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今回は閑話休題として後書きにショートストーリーも書いています。

では16話の続きです。どうぞご覧ください(^◇^)






エクリクシィ・ホープは当時魔法師団学校の首席だった。

スポーツや芸術、勉強は勿論のこと魔法でも才を秀で

性格も顔も身体もまた人格も欠点が無い。

恨みを買うことはあってもその恨みを暴力で晴らそうものなら

彼の"同じことをされたらし返す"という信ずる理念のもと暴力で制裁され、

陰口で言おうものなら本人と直談判することもあった。

彼に敵なし、だからこそ彼は何においても秀でていたのだ。

だが彼には誰にも気づかれない欠点があった。

それこそ秀でる利点の大きな劣した欠点、彼には友達と呼べる者がいなかった。

エクリクシィは何でもできる、話も饒舌だし起点も効きコミュニケーションもとれる。

だが取れすぎるのも空気が読めすぎるのも詰まるところ彼は出来すぎていたのだ。

何をしても満点、でも素直に喜べないのは出来すぎているから。

普通は何か段階を踏むのだろうが僕はそれをしなくても容易だ。

理由はどうあれ僕には友達がいない、

群がる者たちは顔色を窺い将来自分が出世できるよう望む

欲望に塗られた人形たち。僕は独りで生きている。

そんな彼はとある調べ物で図書館へと足を運んでいた。

いつぶりだろうか、家に書庫はあってもあるのは専門書だけ。

正直そんなことは見飽きたからこそここに来ているのだが。


(えーと…確かここに……あれ?無い?どこだっけ…)


彼が本を探していると誰かの声が聞こえた。


――そこは治癒魔法師用の蔵書、持ち出し禁止。

そこに無い本はこの私が持ってる本しかない。


後ろを振り向変えると自分の胸くらいの背の女の子が

眼鏡をかけ桃色の長髪がくせ毛たっぷりで

もふもふと上下に揺れていた。

少し動いただけで揺れるくらいの髪量に軽く圧倒されながらも

エクリクシィは彼女が渡す蔵書を手に取る。


(あ…ありがとう。)


――…ん。


そう小さく頷いた女の子はとことこと後ろを振り向き去っていく。

エクリクシィは慌ててその子の足を止めた。


(ちょっと待って!)


――…?何か用?


(えと…どうしてここにあるって?)


後ろの本棚を指で指しながら動揺する心を止めると

女の子はいつも見てるから、とだけ呟き

またそのまま去ろうとするので呼び戻し名前を訊くと


――…どうして?」


(ええ?いやさすがに礼も言いたいから、

 それにここの本棚のことについて知ってるなら

 もしよければ交友関係をと…駄目か?)


――ダメ。


きっぱりと女の子は断る。

予想していなかったのかエクリクシィはまじで?

という顔の焦った疑問符を浮かべながら

何度も友達になりたいというアピールを女の子に交わすも断られてしまう。


――名前なら私がどっか行ったときに誰かに聞けばいい。

私は地味だからみんなみたいに人が沢山いるところはあまり好きじゃない。

君が関わったら私にもいずれは君にも迷惑がかかる。

変なことかもしれないけど生物は

みんな上下関係が無いと統率なんて取れない。

私が底辺で君が頂点なら関わらないのは明白。


(あー…)


エクリクシィは素直に喜びながらも驚く。

こんなにも正論を自分にぶつけてくる人が

今までいなかったためである。

みんなが自分に関わらない理由は

薄々気づいてはいたが簡単に言ってしまう人が

ここにいるとは…そうエクリクシィは声を出して笑い始めた。

素直にうれしくて素直に驚いて素直に楽しくて。

女の子はいきなり笑い出した自分を本気で謎という目で見ている。


(いや、言ってることがあまりにも正しいからさ、

 納得しちゃって。二回もお礼を言うとは思わなかったよ。

 ありがとう、君が初めて僕に指摘してくれた子だよ。

 えと…名前は……。ううんいいや、これ以上は君が迷惑か)


――いきなり笑い出されて変なこというやつは初めて。

フォティア…フォティア=マグナム。こちらこそ説明ありがとう


(エクリクシィ・ホープだ、ありがとうフォティアさん)


エクはニコッと笑い目でピースをした。

その後交友関係を持った二人は主に図書館で会うようになった。

お互いの関係のために、と。






「――どうしてお互いの関係のため、と言ったんでしょうかね?

 アリスィアさんは分かります?」


「……え?」


会話中、いやエクの話の最中そんなことを言われてしまい

素で疑問符を持ちながら答えると明らかに明音さんはもうっ!と頬を膨らませていた。


「どうしてお互いのためと言ったかどうかですよ!

 まあ私はこれじゃないかっていう考えは持ってるんですけど

 それじゃあアリスィアさんの考えにはならないでしょう?

