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明日も投稿します('ω')
キャラ説明に載っていた人物で未登場のキャラは後々出てくるのでお楽しみに。
目覚めたベッドは真新しくそして見慣れない風景だった。
どうしてかと考えた時、ここがまず自分の部屋ではないと気付いた。
じゃあここは…?そういえば自分はいったい何があってここに…?
……何も思い出せない…眠い……すごく疲れた……すご…く……
「―寝るのは勝手だがこちらとしては起きてもらいたいねェ…?
なぁ、アリスィア・ソルドさんよォ」
「―!!」
ガバッと起きるとその自分が寝るベッドの右横の椅子。
そこに顔も声も知らない声を掛けてきた者がいた。
白と灰色の髪が混ざり身体は中肉中背、スーツのような黒い衣装と
帽子を被ったどこかの組織と疑われてもおかしくない格好の男はニヤリと
アリスィアを見ていた。
椅子には右足を胡坐をかくようにたたんだ状態で座っている。
「俺としちゃあさっさと帰りたくてねェ
…なんせ主人に急かされてるもんで。」
「だっ…誰だ…?」
「って言ってもお前は自分がどうしてここにいて、どうしてこうなっているのか。
理解はしてないだろ?そりゃあ殺す予定なんて本当は無かったしなァ…」
目の前の男はへらへらと笑い光の無い瞳で自分を見ている。
どうしてここに?こうなって?
確かに理解していないが最後にこの人は何て言った?
殺す予定なんて無かった…?どういうことだ??
「とりあえず説明からしよう。
自己紹介とかはその後だ。
―ん?俺が人の話を聞かない坊やだと思ったかい?
生憎のところ俺は他人の話よりも自分の話を優先したい性質なんでね。
じゃあ説明と行こう。」
そうして自分に何が起こったのかを彼は話し始めた。
それは昨日の出来事、天界審問会が開かれ
アリス・シャルロッテ・ホープが被告として
立ったのち魔法師団長ティフォナス・ホープが判決を言い渡した時だった。
アリスの従者として堕天使コールド・ペインが駆け付け今まで受けた痛みをもう一度
肉体感覚的にフラッシュバックさせるという【痛み(ペイン)】という力を発動させた。
発動範囲は天界審問会全域、数々の者が倒れるなか
自分ことアリスィアは一度深手を負ったことのある
フォティア・マグナムならびにエクリクシィ・ホープのメンバーを守護結界で護った。
だがアリスィアはその結界の範囲外で一心にその力の影響を受けた。
「あの力は強大だ。
だが問題はそこじゃない。
あの力の真の怖いところは
"一度死んだことのある者は限定的に殺すことができる"というものだ。
一度死んでるってことは肉体的にもう一度死なせることができるってことよ。
で、お前はどういう訳か…死んだ。」
審問会のことを記憶の糸を頼りに思い出し
何とか自分がどこにいるのかを理解する。
おそらくここは病室だ。それも個室で自分の部屋。
しかし…今この男は何て言った?
「死んだ…?死んだということは自分は今幽霊にでもなっているのか?」
「違う違う。まずはその死んだことについて説明しなきゃいけないんだが…
取り敢えず自己紹介でもしておこう。
その方がお前的にも事の重大さが痛感できるだろ。
さて。俺の主の名前だが…
お前も何でこの話を具体的に分かるんだよってなるだろ?
