87・サムライの戦い方
僕は日本刀が好きなんや♪ だからシャロンにも使わせてるんやで♪
魔法の発動訓練から数日。その数日間A組一行は、剣術を訓練を行っていた。最初は素振りによる剣の重量に慣れる訓練であり、その次は刃を潰した剣での戦闘訓練へとなった。
そして今日が、その戦闘訓練の日であった。
「じゃあ二人一組で組んで、戦闘訓練を行ってくれ!」
ユリアンの部下の兵士が、A組一行にそう言った。ユリアンは今日は任務の為に不在の為、指導は部下が代理で行う事になった。
「さて…と…」
剣を携えた零華が、クラスの皆を見回した。そして修兵に目が着いた。
「修兵、一緒にやらない?」
零華は訓練相手に修兵を誘うが…。
「いやいや零華。お前強すぎだから、無理だって!」
と、顔の前で手を振りながら、修兵に断られてしまった。その後も孝明、一、太一と仲の良い男子に声をかけるが、皆同じ理由で断られてしまった。
「全滅だよ…仕方が無いから、一番体の大きい大作にでも頼むか…」
「なら、私とするか?」
大作を探そうとした零華に、声をかけてくる者が居た。それは…
「シエラ?」
それはシエラであった。
「私はお主と戦っても構わぬがのぉ?」
何時も通り古風な口調で、零華を誘ってくるシエラ。
「…でもシエラ良いの? 女子と組み合わせにならなくても?」
一応シエラの気持ちを確認しておく零華。もしかしたら他に誰か相方が居たのに、自分に気を利かせているのではないかと零華は思った。
「心配するな。私もお主と同じ、戦ってくれる相手が居らぬのでな…それに、これの扱いも確認してみたいのでな」
そう言って見せたのは、嘗て日本に居た戦士・サムライの武器である刀であった。
「ユリアン殿に確認したら、この世界にも同じ様な国が有って、その国の武器らしい…小桜殿の国がそうである様だ」
シエラに説明されて、零華は暮羽がそう言っていたのを思い出した。
「それで零華? 私とやるか?」
零華に確認してくるシエラ。
「…分かった。やろう」
零華がそう言うと、シエラは満足気な笑みを浮かべた。
※ ※
訓練場の一角にて、零華とシエラは向かい合った。零華は鞘から剣を抜いて左手で構え、シエラも鞘から刀を抜いて構えた。
「隊長二人と大立ち回りをしたお主の実力…見させてもらうぞ!」
力強い声でシエラは言った。零華はそれに対して無言で頷いた。
そして何の合図も無しに、戦闘は始まった。
先に攻撃を始めたのはシエラ。その太刀筋はサムライを思わせる斬撃を感じさせた。
「っふ!!!」
零華はその斬撃を剣で防いで、後ろへと下がった。
「…ふむ? お主隊長と戦った時の様な雰囲気とは、何か違うな…?」
シエラは今の打ち合いで、零華がユリアンや暮羽と戦った時と、何か違う気がしたのであった。
「雰囲気って…僕は今もあの時も、同じ様に戦っているんだけど?」
零華にはシエラの雰囲気の違いが、全く分からなかった。
「…まあ良い。なら引き出してみるまでだ…サムライの戦い方でなぁ!!!」
そう叫んだと同時に、シエラは素早い動きで零華に接近して、素早く刀を振り始めた。
キィン! キィン! キィン! キィン!
しかし零華は、その斬撃を全てガードをする事に成功させた。
「!?」
シエラは後ろに跳び退く様に移動した。
「零華お主…サムライの剣術まで会得しているのか?」
シエラは驚愕の表情を浮かべた。零華が使っている剣は西洋剣で類であるが、今の剣捌きはまるで刀を使っている様な剣捌きであった。
「…僕の母さんは、サムライ映画が好きでね…自分でも会得して僕に教えてくれたんだ…剣術を嗜んでいるシエラに、何処まで通用するか分からないけど、お相手させてもらうね…」
そう剣を構えながらシエラを見て言った零華。その表情はユリアンや暮羽と戦った時と、同じ様な笑みを浮かべていた。
「…フッ。それは楽しみじゃの…?」
シエラも妖艶な笑みを浮かべて答えた。それはまるで好敵手という名の獲物を見つけた様であった。
絶世美少女風男の娘剣士零華VS令和のサムライ・シエラ!
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