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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第104話:再会

 ◆ 第1部隊:声


 おっさんたちは、迂回路を進み続けていた。


 暗い通路。


 狭い通路。


 でも――


 進むしかない。


 その時――


 前方から、声が聞こえた。


「……誰か、いるのか……?」


 ドワーフの声。


 おっさんは、立ち止まった。


「……誰だ?……」


 バハムートが、松明を掲げた。


 前方を、照らす。


 そこには――


 ドワーフが、立っていた。


 男性のドワーフ。


 30代ぐらい。


 髭が、茶色。


 痩せている。


 疲弊している。


 でも――


 生きている。


 ドワーフは、おっさんたちを見て驚いた。


「人間……?」


「なぜ、ここに……?」


 おっさんは、答えた。


「……助けに来た……」


「……グロムの仲間だ……」


 ドワーフは、さらに驚いた。


「グロム様が!?」


「本当か!?」


 おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「……生きている……」


「……お前たちを、助けに来た……」


 ドワーフは、涙を流した。


「……ありがとうございます……!」


「……待っていました……!」


「……こっちです! 仲間が、こっちに!」


 ドワーフが、走り出した。


 おっさんたちは、後を追った。



 ◆ 第2部隊:出会い


 ダリウスたちは、30分の休憩を終えた。


 真理の魔力も、少し回復した。


 怪我人も、手当てが終わった。


「行こう」


 ダリウスが、言った。


 再び、進み始める。


 通路を、下へ。


 地下深くへ。


 その時――


 前方から、光が見えた。


 松明の光。


 誰かが、来る。


 ダリウスは、剣を構えた。


「誰だ!」


 光が、近づいてくる。


 そして――


 ドワーフが、現れた。


 女性のドワーフ。


 若い。


 20代。


 髭はない。


 疲れた顔。


 でも――


 希望に満ちた目。


「助けに来てくれたのですか!?」


 ダリウスは、剣を下ろした。


「ああ」


「グリーンヘイブンから来た」


「グロムの仲間だ」


 女性ドワーフは、涙を流した。


「グロム様が……!」


「グロム様は、無事なんですか!?」


 真理が、答えた。


「はい」


「グロム様は、今この地下におられます」


「別の入り口から」


 女性ドワーフは、泣き崩れた。


「……良かった……」


「……グロム様が、生きていた……」


 ダリウスが、聞いた。


「他の生存者は?」


 女性ドワーフは、頷いた。


「います」


「たくさん、います」


「最深部に、集まっています」


「案内します」



 ◆ 第3部隊:発見


 ゴードンたちは、隠し通路を進んでいた。


 アルヴィンの案内で。


 グロムは、焦っていた。


(……早く、仲間に会いたい……)