なら自ずと俺の主の名前が分かってくるよな?」
自分は今までの会話についての疑問が浮上していたがそれをたやすく見抜くように
目の前の男はそれを呟いた。天界関係者なら一人で訪れるなんてことはしない。
つまりこの男は天界関係者じゃない。とすれば…まさか。
…いやその可能性は無きにしも非ず。確かにこんだけ知っていれば納得はつくだろう。
エクの仲間でもないのにエクの仲間の詳細まで言ってくれるなんてとてもじゃないが
そんな物知りは"アリス・シャルロッテ・ホープ"以外いないだろう。
「アリス…か?」
「お見事、正解。
俺はペインと同じアリスの従者、キーム・バレットっていうもんだ。
キームと呼んでくれ。どっちにしろ本当の名前じゃないからよ。」
キームはそう言うと椅子を半回転させ座ると
どこからともなく出した銃口を自分につきつけた…が
自分もキームもまったく動じなかった。
もしもキームが自分を殺すのであれば喚く前の眠っていた自分を殺るほうが早い。
ならキームは殺すということ以外で自分に用があるのだろう。
「動じないってことは感づいてるのか。
いいねェ…頭の回転が速いやつは好きだぜ。
この銃は俺の力【罪の銃】。
666の弾丸しか装填できない俺しか扱えない銃だ。
トリガーには条件があってな、
撃つ相手が罪の意識を感じていないと撃つことができないんだ。
だが感じていれば撃つことができる。
この銃が発する弾はすべての魔法を無効にするから事実上
アリスの従者の中で最も暗殺ができやすいかもな。
ってそんなことは良い。
それは置いとき俺がアリスから依頼されたのはお前、アリスィアの警護だ。」
「自分の…?……でもどうしてそんな
…名前に自分の名前が少し入ってるからって…」
「ちげぇよ。
まあ俺も何でお前を守るようアリスに言われたかは謎だ。
だが言われたことはきっちりやる性質なんでね。
あとはまあ…お前の持つ力について説明してくれって頼まれたかな。」
「自分が持つ力?」
そこでやっと自分が死んだという謎な現象についてひもが解かれていく。
アリスィアはキームの説明にただただ耳を貸すことしかできなかった。
「そう。アリスによれば…確か【創生】って力をお前は秘めているらしい。
何でも何もなかったところに無限を作り出すことのできる力で…お前が死んだとき
どうして生き返ったについてだがそれは無意識的に【創生】の力が働いたんだとよ。
まあ持っているお前自身がその力を使えないとなるとまあ…宝の持ち腐れか。」
キームはそう締めると病室のアリスィアが寝る
ベッドのすぐ後ろの窓のカーテンを開く。
今まで拝めなかった光ある景色が病室に入り
太陽の熱が掛け布団を温めていくのを感じた。
「なあアリスィア、お前には親がいるか?」
「え―」
「いるだろ。自分を産んでくれた母親が。
まさかいきなりそこに産まれたとかじゃないだろ?
まあ俺もろくでなしの母親と父親はいたがな。」
その質問にはただただ俯いた。
あまり気にもかけていなかったが自分にはそういえば記憶がない。
義父は魔法師団長ティフォナス・ホープであり、
義理の家族はホープ家となっている。
だが気にかけてみれば自分はどこで生まれどこで育ち、
いったいいつからここにいるのか。
まるで分からない。
そんな風に出生に関する記憶がぽっかりと抜け落ちている。
「悩む…か。
っていうことはお前、自分の存在がアリスと
ティフォナスがいがみ合っていることについて
関与しているということには気づいていないわけだ。
そりゃヒントも少ねぇし記憶も失っているようじゃ分かるはずもないか。」
「え…今何て…」
「あ、失言。
じゃあ俺はもう用があるから帰らせてもらうぜ。
ああ…!あと本当に危ない時にだけ俺の名前を叫んで呼んでくれ。
そん時は助けてやるからよ。」
「待ってくれ!あんたは何を知って…」
「俺が今アリスから命令されているのは
お前の警護と一部の真実を言うことだけだ。
これ以上は自分が見つけてくれ。
まぁ…そう遠くないうちに真実は暴かれるだろうさ。」
キームはそうニヤリと呟き笑うと指をパチンっと鳴らす。
直後煙が焚かれそこから煙とともにキームは姿を眩ますのであった。
・
病室に二番手として駆け付けたのはエクリクシィだった。
クロヌさんと共に自分のお見舞いとして、だった。
