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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第102話:アイアンホールド到着

◆ グレイピーク山脈


数日後――


救出隊は、グレイピーク山脈に到着した。


険しい山。


岩だらけ。


寒い。


風が、強い。


グロムが、前を指さした。


「あそこだ」


「アイアンホールドは、あの山腹にある」


おっさんたちは、進んだ。


慎重に。


足場が、悪い。


でも――


みんな、必死だった。


仲間を、助けるために。



◆ 惨状


山腹に、到達した。


そこには――


廃墟があった。


建物が、崩壊している。


石造りの建物。


ドワーフの建築。


頑丈なはずだった。


でも――


壊れている。


破壊されている。


戦いの跡。


血の跡。


焼け焦げた跡。


グロムは、立ち尽くした。


「……アイアンホールド……」


「……俺の故郷……」


「……こんなに……」


他のドワーフたちも、涙を流していた。


「……ひどい……」


「……こんなことに……」


おっさんは、グロムの肩に手を置いた。


「……グロム……」


グロムは、涙を流しながら言った。


「……仲間が……」


「……ここで、たくさん死んだんだ……」


おっさんは、頷いた。


「……分かっている……」


「……でも、まだ生きている者もいる……」


「……助けよう……」


グロムは、涙を拭った。


「……ああ……」


「……そうだな……」



◆ メイン入り口


グロムが、案内した。


「メイン入り口は、こっちだ」


大きな門。


ドワーフの都市への入り口。


でも――


完全に、崩れていた。


巨大な岩。


瓦礫の山。


入り口を、ふさいでいる。


グロムは、愕然とした。


「……嘘だろ……」


「……完全に、ふさがれている……」


「……これでは、入れない……」


ダリウスが、瓦礫を調べた。


「これを取り除くには、何日もかかります」


「しかも、崩れる危険があります」


おっさんは、考えた。


「……別の方法は……」


グロムは、首を振った。


「……メイン入り口が、一番大きい……」


「……ここがダメなら……」


その時――


バハムートが、立ち止まった。


「……待て……」


「……空気の流れがある……」


おっさんは、バハムートを見た。


「……空気の流れ?……」


バハムートは、瓦礫の隙間に近づいた。


鼻を近づける。


「……ここだ……」


「……わずかだが、空気が流れている……」


「……中から、外へ……」


おっさんも、近づいた。


確かに、風が流れている。


わずかだが。


「……通気口か……」


バハムートは、頷いた。


「ああ」


「中に、空間がある」


「生きている証拠だ」


グロムが、駆け寄った。


「本当か!?」


耳を澄ます。


そして――


聞こえた。


微かな音。


人の声。


遠い。


でも、確かに聞こえる。


グロムは、叫んだ。


「仲間!!」


「聞こえるか!!」


「グロムだ!!」


しばらく、静寂。


そして――


微かな声が聞こえた。


「……グロム……様……?」


「……本当に……?」


グロムは、涙を流した。


「ああ! 本当だ!」


「生きていたのか!!」


「すぐに、助けに行く!!」


中から、歓声が聞こえた。


微かだが、確かに。


「……グロム様が……!」


「……助けに来てくれた……!」


おっさんは、通気口を見た。


小さい。


人が通るには、狭すぎる。


拳一つ分ぐらい。


「……これでは、通れない……」


グロムも、頷いた。


「……ああ……」


「……でも、中にいる……」


「……生きている……」


おっさんは、考えた。


「……別の入り口を、探そう……」


「……ドワーフの都市なら、他にもあるはずだ……」


グロムは、頷いた。


「そうだ」


「アイアンホールドは、複雑だ」


「地下は、迷路のように入り組んでいる」


「いくつも、入り口がある」


「探そう」



◆ 捜索


救出隊は、山腹を捜索した。


3つのチームに分かれて。


おっさんのチーム:東側。


ダリウスのチーム:西側。


アルヴィンのチーム:北側。


それぞれ、捜索する。


岩を調べる。


洞窟を探す。


ドワーフの建築の痕跡を。


数時間後――


3つのチームが、集合した。


それぞれ、入り口を見つけていた。



◆ 東の入り口


おっさんが、報告した。


「……東側に、入り口を見つけた……」


「……半分、崩れている……」


「……でも、通れそうだ……」


グロムが、確認しに行った。


東側の入り口。


石造りの門。


半分、崩れている。


でも――


隙間がある。


人が、通れる大きさ。


「……これなら、行けるな……」


でも――


中は、暗い。


魔物の気配も、する。


「……危険だが……」


「……行けないことはない……」



