第63話:迫りくる影
◆ 対策会議
翌朝――
伯爵の館。
執務室。
おっさん、ゴードン、オスカー、ダリウスが集まっていた。
緊急会議。
おっさんが、説明した。
「昨夜、女神が現れた」
「ドラゴンが、この街を襲う」
「数日以内に」
全員、驚愕した。
ゴードン「……ドラゴン……!?」
オスカー「それは……」
ダリウス「大変です……」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……だから、対策を考えないと……」
ゴードンが、前に出た。
「対ドラゴン魔道具を、開発する」
「今すぐ、取り掛かる」
おっさんは、頷いた。
「……頼む……」
オスカー「住民の避難計画も、必要です」
ダリウス「ガーディアンを、配置します」
おっさんは、指示を出した。
「……オスカー、避難計画を頼む……」
「……ダリウス、ガーディアンの配備を……」
「……ゴードン、魔道具の開発を……」
「……俺は、街全体の指揮を取る……」
全員、頷いた。
「了解しました!」
◆ 準備
数日間――
グリーンヘイブンは、準備に追われた。
ゴードンは、工房にこもっていた。
対ドラゴン魔道具。
強力な攻撃魔道具。
魔石を、たくさん使う。
紫の魔石。
青い魔石。
工房には、魔石が山積み。
ゴードンは、必死に開発している。
真理も、手伝いたがった。
でも――
産後すぐ。
蒼が、生まれたばかり。
ゴードンが、止めた。
「真理、無理するな」
「蒼を、見ててくれ」
真理は、涙を流した。
「……でも……」
ゴードン「お前は、蒼を守ってくれ」
「それが、一番大事だ」
真理は、頷いた。
「……はい……」
オスカーは、避難計画を作っていた。
街の中心部に、避難所。
地下の倉庫。
頑丈。
食料も、水も、ある。
住民たちに、説明する。
「ドラゴンが来たら、ここに避難してください」
住民たちは、不安そう。
「ドラゴン……」
「大丈夫でしょうか……」
オスカー「康太郎様が、守ってくれます」
「信じてください」
ダリウスは、ガーディアンを配置していた。
街の入口。
主要な場所。
10体。
全てを、配備する。
若者たちも、手伝っている。
ダニエル、アレクサンダー、ロバート。
みんな、真剣。
おっさんは、街全体を見回っていた。
指揮を、取る。
住民に、声をかける。
「大丈夫だ」
「俺たちで、守る」
住民たちは、おっさんを信じている。
「康太郎様、頑張ってください!」
「俺たちも、手伝います!」
おっさんは、微笑んだ。
「……ありがとう……」
「……みんな……」
セシリアも、準備していた。
光の祝福。
新しい力。
練習している。
手から、光を出す。
優しい光。
でも――
強い。
セシリアは、感じていた。
(……この力で、みんなを守る……)
◆ 異変
3日後――
昼。
突然――
空が、暗くなった。
雲が、黒い。
異常な雲。
風が、強くなる。
住民たちが、気づいた。
「何だ……?」
「空が、暗い……」
おっさんも、気づいた。
空を、見上げる。
(……来た……!)
