第92話:ノルディア王国訪問
◆ ノルディア王国到着
数日後――
ノルディア王国。
王都。
おっさん一行が、到着した。
馬車から降りる。
おっさん、セシリア、アリシア。
子供たち。
ゴードン、真理、蒼。
リーナ。
バハムート。
王都は、賑わっていた。
大きな街。
人々が、行き交う。
建物も、立派。
おっさんは、街を見回した。
「……立派な街だな……」
リーナが、言った。
「ノルディア王国は、豊かな国よ」
「交易で、栄えているの」
その時――
声が聞こえた。
「康太郎様!!」
おっさんは、振り向いた。
そこには――
トーマスが、走ってきた。
後ろには、他の留学生たちも。
エマ、フェリックス、リディア、レイモンド、ヴィクトリア。
6人全員。
おっさんは、微笑んだ。
「……トーマス……」
「……みんな……」
◆ 再会
トーマスが、おっさんの前で立ち止まった。
深く頭を下げる。
「康太郎様!」
「お久しぶりです!」
「来てくださって、ありがとうございます!」
他の留学生たちも、頭を下げた。
「ありがとうございます!」
おっさんは、トーマスの肩を叩いた。
「……久しぶりだな……」
「……元気そうで、良かった……」
トーマスは、涙を流していた。
「はい!」
「みんな、元気です!」
エマが、前に出た。
「セシリア様、お久しぶりです!」
セシリアは、微笑んだ。
「エマさん、お久しぶりです」
「お元気そうで」
エマは、頷いた。
「はい!」
フェリックスが、ゴードンに挨拶した。
「ゴードン様、お久しぶりです」
ゴードンは、頷いた。
「ああ、フェリックス」
「元気そうだな」
リディアが、真理に挨拶した。
「真理様!」
真理は、微笑んだ。
「リディアさん、お久しぶりです」
レイモンドとヴィクトリアも、前に出た。
二人は、おっさんに深く頭を下げた。
レイモンド「康太郎様」
「あの時は、本当にありがとうございました」
「下水道での経験が、僕を変えました」
ヴィクトリアも、涙を流していた。
「私も、です」
「あなたのおかげで、変われました」
おっさんは、二人の肩を叩いた。
「……いや……」
「……お前たちが、自分で変わったんだ……」
「……俺は、何もしていない……」
二人は、涙を流し続けた。
「……ありがとうございます……」
◆ 王宮へ
トーマスが、案内した。
「康太郎様」
「王様が、お待ちです」
「王宮へ、どうぞ」
おっさん一行は、王宮に向かった。
立派な建物。
城。
大きく、美しい。
門をくぐる。
兵士たちが、敬礼した。
中庭を通る。
噴水がある。
花が、咲いている。
美しい庭。
そして――
謁見の間。
大きな扉が、開いた。
中には――
王座。
そこに、王が座っていた。
50代の男性。
威厳がある。
でも――
優しそうな顔。
トーマスが、紹介した。
「陛下」
「グリーンヘイブン伯爵、康太郎様です」
おっさんは、前に出た。
一礼する。
「……お初にお目にかかります……」
「……グリーンヘイブン伯爵、康太郎と申します……」
王は、立ち上がった。
おっさんに近づく。
そして――
手を差し出した。
「ようこそ、康太郎伯爵」
「私は、ノルディア王国のエリック三世だ」
「お会いできて、光栄だ」
おっさんは、驚いた。
王が、自ら手を差し出すなど。
おっさんは、手を握った。
「……こちらこそ……」
エリック三世は、微笑んだ。
「留学生たちから、話は聞いている」
「あなたは、素晴らしい方だと」
「身分差別をなくし、平等な社会を作った」
「そして、彼らに多くを教えてくれた」
「感謝している」
おっさんは、首を振った。
「……いえ……」
「……彼らが、優秀だっただけです……」
エリック三世は、笑った。
「謙虚だな」
「だから、信頼されるのだろう」
◆ 留学生たちの成果
エリック三世が、言った。
「康太郎伯爵」
「留学生たちの成果を、見ていただきたい」
「彼らが、何を成し遂げたか」
おっさんは、頷いた。
「……ぜひ……」
トーマスが、案内した。
王宮の外。
街へ。
そこには――
工房があった。
魔道具工房。
中に入ると――
魔道具が、並んでいた。
たくさんの魔道具。
光の魔石を使ったもの。
浄化の魔道具。
治療の魔道具。
様々な種類。
トーマスが、説明した。
「これらは、全てグリーンヘイブンで学んだ技術で作りました」
「今では、この国でも魔道具が普及しています」
「生活が、便利になりました」
ゴードンは、魔道具を手に取った。
確認する。
「……よくできている……」
「……教えた通りに、作っているな……」
トーマスは、嬉しそうに笑った。
「はい!」
「ゴードン様の教えを、忘れていません」
次に――
農地。
エマが、案内した。
広大な農地。
野菜、麦、果物。
たくさん育っている。
循環型農業。
グリーンヘイブンで学んだ方法。
エマが、説明した。
「この農法で、収穫量が2倍になりました」
「土も、豊かになりました」
「農民たちも、喜んでいます」
セシリアは、感心した。
「素晴らしいですね」
エマは、照れくさそうに笑った。
「セシリア様に教わったことを、実践しただけです」
◆ 身分の平等
次に――
街の中心部。
広場。
そこでは――
貴族と平民が、一緒に働いていた。
