアは、微笑んだ。
「この街は、どんどん大きくなりますね」
おっさんは、窓の外を見た。
グリーンヘイブン。
静かな夜。
平和な街。
「……大きくなっても……」
「……温かさは、変わらない……」
「……それが、この街だ……」
セシリアは、おっさんを抱きしめた。
「はい」
「この街の、良いところです」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……魔王が、いずれ来る……」
「……でも、怖くない……」
「……仲間がいる……」
「……エルフも、魔物も……」
「……みんなで、守る……」
「……この街を……」
「……家族を……」
セシリアは、頷いた。
「はい」
「一緒に」
おっさんは、星空を見上げた。
美しい星。
希望の光。
(……新しい仲間たちと……)
(……共に、戦う……)
(……そして、守る……)
(……この平和を……)
グリーンヘイブン。
エルフたちが、加わった。
アルヴィンとエリス。
人間とエルフの、友情。
魔物たちも、懐いた。
共存。
この街は、どんどん大きくなる。
でも――
温かさは、変わらない。
平等。
優しさ。
家族のような絆。
それが、グリーンヘイブン。
おっさんの街。
新たな試練が、近づいている。
でも――
仲間がいる。
家族がいる。
だから、負けない。
必ず、守り抜く。
この平和を。
この温かさを。
(次回:第97話に続く)




