第83話:平穏な日々
◆ 朝の目覚め
朝――
グリーンヘイブン。
伯爵の館。
太陽の光が、窓から差し込む。
優しい光。
おっさんとセシリアの寝室。
二人は、まだ眠っている。
でも――
隣の部屋から、声が聞こえてきた。
「ぱぱー!」
「ままー!」
子供たちの声。
おっさんは、目を覚ました。
「……ん……?」
セシリアも、目を覚ます。
「……子供たち、起きたみたいですね……」
おっさんは、ゆっくり起き上がった。
「……ああ……」
「……行ってくる……」
セシリアは、微笑んだ。
「……一緒に行きましょう……」
二人は、隣の部屋へ。
子供部屋。
扉を開けると――
希望が、ベッドの上で立っている。
2歳。
元気いっぱい。
「ぱぱ! まま!」
光も、ベッドで這っている。
1歳。
「あー、うー!」
おっさんは、微笑んだ。
「……おはよう、希望……」
「……おはよう、光……」
セシリアが、希望を抱き上げた。
「おはよう、希望ちゃん」
「よく眠れた?」
希望は、頷いた。
「うん!」
おっさんは、光を抱き上げた。
「……おはよう、光……」
光は、笑っている。
「あー!」
おっさんの顔を、触る。
おっさんは、光を抱きしめた。
(……幸せだ……)
◆ ホープも合流
廊下から、足音。
小さな足音。
トタトタと。
ホープが、走ってきた。
3歳。
「おはよう!」
アリシアも、後ろから来た。
「おはようございます、康太郎さん、セシリアさん」
セシリアが、微笑んだ。
「おはようございます、アリシア様」
おっさんも、頷いた。
「……おはよう……」
ホープが、希望と光を見た。
「のぞみ! ひかり!」
希望が、手を振った。
「ホープ!」
光も、笑っている。
「あー、うー!」
ホープが、嬉しそうに笑った。
「あそぼ!」
◆ 朝食
広間。
朝食の時間。
大きなテーブル。
おっさん、セシリア、アリシア。
そして、子供たち3人。
メイドたちが、料理を運んでくる。
パン、スープ、果物。
子供たちは、自分の席に座っている。
ホープが、一番しっかり座っている。
3歳だから。
希望も、頑張って座っている。
2歳。
でも、時々動く。
光は、まだ難しい。
1歳だから。
セシリアが、抱いて食べさせている。
ホープが、パンを食べながら言った。
「おいしい!」
希望も、真似する。
「おいしい!」
光は、スープを飲んでいる。
「んー!」
おっさんは、その様子を見て微笑んでいる。
(……毎日が、宝物だ……)
セシリアも、幸せそう。
アリシアも、ホープを見ながら微笑んでいる。
「ホープ、こぼさないように」
ホープ「はーい」
でも、少しこぼす。
みんな、笑った。
◆ 庭で遊ぶ
朝食の後――
庭。
広い庭。
芝生が、広がっている。
花が、咲いている。
子供たちが、走り回っている。
ホープが、先頭。
「こっちだよ!」
希望が、ついていく。
「まって!」
光は、まだ歩き始めたばかり。
ヨチヨチ歩き。
でも、頑張っている。
「あー、うー!」
おっさんとセシリアとアリシアは、ベンチに座って見ている。
微笑みながら。
ホープが、木の下に行った。
「ここが、ひみつきち!」
希望が、目を輝かせた。
「ひみつきち!」
光も、到着した。
「あー!」
3人は、木の下に座った。
何か、話している。
大人には、聞こえない。
小さな声で。
でも、真剣。
おっさんは、その様子を見て微笑んだ。
「……子供たちの世界だな……」
セシリアが、頷いた。
「……はい……」
「……まだ小さいのに……」
「……もう、自分たちの世界を持っているんですね……」
アリシアも、微笑んでいる。
「……微笑ましいですね……」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
◆ 子供たちの遊び
木の下。
ホープが、枝を拾った。
「これは、つるぎ!」
希望も、枝を拾った。
「わたしも、つるぎ!」
光は、葉っぱを拾った。
「あー!」
ホープが、宣言した。
「ぼくが、ゆうしゃ!」
希望が、言った。
「わたしは、おひめさま!」