お見舞いの品と自分の衣類を手渡したエクは話し始めた。
「しかしビビったよ。
アリスィア…自分に何があったか知ってるか?」
「…いいや?」
ここはいいや、知らない。と答えておく方が良い。
自分が目覚めて一番に会いに行っていると思っているのはエクだからだ。
実際にはあのキームという謎の男が一番手なのだが。
「ええとな…端的に言うと死んだんだよ。」
「端的すぎるでしょ。はぁ…まったく。
一応補足して説明するとね、心肺停止に陥ったの。
もう手遅れ…医者が死を宣告しようとしたときいきなり心臓が動いてね。
そのまま意識も呼吸も取り戻したと聞いているわ。
それはそうと、アリスィア・ソルド。
今回は本当にありがとう。」
とエクのフォローに入ったクロヌさんはいきなりそうお礼を言うと
自分に対し深く上半身を垂れた。
礼儀正しく綺麗だと思ったがすぐにそれを止めさせる。
年齢的に近いとは言えど彼女は自分よりも遥か上の役職についている。
それに…
「そんな…礼を言われるようなことは…何も……」
「いや、アリスィア。
君が守護結界を出してくれなかったら
僕たちのメンバーは壊滅していた可能性が高い。」
そうエクはあの男が座ったもの同じ椅子に座るとそう呟く。
クロヌさんもドア付近にあった椅子を持ちエクの右横後ろに置く。
メンバーの壊滅。それは肉体的な痛みよりは精神的苦痛だろう。
自分はエクリクシィのメンバー…部隊に何が起こったのかは知っている。
それぞれのチームメンバーが心に傷を抱えそれをエク自らが癒してきた…が。
もしあのときコールド・ペインの放つ【痛み(ペイン)】をまともに食らっていれば
肉体的痛みから来る精神的苦痛で暴走していた可能性が高い。
余談だが自分はそれを念頭に入れておいたからこそ
守れた可能性が高くなったと感じている。
「まあ…それは何よりです。
そういえばルーナとフォティアは?」
「ルーナとフォティアは治療中です。
特にフォティアには…直で会ってください。
というかそれが彼女の伝言なので。」
クロヌさんはいつもより静かにそう締めくくると
その次にスムーズにエクが話し始めた。
今後…というか自分の状態に関するものらしい。
健康等の話ではないとのことなので正直そこはホッとした。
「アリスィア、君には僕たちを自分の命まで賭して守ってくれた恩義がある。
僕はそれを父さんに相談した。それで2週間君に休暇を与えることが決定した。
2週間の休暇中は君の役職は停止処分となる。
まあしばらくは簡易審問会とかじゃないとあの会場も滅茶苦茶になったからね。
直すのに2週間かかるから丁度良いだろってさ。」
「2週間後はちゃんと処刑人として…天界審問会の役職に戻るということですか?」
「ああ。そこのとこは大丈夫。
ちゃんと戻るさ。…あ、あとこれを君に。」
とエクは自分にそれを手渡す。
そこには自分が今まで働いてきた処刑人としての、
魔法師団直轄天界審問会の役職で
自分自身がこれまで働いてきた分の給料の全額が書かれたいわば通帳だった。
多分引き出すための認証カードだろう。
魔法師団の刻印などがある。
「…これは…?」
「君の財産だ。父さんがいつまでも取りに来ないから渡してくれってさ。
まったくアリスィアも無欲だなぁ…
これがあれば君に前食べさせた団子何ていくらでも買えるぞ?」
「はあ?団子?」
自分、エクに引き続き引きつった笑顔でクロヌさんはエクの頭を掴む。
余程の怪力なんだろう。指がめり込んでく様を見ると相当怒っている。
それもそのはず自分に団子を食べさせて貰った日こそ襲撃を受けた日だ。
クロヌさんはそのことを怒っているのだろう。
……まあ団子を食べて美味しいと思ったものの
これに関しては自分は関与する気はない。
「クロヌさん、頭蓋骨を割るなら色々飛び散りますからここではご遠慮ください。
そうですね…医務室でやってはいかがですか?
死にそうになったときは対処が可能ですよ。」
(まあその対処は自分がやるものではないけど。)
「そうね。じゃあそうしましょう。
失礼したわね、フォティアによろしく伝えてね。」
とクロヌさんは声にならない悲鳴を上げるエクの頭を掴みながら
そのまま引きずりながら病室を去っていった。
明日の投稿は0時を予定しております。
先週中に出したかったので平日ですが出そうかと思います。




