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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第3章・エグ・マリン王国での生活
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85・水(アクア)の奇跡(ミラコロ)

 ちょっと短いですが、前話のラスト部分の零華視点という事で、了承して下さいなぁ。

 時間は十分前に遡る。魔法書を受け取った零華は、それに書かれている文章を読んでみた。

「…この本を書いた人…随分教えるのが上手いね…」

 零華は本に書かれている内容が、読み手に分かりやすく理解出来る様に書かれている事に感心した。

「母さんと同じくらい上手い…いや…何となく似ている気がするけど…今はそれより、魔法の会得をしないとね」

 ふと、何処となく本の教え方が、亡き母と似ている気がした零華だが、その事は後回しにし、本の内容を深く確認する。

「最初のは…此れかな?」

 零華が目を通したのは、球体状の水の絵とその絵の説明文だった。

「なになに…『この魔法は、水を球体状にイメージし集中する事により作成可能である。魔法の名前は無し。各会得者の好きな名前を付けて良い』…名無しの魔法? それとも表現の自由を与えようとしたのかな?」

 左目を細めながら文章を見て考える零華。

「兎に角やってみようか…水を球体状にイメージするんだよね…」

 そう言いながら零華は、右手を上げた。零華は左利きだが、もし戦う際には左手に剣を持つ為、魔法は右手と考えて右手で発動を試みた。右側の視界は狭いが、見える位置で発動すれば良いと考えての事でもある。

「イメージイメージ…球って何をイメージすれば良いんだろ…」

 考えてすぐ出てくるのは、まずはボール、そしてリンゴや月といった丸い物である。

「球…球…水の球…! 水ヨーヨー…?」

 零華は縁日で売られている、水ヨーヨーが頭に浮かんだ。

「あれこそ正に水の球だよね…あれをイメージして…」

 零華は水ヨーヨーをイメージし、右手に集中してみた。すると…

「!?」

 右手に妙な力が集まる様な感覚に襲われ、次の瞬間には手の平から現れた水が、手に平を中心に集まる様に固まり、やがてそれは水の球体へと姿を整えた。

「発動出来た…!?」

 まさかこんなにも早く発動出来ると思わなかった零華は、茫然と呟いた。

「…水(アクア)の奇跡(ミラコロ)」

 零華は水の球体を見て、ふとそう呟いた。まさに奇跡(ミラコロ)の様な結果…この魔法にその名を与える事に決めたのであった。

「ええっ!!!」

「!?」

 突然訓練場に響き渡った声に零華は驚き、『水の奇跡』は形を崩れてしまい、零華の右手はびしょ濡れになってしまった。

 何事かと思い零華は辺りを見回すと、理奈が自分の方を見て驚いた表情を浮かべていた。


 水(アクア)の奇跡(ミラコロ)は、イタリア語で表現しておるんですわぁ。

 他の作品も書かんとな…皆さん、楽しみにしてますやろな…。

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