光が、葉っぱを振った。
「あー、うー!」
ホープ「ひかりは、ドラゴン!」
希望「ドラゴン!」
光は、よく分かっていない。
でも、楽しそう。
「あー!」
ホープが、枝を振った。
「やー!」
希望が、逃げる真似。
「たすけて!」
光が、這っている。
「あー、うー!」
3人の遊び。
大人には、理解できない。
でも――
子供たちは、真剣。
自分たちの世界。
自分たちのルール。
それが、楽しい。
おっさんとセシリアとアリシアは、見守っている。
微笑みながら。
セシリアが、小さく笑った。
「……可愛いですね……」
アリシアも、頷いた。
「……本当に……」
おっさんは、腕を組んで見ている。
(……こんな平和な時間……)
(……ずっと続けばいい……)
◆ お昼寝の時間
昼過ぎ――
子供たちは、疲れた。
たくさん遊んだから。
メイドたちが、子供部屋に連れて行った。
お昼寝の時間。
ホープ、希望、光。
3人とも、ベッドで眠っている。
すやすやと。
おっさんとセシリアとアリシアは、応接室にいた。
お茶を、飲んでいる。
静かな時間。
セシリアが、言った。
「……子供たち、すっかり仲良しですね……」
アリシアが、微笑んだ。
「……はい……」
「……ホープも、とても嬉しそうです……」
「……希望ちゃんと光ちゃんと遊べて……」
おっさんは、頷いた。
「……良かった……」
「……3人とも、幸せそうだ……」
セシリアが、おっさんの手を握った。
「……コウタロウさん……」
「……この平和な日々……」
「……ずっと続けばいいですね……」
おっさんは、セシリアの手を握り返した。
「……ああ……」
「……俺も、そう思う……」
アリシアも、涙を流していた。
「……私も……」
「……こんなに幸せでいいのか……」
「……いつも思います……」
セシリアが、アリシアの手を握った。
「いいんですよ」
「幸せになってください」
「ホープも、アリシア様も」
アリシアは、泣きながら微笑んだ。
「……ありがとうございます……」
◆ 夕方の遊び
夕方――
子供たちは、また起きた。
元気いっぱい。
庭に、出た。
今度は、違う遊び。
ホープが、ボールを持っている。
「なげるよ!」
希望が、構えた。
「まって!」
ホープが、ボールを投げた。
「えい!」
希望が、受け止めようとした。
でも――
ボールは、横に転がった。
希望が、追いかける。
「まって!」
光も、這って追いかける。
「あー、うー!」
3人は、ボールを追いかけて走り回る。
笑っている。
楽しそう。
おっさんは、その様子を見ている。
セシリアも、一緒。
アリシアも。
セシリアが、小さく笑った。
「……ボール、どこまで行くんでしょう……」
おっさんは、微笑んだ。
「……どこまでも……」
ホープが、転んだ。
「あ!」
でも、すぐに立ち上がる。
「だいじょうぶ!」
希望が、心配そうに近づいた。
「だいじょうぶ?」
ホープは、笑った。
「だいじょうぶ!」
光も、到着した。
「あー!」
3人は、また笑った。
おっさんは、その様子を見て思った。
(……子供は、強いな……)
(……転んでも、すぐに立ち上がる……)
(……そして、笑う……)
(……俺も、そうありたい……)
◆ 夕食
夕食の時間。
広間。
家族全員が、集まっている。
おっさん、セシリア、アリシア。
ホープ、希望、光。
ゴードンと真理も、来ていた。
蒼も、一緒。
賑やか。
子供たちの声が、響いている。
ホープが、ゴードンに言った。
「ゴードンおじさん!」
ゴードンは、微笑んだ。
「ああ、ホープ」
「元気か?」
ホープ「うん!」
希望も、真理に話しかけた。
「まりおばさん!」
真理は、優しく笑った。
「はい、希望ちゃん」
「今日も、よく遊んだ?」
希望「うん!」
光は、蒼と一緒。
二人とも、まだ小さい。
でも、何か通じ合っているよう。
「あー、うー」
「んー、あー」
大人たちは、その様子を見て微笑んでいる。
おっさんが、ゴードンに言った。
「……ゴードン……」
「……子供たち、よく遊んでいるよ……」
ゴードンは、頷いた。
