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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第95話:エルフとの遭遇

 ◆ 異常な魔力


 数日後――


 おっさんたちは、また討伐に出ていた。


 メンバーは前回と同じ。


 おっさん、ダリウス、バハムート、真理、ダニエル、ヴィクター。


 森の中。


 魔物を、何匹か倒していた。


 その時――


 バハムートが、立ち止まった。


「……待て……」


 おっさんは、バハムートを見た。


「……どうした?……」


 バハムートは、鼻をひくつかせた。


「……この魔力……」


「……尋常じゃない……」


「……濃すぎる……」


 おっさんも、感じた。


 空気が、重い。


 魔力が、濃い。


「……何だ、これは……」


 真理も、勇者の剣を構えた。


「……何か、来ます……」


「……大きな力……」


 ダリウスが、兵士たちに指示した。


「構えろ!」


「何が来てもいいように!」



 ◆ エルフの発見


 その時――


 森の奥から、人影が見えた。


 走ってくる。


 複数。


 おっさんは、目を凝らした。


「……人……?……」


「……いや……」


 近づいてくる。


 そして――


 おっさんは、驚いた。


 エルフだった。


 耳が、長い。


 美しい容姿。


 でも――


 疲弊している。


 傷だらけ。


 必死で、逃げている。


 先頭を走っているのは、男性のエルフ。


 30代ぐらい。


 戦士の装い。


 剣を持っている。


 その後ろに、数人のエルフ。


 そして――


 一人の若い女性エルフ。


 10代後半ぐらい。


 美しい。


 でも、怯えている。


 何かを、抱えている。


 男性エルフが、おっさんたちを見た。


 驚愕。


「人間!?」


 でも――


 立ち止まる余裕はない。


 すぐそばまで来た。


 おっさんが、声をかけた。


「……何があった!?……」


 男性エルフは、答えた。


「魔物だ!」


「バケモノが、追ってくる!」


「逃げろ!」


 その時――


 地面が、揺れた。


 ドシン、ドシン。


 巨大な足音。


 木々が、倒れる音。


 何かが、来る。


 巨大な何かが。


 バハムートが、顔色を変えた。


「……まずい……」


「……大物だ……」


 そして――


 森の奥から、それが現れた。



 ◆ バハムート級の魔物


 巨大な魔物。


 竜のような姿。


 でも、バハムートとは違う。


 醜い。


 歪んでいる。


 目が、赤く光っている。


 狂気に満ちている。


 体長は、20メートル以上。


 鱗が、黒い。


 牙が、鋭い。


「グオオオオオ!!」


 咆哮。


 圧倒的な威圧感。


 兵士たちが、怯んだ。


「な、何だ、あれは……!」


 ダニエルとヴィクターも、震えている。


「……デカすぎる……」


 男性エルフが、叫んだ。


「逃げろ!」


「戦っても、無駄だ!」


 でも――


 おっさんは、エルフたちを見た。


 疲弊している。


 もう、逃げられない。


 ここで見捨てたら――


 死ぬ。


 おっさんは、決断した。


「……ダリウス……」


「……エルフたちを、守れ……」


 ダリウスは、頷いた。


「了解!」


 おっさんは、バハムートを見た。


「……バハムート……」


「……お前の、本気を見せてくれ……」


 バハムートは、ニヤリと笑った。


「久しぶりだな」


「竜の姿になるのは」


 そして――


 バハムートが、光に包まれた。


 体が、変わっていく。


 大きくなる。


 竜の姿に。


 銀色の鱗。


 美しい翼。


 威厳ある姿。


 古代竜バハムート。


 男性エルフたちが、驚愕した。


「……古代竜……!?」


「……なぜ、人間と……!?」


 バハムートは、巨大魔物を睨んだ。


「俺の縄張りで、暴れるな」


「消えろ」



 ◆ 竜の戦い


 巨大魔物が、バハムートに襲いかかった。


「グオオオ!」


 牙を、剥く。


 爪を、振りかざす。


 バハムートは、避けた。


 空中に、飛ぶ。


 そして――


 炎のブレスを吐いた。