「みんな、避難だ!!」
住民たちが、走り出す。
避難所へ。
子供たち、老人たち。
みんなで、避難する。
若者たちが、誘導している。
そして――
遠くから、咆哮が聞こえた。
「グオオオオオ!!」
巨大な声。
大地が、震える。
住民たちが、怯える。
「ドラゴンだ……!」
「来た……!」
◆ ドラゴン襲来
巨大な影が、飛んできた。
空を覆う。
黒い影。
そして――
姿が、見えた。
ドラゴン。
全長30メートル以上。
黒い鱗。
巨大な翼。
鋭い爪。
恐ろしい牙。
赤い目。
圧倒的な存在感。
住民たちが、悲鳴を上げる。
「うわあああ!!」
「すごい……!」
「怖い……!」
ドラゴンは、街を見下ろした。
そして――
魔石の気配を感じ取った。
「……魔石……」
「……多い……」
ドラゴンは、一直線に降下した。
目標――
ゴードンの工房。
魔道具と魔石が、山積みの場所。
◆ ゴードンの危機
ゴードンは、工房にいた。
対ドラゴン魔道具の、最終調整。
もう少しで、完成。
その時――
轟音。
「ドゴオオオン!!」
工房の屋根が、破壊された。
ドラゴンの爪。
巨大な爪が、工房に突き刺さる。
ゴードンは、驚愕した。
「……くっ……!」
とっさに、魔道具を起動させた。
身を護る魔道具。
防御結界。
光の壁が、ゴードンを覆う。
ドラゴンの爪が、結界に当たる。
「ガキイイイン!!」
火花が、散る。
結界が、耐える。
でも――
ドラゴンの力は、凄まじい。
結界が、ひび割れる。
そして――
砕けた。
「バリイイイン!!」
ドラゴンの爪が、ゴードンに届く。
「ぐあああ!!」
ゴードンは、吹き飛ばされた。
壁に、叩きつけられる。
血が、流れる。
大量の血。
胸、腕、足。
至るところから、出血。
ゴードンは、倒れた。
意識が、遠のく。
(……康太郎……)
(……すまない……)
(……魔道具、完成させられなかった……)
真理が、駆けつけた。
蒼を抱いて。
「ゴードンさん!!」
ゴードンは、血まみれで倒れている。
真理は、泣き叫んだ。
「ゴードンさん!!」
「誰か!!」
「リリアさん!!」
◆ おっさんの後悔
おっさんは、街の中心で指揮を取っていた。
ドラゴンが、ゴードンの工房を襲ったと聞いた。
おっさんは、走った。
工房へ。
でも――
遅かった。
工房は、破壊されている。
ゴードンが、倒れている。
血まみれ。
おっさんは、駆け寄った。
「ゴードン!!」
リリアが、すでに治療している。
治癒魔法。
白い魔石の魔道具。
懸命に、治療する。
「大丈夫です!」
「命は、助かります!」
でも――
「失った血が、多すぎます……」
「しばらく、動けません……」
おっさんは、ゴードンの手を握った。
「……ゴードン……」
「……すまない……」
「……俺が、守れなかった……」
ゴードンは、意識がない。
でも――
かすかに息をしている。
おっさんは、涙を流した。
(……俺のせいだ……)
(……もっと早く、対策を……)
真理が、おっさんに言った。
「康太郎さん、ゴードンさんは大丈夫です」
「街を、守ってください」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「……必ず、守る……」
◆ 住民の反撃
ドラゴンは、街の上空を飛んでいた。
さらなる魔石を、探している。
その時――
地上から、攻撃が来た。
魔道具の攻撃。
光の弾。
炎の弾。
氷の弾。
住民たちが、魔道具で攻撃している。
元スラムの住民たち。
おっさんから、魔道具を受け取った人々。
みんなで、攻撃する。
「ドラゴン、許さない!!」
「康太郎様の街を、守る!!」
「みんな、撃て!!」
一斉攻撃。
数百の攻撃。
光が、ドラゴンに向かう。
ドラゴンに、当たる。
「ドゴオオン!!」
爆発。
煙が、上がる。
住民たちは、喜んだ。
「やった!!」
「当たった!!」
でも――
煙が、晴れる。
ドラゴンは、無傷だった。
鱗が、硬い。
魔道具の攻撃が、効かない。
ドラゴンは、怒った。
「グオオオオ!!」
咆哮。
そして――
ブレスを吐いた。
炎のブレス。
地上に、降り注ぐ。
「うわああ!!」
住民たちが、逃げる。
建物が、燃える。
でも――
避難は、間に合った。
死者は、いない。
おっさんの指示が、良かった。
◆ おっさんの決意
おっさんは、見ていた。
ドラゴンの圧倒的な力。
魔道具が、効かない。
ガーディアンも、役に立たない。
ゴードンは、動けない。
真理は、産後で戦えない。
(……俺しか、いない……)
おっさんは、セシリアを見た。
セシリアも、そばにいた。
希望と光は、避難所に。
メイドが、見守っている。
おっさんが、言った。
「セシリア、一緒に来てくれ」
セシリアは、頷いた。
「……はい……」
二人は、ドラゴンの前に立った。
住民たちが、驚く。
「康太郎様!!」
「セシリア様!!」
「危ない!!」
◆ 光の祝福
ドラゴンは、二人を見下ろした。
「……人間……」
「……弱き者……」
ドラゴンが、ブレスを吐こうとした。
その時――
セシリアが、手を前に出した。
「光の祝福!!」
光が、溢れ出た。
優しい光。
でも――
強い光。
光が、おっさんとセシリアを覆う。
結界。
光の結界。
ドラゴンのブレスが、来る。
炎。
結界に、当たる。
「ドゴオオオン!!」
でも――
結界が、耐えた。
炎を、防いだ。
セシリアの光の祝福。
ドラゴンは、驚いた。
「……何……?」
「……この力は……」
おっさんは、感じた。
(……セシリアの力で、守られている……)
(……これなら、戦える……)
◆ 対等な戦い
おっさんは、前に出た。
剣を、抜く。
ミスリル製の剣。
洞窟で見つけた、ミスリルで作った。
軽くて、硬い。
おっさんは、ドラゴンに向かって走った。
ドラゴンが、爪を振り下ろす。
おっさんは、避ける。
素早く。
(……体が、軽い……)
(……これが、希望の力……?)