 その時――


 前方から、声が聞こえた。


「……誰だ……?」


 警戒した声。


 グロムは、叫んだ。


「グロムだ!」


「俺だ、グロム!」


 しばらく、静寂。


 そして――


「……グロム様……!?」


「……本当に、グロム様なのか!?」


 声が、近づいてくる。


 松明の光。


 ドワーフが、数人現れた。


 男性、女性、老人。


 全員、痩せている。


 疲れている。


 でも――


 生きている。


 ドワーフたちは、グロムを見て涙を流した。


「グロム様……!」


「生きていた……!」


 グロムも、涙を流した。


「……みんな……!」


「……無事だったか……!」


 ドワーフたちが、グロムに駆け寄った。


 抱き合う。


 感動の再会。


 グロムは、仲間たちを見た。


「……他の仲間は……?」


 ドワーフの一人が、答えた。


「最深部に、集まっています」


「何百人も」


「グロム様を、待っていました」


 グロムは、頷いた。


「分かった」


「案内してくれ」



 ◆ 最深部へ


 3つの部隊は、それぞれドワーフの案内で進んだ。


 最深部へ。


 通路は、複雑。


 でも――


 ドワーフたちが知っている。


 道を。


 おっさんたちは、下へ下へと進んだ。


「……もうすぐか……?」


 ドワーフが、答えた。


「はい」


「あと少しです」



 ダリウスたちも、進んでいた。


「まだ遠いのか?」


 女性ドワーフが、答えた。


「いえ、近いです」


「もうすぐです」



 ゴードンたちも、進んでいた。


 グロムが、聞いた。


「他の部隊は、来ているか?」


 ドワーフが、答えた。


「はい」


「人間とエルフの部隊が、二つ来ています」


「もうすぐ、合流できます」


 グロムは、安堵した。


「……良かった……」



 ◆ 最深部の大広間


 そして――


 3つの部隊が、最深部の大広間に到着した。


 巨大な広間。


 ドワーフの建築の、集大成。


 天井が、高い。


 柱が、太い。


 美しい彫刻。


 でも――


 今は、避難所。


 そこには――


 ドワーフたちが、集まっていた。


 何百人も。


 男性、女性、子供、老人。


 全員、痩せている。


 疲れている。


 でも――


 生きている。


 おっさんが、最初に広間に入った。


 ドワーフたちが、驚いた。


「人間……?」


「助けに来てくれたのか……?」


 おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「……グリーンヘイブンから来た……」


「……お前たちを、助けに……」


 次に、ダリウスたちが入ってきた。


 真理、ヴィクター、兵士たち。


 ドワーフたちは、さらに驚いた。


「こんなに、たくさん……」


 そして――


 ゴードンたちが入ってきた。


 アルヴィン、グロム、他のドワーフたち。


 ドワーフたちは、グロムを見て叫んだ。


「グロム様!!」


「グロム様が、帰ってきた!!」


 グロムは、広間に走り込んだ。


「みんな……!」


「無事だったか……!」


 ドワーフたちが、グロムに駆け寄った。


「グロム様……!」


「待っていました……!」


「助けに来てくれると、信じていました……!」


 グロムは、涙を流しながら言った。


「……すまない……」


「……逃げてしまって……」


「……臆病者だった……」


 でも――


 ドワーフたちは、首を振った。


「いいえ!」


「グロム様が生き延びてくれたから」


「助けに来てくれたんです」


「ありがとうございます」


 グロムは、泣き崩れた。


 おっさんが、近づいた。


 グロムの肩に、手を置く。


「……良かったな、グロム……」


 グロムは、頷いた。


「……ああ……」


「……ありがとう、康太郎……」


「……お前のおかげだ……」



 ◆ 状況の確認


 おっさんは、ドワーフたちに聞いた。


「……何人いる?……」


 老人のドワーフが、答えた。


「約300人です」


「子供、女性、老人が大半」


「戦える者は、少ない」


 おっさんは、頷いた。


「……分かった……」


「……怪我人は?……」


「何人かいます」


「食料も、もう少しで尽きます」


 おっさんは、考えた。


 300人。


 大人数。


 脱出させるのは、大変だ。


 でも――


 やるしかない。


 ダリウスが、おっさんに近づいた。


「康太郎様」


「どうしますか?」


 おっさんは、答えた。


「……脱出する……」


「……全員で……」


「……一人も、残さない……」


 ダリウスは、頷いた。


「了解しました」


 真理が、言った。


「でも、魔物がたくさんいます」


「戦いながら、脱出するのは危険です」


 おっさんは、頷いた。


「……分かっている……」


「……だから、作戦を立てる……」


 バハムートが、言った。


「俺が、囮になる」


「魔物を引きつける」


「その間に、みんなを逃がす」


 おっさんは、首を振った。


「……いや、危険すぎる……」


 バハムートは、笑った。


「俺は、古代竜だ」


「そう簡単には、やられない」


 おっさんは、悩んだ。


 でも――


 他に、良い方法がない。


(……どうする……?)



 ◆ 希望


 その時――


 子供のドワーフが、おっさんに近づいてきた。


 小さな女の子。


 5歳ぐらい。


 痩せている。


 でも――


 笑顔。


「おじちゃん」


「ありがとう」


「助けに来てくれて」


 おっさんは、しゃがんだ。


 子供と、目線を合わせる。


「……怖かったか?……」


 女の子は、頷いた。


「うん」


「でも、みんながいたから」


「大丈夫だった」


「そして、おじちゃんたちが来てくれた」


「もう、大丈夫」


 おっさんは、女の子の頭を撫でた。


「……ああ……」


「……もう、大丈夫だ……」


「……必ず、外に連れて行く……」


 女の子は、笑顔で頷いた。


 おっさんは、立ち上がった。


 みんなを、見た。


 ドワーフたち。


 300人。


 疲れている。


 怖がっている。


 でも――


 希望を持っている。


 助かると、信じている。


 おっさんは、決意した。


(……全員、助ける……)


(……必ず……)


 おっさんは、大きな声で言った。


「みんな、聞いてくれ」


 ドワーフたちが、静かになった。


 おっさんを、見る。


「俺たちは、お前たちを助けに来た」


「グリーンヘイブンから」


「人間、エルフ、ドワーフ」


「種族を超えて、協力して」


「お前たちを、助けるために」


 ドワーフたちは、涙を流し始めた。


 おっさんは、続けた。


「これから、脱出する」


「危険な道だ」


「魔物がいる」


「でも、必ず成功させる」


「俺たちを、信じてくれ」


「そして、協力してくれ」


「全員で、外に出よう」


 ドワーフたちは、頷いた。


「はい!」


「信じます!」


「ありがとうございます!」


 グロムが、前に出た。


「みんな」


「この人たちは、信用できる」


「俺が、保証する」


「協力しよう」


 ドワーフたちは、歓声を上げた。


「おお!」


「グロム様!」


 おっさんは、みんなを見た。


 希望に満ちた顔。


(……よし……)


(……やるぞ……)



 グリーンヘイブンから、遠く離れた地。


 アイアンホールドの最深部。


 3つの部隊が、合流した。


 そして――


 ドワーフ300人を、発見した。


 感動の再会。


 グロムと仲間たち。


 おっさんと子供たち。


 種族を超えた、絆。


 これから、脱出作戦が始まる。


 危険な戦い。


 でも――


 希望がある。


 仲間がいる。


 協力すれば、必ず成功する。


 おっさんは、信じている。


 全員で、外に出る。


 そして――


 グリーンヘイブンへ、帰る。



 物語は、続く。



(次回:第105話に続く)

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