 別に個人個人同じ考えで統一しろなんて言わないですし思わないですし。」


「…そうだなぁ……僕はエクが少なからずフォティアに憧れてたんじゃないか?」


「根拠を…聞いても?」


「今の話と彼のことを照らし合わせたらそんな考えが浮かんだから。

 これじゃだめ?」


「……もっと具体的に。」


自分はそう言われ具体的な意見を述べた。

述べながら自分の考えを改めていくのだが。

自分が考えるにエクはどこかの誰かさんのように

他人の顔を窺いながら生活をしてきたのだろう。

そんな生活に多少嫌気がさしながらもエクはフォティアと話し始めた。

しかしフォティアはいつも他人の顔色と意見を窺うエクに対してそれを見抜いた。

エクに媚びるように群がるような人種ではないとフォティア自身がエクに反論して

だからこそお互いの関係のために付き合うのはよそうと指摘したのだということを。


「―だからこそエクは初めて自分の生き方を

 否定してくれたフォティアのことを笑ったんだろう。

 彼は言われたことも同じように反論するような奴だけど

 もうとっくにそれを彼女自身が証明してる。

 だからこそ反論もできない。

 エクはそんな自分にはないことを成し遂げていた

 彼女に憧れを持ったんじゃないか?」


言うと明音さんは少し納得するようにぽんっと手をつく。

しかし人差し指を左右に動かしながら呟く。


「それなら憧れじゃなくて羨望…羨ましいという感情じゃないんですか?

 エクさんはフォティアのことが羨ましい、そう考えたからこそフォティアと

 図書館の中だけで付き合うようになったのでは??」


「憧れと羨望って同じ言葉じゃ…」


違います!そう明音さんは立ち上がるように椅子から上がるも

車内はそんなに広くない。ごつんっという音ともに落下するように

隣の椅子に倒れ込む明音さん。

今自分と明音さんは向かい合うように座っている。

そして席は仕切りが無い4つの席で2人の横の席は空いている。

音に気付いた執事の人が声を掛けてくるも丁重に明音さんが何でもないと断り

それからふぅと息を整いそしてまた馬車は出発する。


「良いですか?同じ意味に聞こえても微妙にずれている言葉だとしたら

 それは同じ言葉とは言わないんです。

 羨ましいという言葉は他の人が自分よりも恵まれているように

 見えて自分もそうなりたいという気持ちを表して、

 憧れは理想としたくて思い焦がれるということを表しているんです。

 まああとは気が気でなくなるとか、そんな感じでも言いますかね。

 私が言いたいのは一貫して一つ。

 エクさんはフォティアに羨ましいという感情を抱いていたんだと思うんです。

 別に理想を掲げなくても彼は簡単に物事を片付けることができると聞きましたし、

 それなら憧れを持たなくても良いのでは?と思いますしね。」


「…難しい内容だことで。」


「語源の問題ですしこれは覚えておいても損はないですよ?

 まあ羨ましいの延長線上に憧れがあると思った方がいいです。

 ちなみに私はあなたに憧れを持っているんですよ?アリスィアさん?」


えっ?という回答にニヤニヤと笑う明音さんは鈍いですねぇ

と声を漏らしながらエクとフォティアとの話を再開した。





主に図書館で会うようになったのにはほかに理由があった。

エクの今までの生活にプラスされたようなものだったが

勉学を図書館で行うようになったのだ。

フォティアもそれに付き合いいつしかフォティアも学内順位が上がり

知らないものがいないようになっていく。

だが知らないものがいないのだが姿を見る者は少なかった。

エクとはその後チームを組むがそれでも表には出ない。

エクはそれがフォティアがそうしたいのだと初めは考えた。

だが彼女自身では最もな理由の生まれつき身体が弱いということに

エクは自分が守れば何とかなる、だからチームとして一緒に生活していこうと

少し強引にフォティアを自分の後ろ背から前に引き出した。

成果を先に言えばある一つのことを除けば上々だった。

フォティアは生まれつき何かの疾患にかかることがあったが

代わりに魔法を撃つことのできる魔力を他者より数倍溜めこむという実力を持っていた。

それにより"爆炎の魔法使い"なんても呼ばれることがあった。

だが身体のことはエクよりも彼女自身がよく知っていた。

だからこそエクには不意に彼女自身には当然のように結果が応じる。

そのころはルーナやクロヌも在籍しておりメンバーとフィールドワークという

外部演習を行ったところそれが起こった。

外部演習の場は常界の山奥で生物があまり目撃されず

代わりに魔物が多く住み着いているという場所だった。


(※ここでの魔物は魔界の生物となります。

 天界は異端者は適正な処罰を行いますが魔界は放任主義であるため

 住処を失くした魔物が常界へ降り立ち現在に至る…となっています。

 ちなみに魔界のこの問題は以後天界と同様なものとなるので

 今後被害はそんなに出ていないと思います。……多分)