おっさんは、ドラゴンの足に斬りかかった。
剣が、鱗に当たる。
「ガキイイン!!」
火花が、散る。
でも――
鱗が、硬い。
切れない。
ドラゴンが、尾を振る。
おっさんに、向かってくる。
おっさんは、避けられない。
その時――
セシリアが、叫んだ。
「光の壁!!」
光の壁が、現れた。
ドラゴンの尾が、壁に当たる。
「ドゴオン!!」
おっさんは、守られた。
おっさんは、セシリアを見た。
「……ありがとう……」
セシリアは、微笑んだ。
「……一緒に、戦いましょう……」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
おっさんとセシリアは、連携して戦った。
おっさんが、攻撃する。
セシリアが、守る。
対等に、戦えている。
でも――
決定打がない。
ドラゴンの鱗が、硬すぎる。
剣が、通らない。
おっさんは、焦っていた。
(……どうする……)
(……このままでは、倒せない……)
(……希望の力……)
(……まだ、使いこなせていない……)
ドラゴンも、苛立っていた。
「……小賢しい……」
「……人間め……」
ドラゴンは、大きく息を吸った。
最大のブレスを、放とうとしている。
おっさんは、気づいた。
「……まずい……!」
セシリアも、気づいた。
「……これは……」
「……防げるかしら……」
ドラゴンが、ブレスを吐いた。
巨大な炎。
街全体を、焼き尽くすほどの炎。
セシリアが、叫んだ。
「光の大結界!!」
全力の結界。
光が、街全体を覆う。
巨大な光のドーム。
炎が、結界に当たる。
「ドゴオオオオオン!!」
轟音。
光と炎が、ぶつかり合う。
セシリアは、必死に耐えている。
「……あああ……!!」
汗が、流れる。
限界が、近い。
おっさんは、セシリアの手を握った。
「……セシリア……!」
「……俺の力も、使ってくれ……!」
おっさんの希望の力が、セシリアに流れ込む。
セシリアの力が、増す。
結界が、強くなる。
炎を、防ぎきった。
ドラゴンのブレスが、止まる。
結界が、消える。
おっさんとセシリアは、倒れそうになった。
疲労。
でも――
立っている。
街は、守られた。
住民たちが、歓声を上げる。
「守った!!」
「康太郎様、すごい!!」
「セシリア様、すごい!!」
でも――
ドラゴンは、まだ元気だった。
「……ほう……」
「……面白い……」
「……もう一度だ……」
ドラゴンは、再び息を吸い始めた。
おっさんは、焦った。
(……もう一度は、無理だ……)
(……どうする……)
(……希望の力……)
(……使いこなせ……)
(……みんなの希望になれ……)
おっさんは、街を見た。
住民たち。
若者たち。
令嬢たち。
家臣たち。
みんなが、見ている。
おっさんを、信じている。
おっさんは、感じた。
(……みんなの、希望……)
(……俺が、みんなの希望なんだ……)
(……だから……)
(……諦めない……!)
おっさんの体が、光り始めた。
希望の力。
覚醒し始めている。
でも――
まだ、完全ではない。
次回、本当の力を発揮する。
グリーンヘイブン。
ドラゴンが、襲来した。
ゴードンは、重傷。
住民の攻撃は、効かない。
おっさんとセシリアが、立ち向かう。
対等に戦えている。
でも――
まだ、決定打がない。
希望の力を、使いこなせていない。
戦いは、続く。
(次回:第64話「希望の光」に続く)