「フンッ!」


 炎が、巨大魔物を包む。


「ギャアアア!」


 魔物が、悲鳴を上げた。


 でも――


 まだ倒れない。


 鱗が、硬い。


 魔物が、反撃する。


 尾を振る。


 バハムートに、当たる。


「グッ!」


 バハムートが、吹き飛ばされた。


 木々に、激突する。


 おっさんは、叫んだ。


「バハムート!」


 バハムートは、立ち上がった。


「……くそ……」


「……こいつ、強い……」


「……本気でやるしかないな……」


 バハムートは、さらに力を込めた。


 全身が、光る。


 魔力が、溢れる。


 そして――


 突進した。


 全力で。


 魔物に、体当たり。


「グオオオオ!!」


 ぶつかり合う。


 竜と魔物。


 衝撃波が、広がる。


 木々が、なぎ倒される。


 地面が、揺れる。


 真理が、叫んだ。


「伏せて!」


 おっさんたちは、地面に伏せた。


 衝撃が、過ぎ去る。


 そして――


 バハムートが、勝った。


 魔物の首に、噛みついている。


「グルル……」


 魔物が、動かなくなった。


 バハムートは、魔物を離した。


 魔物は、倒れた。


 動かない。


 死んでいる。


 バハムートは、人の姿に戻った。


 息を切らしている。


「……やれやれ……」


「……久しぶりに、疲れた……」


 おっさんは、バハムートに駆け寄った。


「……大丈夫か?……」


 バハムートは、頷いた。


「ああ」


「でも、あんな魔物が出てくるとは……」


「魔王の影響が、強くなっている」



 ◆ エルフとの対話


 男性エルフが、おっさんたちに近づいてきた。


 警戒している。


 でも――


 感謝の色もある。


「……助けてくれて、感謝する……」


「……人間は、嫌いだが……」


「……命の恩人だ……」


 おっさんは、手を差し出した。


「……俺は、康太郎……」


「……グリーンヘイブンの伯爵だ……」


 男性エルフは、少し躊躇した。


 でも――


 手を握った。


「……俺は、アルヴィン……」


「……エルフの戦士だ……」


 おっさんは、他のエルフたちを見た。


 疲弊している。


 傷ついている。


 そして――


 若い女性エルフ。


 怯えている。


 何かを、大事そうに抱えている。


 セシリアが、近づいた。


「大丈夫ですか?」


「怪我は、ありませんか?」


 若い女性エルフは、セシリアを見た。


 美しい人。


 優しい人。


 少し、安心した。


「……はい……」


「……大丈夫です……」


 セシリアは、微笑んだ。


「良かった」


「もう、安全ですよ」


 おっさんも、優しく言った。


「……怖かっただろう……」


「……もう、大丈夫だ……」


 父親のような口調。


 若い女性エルフは、涙を流した。


「……ありがとうございます……」


 アルヴィンが、言った。


「彼女は、エリスだ」


「我が国の王族の、生き残りだ」


 おっさんは、驚いた。


「……王族……?……」


 アルヴィンは、頷いた。


「ああ」


「魔物の襲撃で、王族のほとんどが……」


「エリス様だけが、生き延びた」


「俺たちは、エリス様を守って逃げてきた」


 おっさんは、エリスを見た。


 若い。


 まだ10代後半。


 それなのに、こんな目に。


 おっさんは、エリスの頭を優しく撫でた。


「……大変だったな……」


「……でも、もう大丈夫だ……」


 エリスは、涙を流し続けた。



 ◆ 魔道具


 アルヴィンが、説明した。


「エリス様が、持っている……」


「それが、狙われている理由だ」


 エリスは、抱えていたものを見せた。


 小さな箱。


 でも――


 強い魔力を放っている。


 おっさんは、その魔力を感じた。


「……これは……」


 エリスが、説明した。


「古代の魔道具です」


「エルフ王家に、代々伝わる……」


「強い魔力を、蓄えています」


 おっさんは、理解した。


「……だから、魔物が……」


「……この魔力を、狙っていたのか……」


 アルヴィンは、頷いた。


「そうだ」


「魔物は、最近異常に狂暴化している」


「魔力を、求めている」


「特に、濃い魔力を」


 おっさんは、バハムートを見た。