外部演習を行うなかフォティアは魔物との戦いに消耗し、

身体を労わるためにも戦線離脱をすることになった。

戦線離脱を行おうとした最中フォティアが突如として意識を失ったのだ。

後々に分かった理由は戦いにおいて魔力及び体力が消耗したことによる自己防衛、

身体に負担がこれ以上かからないようセーフティーがかかったということ。

意識を失ったフォティアに見栄と自信とを張り持っていたエクだったが






「エクは自分がどういう階級(いち)に立っているかをまるで理解していなかった。

 意識を失ったフォティアを抱えた将来魔法師団の跡を

 継ぐとされたエクの前に現れたのは

 それを欲するとする天界の一部の天使たち。

 かなりの乱戦になったようだけど戦いが終わってからエクはようやく気付いたようよ。

 ――――フォティアはどこだ?ってね」


はやく離脱してしまえば良いものをエクは謎の自信といらない見栄で

自分を襲ってきた輩を自分の力で追い払った。

だけれどフォティアの疾患は悪化してしまった。

理由は離脱しなかったから。


「仁亜が初めてフォティアのところへ赴いたのは丁度その頃です。

 私は仁亜から事情と経緯を聞いて唖然としましたよ。

 まあ悪いのはどちらでもありどちらでもない、そう感じはしますが

 フォティアは"こんな姿は見られたくないから何でもいいから歩けるようになりたい"

 って言いだしたんです。

 うちの家は先ほども言った通り医術、回復等に特化した魔法を使います。

 一応歩けるように術は施したそうなんですが…」


「今回の一件でまた歩けなくなった…と?」


「ええ、術自体は完璧なんですけど次同じ目にあったら

 もう治せないというものだったんです。

 ちなみにどうしてフォティアがこれ以上エクを巻き込みたくないと言って

 医療機関に自分の足の治療を任せなかったのか分かりましたか?」


エクをこれ以上巻き込みたくない、医療機関に自分の足の治療を任せられない

その理由はもしかして…


「エクにこのことを話していない、そして同時に医療機関に

 自分の足のことを伝えればエクに伝わるからと危惧したから?」


「うーん、惜しいですね。20点です。」


「何点満点?」


「勿論100点です、ちなみに理由の答えと補足説明をすると

 エクはフォティアの足に損傷があるということは知っているし

 そして医療機関に尋ねたのも彼自身だったんですよ?

 でもどこもエクの力にフォティア自身の力に頼れなかった。

 そこでルーナの紹介で上がったのが私たち北条家だったんです。

 そして治せるという一つの事実だけをエクに伝えフォティアにはそのリスクを

 説明しました。」


説明を聞きながら驚きそうして話の真実が明らかになっていく。

つまりエクはフォティアのために尽力を尽くし辿り着いたのが北条家だった。

北条家なら救えるとエクに教え安堵させたところをフォティアに追加でそれを教えた。

次同じことをすればもう治せないというリスク。

それがどんなものであれ同じであれば治せなくなるというもの。


「じゃあ理由はエクに話せばまた自分のために尽力を尽くすだろうし

 北条家にしか治せなかったからもう医療機関に話しても意味が無い。

 ということか」


「ええ、大体そんな感じです。

 ちなみにエクはあのとき一人にしてと

 言わんばかりに私たち二人を除けましたよね?

 あれはフォティアがこのことで悩んでるからだそうなんです。

 いつもエクの後ろに立っていた彼女が

 これ以上エクを自分のことで頭を悩ませてほしくないそうなんです。

 だからこそこの事実を真実を言うか言わないか迷っている…ということなんです。

 でもまあずっと入院してエクには"きっと足は治る"と言っても限度があるので

 日数に限りが存在していることは確かですよね。」


「……どうしてそこまで他人のためにひた隠しに…?」


「……え、知らない…というより気付きませんか?」


?マークを浮かべる自分に明音さんはただただ薄笑いで答えた。

ラノベの主人公か、と。自分は意味も分からずただただ笑顔で頷いた。

閑話休題「主人公の体質(?)」(アリスィア:ア/明音:明)


明「本当に分かりませんか?」


ア「…そう…だけど?なんか問題でも?というかどうしてそこまで他人のために―」


明「ああ…聞きたくありません。

どうしてそこまで鈍いんですか?あとエクリクシィ本人から聞いていないんですか?」


ア「何を?」


明「ふぅ……(深呼吸)じゃあ長くなりそうなんで簡潔に話しますね。

気になったら本人に聞いてください。

―――エクリクシィとフォティアの初キスは2人だけが知っているので。」


ア「………ええ?!」




次回もお楽しみに。


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