◆ 西の入り口


ダリウスが、報告した。


「西側にも、入り口があります」


「比較的、無事です」


「でも……」


ダリウスは、顔を曇らせた。


「魔物の気配が、濃いです」


「おそらく、中に魔物が巣食っています」


グロムが、確認しに行った。


西側の入り口。


大きな門。


ほとんど、無事。


開いている。


でも――


中から、魔物の匂いがする。


獣の匂い。


血の匂い。


「……ここは、魔物の巣になっている……」


「……危険だ……」


おっさんが、言った。


「……でも、魔物を倒せば……」


「……一番、入りやすい……」



◆ 北の入り口


アルヴィンが、報告した。


「北側に、隠し通路を見つけた」


「分かりにくい場所にある」


グロムが、驚いた。


「隠し通路!?」


アルヴィンは、頷いた。


「ああ」


「岩の裏に、隠れていた」


グロムが、確認しに行った。


北側。


岩の裏。


確かに、小さな入り口がある。


隠されている。


グロムは、涙を流した。


「……これは……」


「……王族の隠し通路だ……」


「……俺たち上級戦士しか、知らない……」


「……よく見つけた、アルヴィン……」


アルヴィンは、微笑んだ。


「エルフの目は、鋭いからな」


グロムは、中を確認した。


狭い通路。


でも、無事。


魔物の気配も、少ない。


「……ここが、一番安全だ……」


「……でも、狭い……」


「……一度に、多くは通れない……」



◆ 部隊の分割


全員が、集合した。


おっさんが、地図を広げた。


三つの入り口を、書き込む。


「……東、西、北……」


「……それぞれ、特徴がある……」


グロムが、説明した。


「地下は、複雑だ」


「でも、いずれも最深部に繋がっている」


「途中で、合流できるはずだ」


おっさんは、考えた。


「……部隊を、分けよう……」


ダリウスが、聞いた。


「分けますか?」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「……一つの入り口だと、時間がかかる……」


「……三方から、攻める……」


「……そうすれば、早い……」


バハムートが、言った。


「危険だぞ」


「分かれると、互いに助けられない」


おっさんは、頷いた。


「……分かっている……」


「……でも、仲間が待っている……」


「……早く、助けないと……」


真理が、言った。


「私も、賛成です」


「三方から攻めれば、魔物も混乱します」


グロムも、頷いた。


「俺も、賛成だ」


「早く、仲間を助けたい」


おっさんは、決断した。


「……では、部隊を分ける……」



◆ 部隊編成


おっさんが、編成を発表した。


「……第1部隊:東の入り口……」


「……俺、バハムート、ダニエル、兵士10名……」


「……第2部隊:西の入り口……」


「……ダリウス、真理、ヴィクター、兵士10名……」


「……第3部隊:北の入り口……」


「……ゴードン、アルヴィン、グロムと他のドワーフ、兵士5名……」


それぞれ、頷いた。


了解。


おっさんが、続けた。


「……目標は、最深部で合流……」


「……そして、ドワーフを救出……」


「……魔物は、できるだけ倒す……」


「……でも、無理はするな……」


「……命が、最優先だ……」


全員が、頷いた。


「了解!」



◆ 出発前


おっさんは、みんなを見た。


真剣な顔。


でも――


決意に満ちている。


「……これから、危険な戦いになる……」


「……魔物が、たくさんいる……」


「……でも、仲間が待っている……」


「……必ず、助ける……」


「……そして、全員で帰る……」


「……いいな?……」


全員が、答えた。


「はい!」


「必ず!」


バハムートが、笑った。


「相変わらず、無茶するな」


「でも、ついていくぞ」


真理も、微笑んだ。


「私も、です」


「勇者として、戦います」


アルヴィンが、言った。


「エルフも、全力で戦う」


グロムが、拳を握りしめた。


「ドワーフも、だ」


「仲間を、必ず助ける」


おっさんは、頷いた。


「……ありがとう……」


「……では、行こう……」


三つの部隊が、それぞれの入り口へ向かった。


東、西、北。


それぞれの道を。


危険な道を。


でも――


仲間を助けるために。


決意を胸に。


進んでいく。



グリーンヘイブンから、遠く離れた地。


アイアンホールド。


ドワーフの都市。


廃墟となった都市。


でも――


まだ、希望がある。


生存者がいる。


仲間が、待っている。


三つの部隊が、潜入を開始した。


危険な戦い。


魔物との戦い。


でも――


諦めない。


必ず、助ける。


そして――


全員で、帰る。


グリーンヘイブンへ。


家族の待つ、街へ。



物語は、続く。



(次回:第103話に続く)

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