「ああ」
「良いことだ」
「子供は、遊びながら成長する」
真理も、頷いた。
「はい」
「微笑ましいですね」
セシリアが、言った。
「……みんなで食事……」
「……幸せですね……」
アリシアも、涙を流していた。
「……本当に……」
「……こんな日々が、ずっと続けばいいです……」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
◆ 寝かしつけ
夜――
子供部屋。
ホープ、希望、光が、ベッドに入った。
おっさん、セシリア、アリシアが、そばにいる。
セシリアが、子守唄を歌った。
優しい声。
♪ ねんねん ころりよ ♪
♪ おころりよ ♪
子供たちは、目を閉じている。
でも、まだ起きている。
ホープが、小さな声で言った。
「……ねえ……」
「……また、あした、あそぼうね……」
希望が、答えた。
「……うん……」
光は、もう眠りかけている。
「……んー……」
セシリアは、歌い続けた。
♪ ねんねの 守りは ♪
♪ どこへ 行った ♪
ホープの目が、閉じた。
希望の目も、閉じた。
光は、もう眠っている。
すやすや。
おっさんは、3人を見た。
(……平和だ……)
(……こんな日々が、続けばいい……)
セシリアが、歌い終えた。
静か。
3人とも、眠っている。
おっさん、セシリア、アリシアは、そっと部屋を出た。
◆ 夫婦の時間
夜――
おっさんとセシリアの寝室。
二人だけ。
ベッドに、座っている。
セシリアが、おっさんに寄りかかった。
「……コウタロウさん……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ん?……」
セシリアが、言った。
「……子供たち、大きくなりましたね……」
「……希望は、もう2歳……」
「……光も、1歳……」
「……あっという間でした……」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……本当に……」
「……早いな……」
セシリアが、続けた。
「……でも、嬉しいです……」
「……元気に、育ってくれて……」
「……ホープとも、仲良しで……」
おっさんは、微笑んだ。
「……ああ……」
「……3人とも、良い子だ……」
セシリアが、おっさんを見上げた。
「……コウタロウさん……」
「……私、幸せです……」
「……こんなに幸せでいいんでしょうか……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……いいんだよ……」
「……お前は、幸せになっていい……」
「……俺も、幸せだ……」
「……お前と、子供たちと……」
「……毎日が、宝物だ……」
セシリアは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
「……コウタロウさん……」
おっさんは、窓の外を見た。
星空。
美しい。
(……前の家族よ……)
(……見ているか?……)
(……俺は、また家族を持った……)
(……幸せだ……)
(……でも、お前たちのことは忘れない……)
(……ずっと、心の中にいる……)
星が、輝いている。
まるで、答えるように。
おっさんは、微笑んだ。
(……ありがとう……)
セシリアが、おっさんに寄りかかった。
「……ずっと、一緒にいてくださいね……」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ああ……」
「……ずっと、一緒だ……」
グリーンヘイブン。
平穏な日々。
子供たちが、遊ぶ。
笑う。
成長する。
まだ小さいけれど。
小さいなりに、自分たちの世界を持っている。
そんな子供たちを、親たちは見守る。
ほっこりしながら。
優しく。
幸せな日々。
戦争も、苦労も、全て乗り越えて。
今、ここに。
平和がある。
温かさがある。
家族がある。
おっさんの物語。
平穏な日々。
でも――
それが、一番の幸せ。
(次回:第84話「街の発展」に続く)