身分など、関係なく。
協力して。
建物を作っている。
フェリックスが、説明した。
「ノルディア王国でも、身分差別が減ってきました」
「まだ完全ではありませんが」
「グリーンヘイブンで学んだことを、広めています」
「人は、身分ではなく心が大事だと」
おっさんは、その様子を見て微笑んだ。
「……良いことだ……」
レイモンドが、言った。
「康太郎様のおかげです」
「あなたが、僕たちに教えてくれました」
ヴィクトリアも、頷いた。
「はい」
「私たちは、あなたの理念を広めています」
おっさんは、二人の肩を叩いた。
「……いや、お前たちの努力だ……」
◆ 王との会話
夕方――
王宮。
晩餐会。
おっさん一行と、エリック三世、留学生たち。
豪華な料理が、並んでいる。
でも――
雰囲気は、温かい。
堅苦しくない。
エリック三世が、おっさんに言った。
「康太郎伯爵」
「あなたのおかげで、この国は変わり始めた」
「留学生たちが、多くを学んできた」
「そして、実践している」
「本当に、感謝している」
おっさんは、首を振った。
「……いえ……」
「……彼らが、優秀だっただけです……」
エリック三世は、笑った。
「また、謙虚だ」
「だが、それが良い」
エリック三世は、続けた。
「今後とも、友好関係を続けたい」
「グリーンヘイブンと、ノルディア王国」
「共に、発展していきたい」
おっさんは、頷いた。
「……ぜひ……」
二人は、杯を交わした。
友好の証。
◆ 子供たちとバハムート
別室。
子供たちが、遊んでいた。
ホープ、希望、光、蒼。
バハムートが、また四つん這いになっている。
子供たちを、背中に乗せて。
「……重い……」
「……お前たち、また重くなった……」
でも――
嫌そうではない。
笑っている。
子供たちも、笑っている。
「バハ、すき!」
「もっと!」
「あー、うー!」
留学生たちが、その様子を見ていた。
トーマスが、驚いている。
「……あれが、伝説の古代竜……?」
エマも、呆れている。
「……子供のおもちゃになってる……」
フェリックスは、笑っている。
「平和の証だな」
リディアも、微笑んでいる。
「素敵ですね」
バハムートは、溜息をついた。
「……これも、運命か……」
◆ 別れ
数日後――
おっさん一行は、帰ることになった。
王都の門。
留学生たちが、見送りに来た。
トーマスが、おっさんの手を握った。
「康太郎様」
「本当に、ありがとうございました」
「また、来てください」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……また、来る……」
エマも、セシリアの手を握った。
「セシリア様」
「お元気で」
セシリアは、微笑んだ。
「エマさんも」
フェリックスが、ゴードンに頭を下げた。
「ゴードン様」
「これからも、魔道具の技術を磨きます」
ゴードンは、頷いた。
「ああ」
「頑張れ」
レイモンドとヴィクトリアも、深く頭を下げた。
「康太郎様」
「私たちは、あなたの教えを忘れません」
「この国を、良くしていきます」
おっさんは、二人の肩を叩いた。
「……期待している……」
馬車が、出発した。
留学生たちは、手を振り続けた。
馬車が、見えなくなるまで。
おっさんも、手を振っていた。
「……さようなら……」
「……また、会おう……」
◆ 帰路
馬車の中。
おっさん、セシリア、アリシア。
子供たちは、眠っている。
ゴードンと真理も。
リーナが、言った。
「良い旅だったわね」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……留学生たちが、成長していた……」
「……嬉しかった……」
セシリアが、言った。
「みんな、頑張っていましたね」
「グリーンヘイブンで学んだことを、実践していました」
アリシアも、微笑んでいる。
「素晴らしい若者たちでした」
おっさんは、窓の外を見た。
空。
青い空。
「……人は、変われる……」
「……レイモンドとヴィクトリアを見て、改めて思った……」
「……傲慢だった二人が、あんなに成長するなんて……」
セシリアが、おっさんの手を握った。
「それは、コウタロウさんのおかげです」
「あなたが、導いたから」
おっさんは、首を振った。
「……いや、彼らが頑張ったからだ……」
リーナが、笑った。
「また、謙虚ね」
「だから、みんなに慕われるのよ」
おっさんは、照れくさそうに笑った。
バハムートが、人の姿で隣に座っていた。
「康太郎」
「良い旅だったな」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……お前も、ご苦労だったな……」
「……子供たちの相手……」
バハムートは、笑った。
「まあ、悪くなかった」
「子供たちは、可愛い」
おっさんは、微笑んだ。
「……そうか……」
グリーンヘイブンへ。
帰路。
おっさんたちは、満足していた。
留学生たちの成長を見られた。
ノルディア王国との友好も深まった。
温かい旅だった。
そして――
グリーンヘイブンが、待っている。
若者たちが、街を守っている。
帰るのが、楽しみだ。
新しい物語が、また始まる。
(次回:第93話「帰還」に続く)