 バハムートも、頷いた。


「魔王の影響だ」


「間違いない」


 おっさんは、アルヴィンに言った。


「……魔王が、動き始めている……」


「……その影響で、魔物が狂暴化している……」


「……お前たちも、被害に遭っているんだな……」


 アルヴィンは、苦い顔をした。


「ああ」


「多くのエルフが、死んだ」


「国も、壊滅状態だ」


「生き残った者は、散り散りになって逃げた」


「俺たちは、エリス様を守って、ここまで来た」


 おっさんは、頷いた。


「……そうか……」



 ◆ 真相への気づき


 おっさんは、考えた。


 魔物の狂暴化。


 魔王の影響。


 魔力を求める魔物。


 そして――


 気づいた。


「……待てよ……」


「……魔物が、狂暴化している……」


「……でも、本来は……」


「……魔物にも、知性があるんじゃないか……?」


 バハムートが、おっさんを見た。


「どういうことだ?」


 おっさんは、説明した。


「……俺たちが捕まえた小さな魔物……」


「……あれは、知性があった……」


「……でも、森で戦った魔物は、狂暴だった……」


「……同じ種類の魔物なのに……」


「……違いがある……」


 おっさんは、続けた。


「……もしかして……」


「……魔王の影響で、狂暴化しているだけ……?……」


「……本来は、みんな知性があるのか……?……」


 バハムートは、考えた。


「……なるほど……」


「……ありえる話だ……」


「……魔王の影響は、強い……」


「……魔物を、狂わせることもできる……」


 真理も、頷いた。


「そうですね」


「魔力に当てられて、狂っているのかもしれません」


 おっさんは、拳を握りしめた。


「……ということは……」


「……魔王を止めれば……」


「……魔物も、元に戻る……?……」


 バハムートは、頷いた。


「可能性は、ある」


 アルヴィンが、聞いた。


「魔王を、止める……?」


「そんなこと、できるのか?」


 おっさんは、アルヴィンを見た。


「……分からない……」


「……でも、やらないといけない……」


「……このままでは、被害が広がる……」


「……お前たちエルフも……」


「……俺たちも……」


「……みんな、危ない……」


 アルヴィンは、しばらく考えた。


 そして――


 おっさんの肩を叩いた。


「……お前は、変わった人間だな……」


「……人間は、エルフを嫌っている……」


「……でも、お前は違う……」


「……俺たちを、助けてくれた……」


「……そして、魔王と戦おうとしている……」


 アルヴィンは、真剣な顔になった。


「……協力しよう……」


「……お前となら、できるかもしれない……」


 おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう……」


 二人は、手を握り合った。


 友情の証。



 ◆ グリーンヘイブンへ


 おっさんは、アルヴィンたちに言った。


「……グリーンヘイブンに、来ないか……」


「……お前たちも、疲れている……」


「……休んでくれ……」


「……そして、これからのことを、一緒に考えよう……」


 アルヴィンは、エリスを見た。


 エリスは、頷いた。


「……お願いします……」


 アルヴィンは、おっさんに頷いた。


「世話になる」


 セシリアが、エリスの手を握った。


「安心してください」


「温かい食事と、ベッドを用意します」


 エリスは、涙を流した。


「……ありがとうございます……」



 おっさんたちは、エルフたちと共にグリーンヘイブンへ帰った。


 新しい仲間。


 新しい友情。


 そして――


 真相への気づき。


 魔物は、魔王の影響で狂暴化している。


 本来は、知性がある。


 魔王を止めれば、元に戻るかもしれない。


 おっさんの新しい目標。


 魔王との対決。


 それが、近づいている。


 でも――


 今は、仲間がいる。


 バハムート、真理、ゴードン。


 そして、エルフたち。


 みんなで、力を合わせれば。


 必ず、守れる。


 この街を。


 家族を。


 みんなを。


 物語は、続く。



(次回:第96話に続く)

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