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転生して聖女になったら私を殺した犯人と二重人格になっていた!?  作者: 見夢 梦
第2章

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第28話 魔橋の山⑪

「おいおいおいおい、一体どうなってんだこれ……」

 突然の落雷に慌てて尖塔の中へ避難した麻友が見たのは火の海になる広場とその炎が教会に燃え移っている風景であった。

(大体、落雷なら普通は高いところ、それこそあたしがいたフィニアルに落ちるのが普通だろ……。つまり――)

(うっ……うぅん……)

(アフラ!?)

 ここに来てやっとアフラの意識が起きた。

(遅ぇぞ。もう、全員片付けちまったが……。いや、それどころじゃねぇ)

(麻友さん……一体何が……)

(話はいい、先ずは目の前の状況を見ろ)

(こ、これは!)

 意識が覚めた途端に火の海が広がることに流石に驚きを隠せない。

(麻友さん、まさか……!そんなことしたら町民だって!)

(違げぇって!)

 麻友はアフラが意識を失っている間のことを説明するがそれでも釈然とはしない様子であった。

(でも……信徒さんたちは何も悪くないんですよ。いくら害があったからって言ったって全員は……)

(仕方ねぇだろ)

 アフラに悪態をつきつつも今の状況は決して良くはない。

 死体から流れる血によって尖塔に火の手が回ることは今のところは無いが、それ以外は容易に燃えるため尖塔から出ることは出来ない。

 それどころか煙は上へ登るので火の手が階段下に来れば煙や熱が上がってくる。一酸化炭素中毒は加護のお陰で防げるとも、直接的な熱は命に関わる。

(でも、まあ、アフラがいりゃ大丈夫だろ)

(いくら私でも転がり落ちるならまだしも、単なる落下じゃ防ぎきれませんよ。それに多少寝てたとは言え、栄養も体力も死にかけなのには変わりないですからね)

(はいはい……。てか、防ぎきれない程度で済むんかよ……)

 アフラに引きつつも、それしか方法がないので窓枠から身を乗り出し地面を確認する。

 その時、先程の演説のときにはいなかった人影が民家の屋根の上に確かに見えた。

「だ、誰だ!」

 そう叫んだ瞬間、その人物の姿が目の前にやって来た。

(麻友さん!)

 ドガァ!

 刹那、尖塔全体に衝撃が走ると尖塔上部が砕け散った。

「ガ……ハッ!」

 咄嗟にアフラへ入れ替わり防御魔法を張る。教会の屋根へ転がり込み擦り傷程度で済んだが、衰弱した身体への急な切り替えは想像以上に堪えた。

「その程度でくたばるんですか」

 先ほど屋根の上にいた人物が、当然のように目の前に立ち語りかけてくる。

 その姿は異様であった。服装こそメイド服と目立ちはするものの正常な範囲内であったが、首から上の被り物が常軌を逸していた。

 山羊の頭骨。目の前のメイドはステレオタイプのサタニストに様にそれを頭から被っていた。

「はぁ……はぁ……誰ですか……あなたは……?」

「おや?ついこの前、お会いしたばかりなのにもうお忘れですか?」

 アフラの頭に疑問符が浮かぶ。当然、麻友も悪魔崇拝者の知り合いには心当たりがない。

「ああ、この姿では分かりづらいですね。これなら……いかがかな?」

 メイドはそう言うと、山羊の下の顔を顕にした。

「ミカエル……さん?」

 顔こそ1週間前に話したばかりのミカエル・フェルネルであったが、何故メイド服なのか、何故背格好が違うのか、余計に誰だかわからなくなった。

「ミカエル・フェルネル、その様な人物はいません」

 そう言うとソレの顔は老爺から若い女性へと変わっていき、こう名乗った。

「ペトロニラ・フェルネル、母なるお館様に仕える子供たちの1人です」

ここまで読んでいただきありがとうございます☆彡




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