82・ノッテ・コンチェルト
タイトルの意味は、イタリア語で直訳すると、『夜の演奏会』や♪
今回は台詞が極端に少ないですわぁ。
今回の話はこの後の話の重要な伏線になる為、どうしても必要だった為に、書かせてもらいましたんや。
その夜、入浴を終えた零華達は何時もと同じ宿泊部屋に居た。ユリアンの話では今現在、桜花学園2―A専用の部屋を用意をしているらしい。それまではこの部屋ですごすことになっている。
それから先日に零華がユリアンにバイトの事を求めたが、総隊長との協議の末に訓練の休みの日にだけ許可を貰えた。尚バイトの事は零華の頼みで、他の皆には秘密という事になった。その理由を零華に尋ねたが、今はまだ言えないと答え、ユリアンは納得しきれていない様だったが、零華を信じて待つ事にした。
その夜に話題になった事は、やはり昼間の暮羽との戦いであった。
隊長である暮羽と互角以上に戦い勝利した事も凄かったが、一番話題になったのは、零華の変声術であった。尤も零華は戦闘そのものを評価して欲しかったと、苦言を露わにしたが…。
そして就寝時間を迎えたので、皆ベッドに潜り込んで眠りに就いた…唯一人を除いて…。
※ ※
部屋の中に十四人の寝息が響く中、ベッドから起き上がる者の影があった。それは零華であった。
零華はベッドから降りると、皆を起こさない様に静かに桜花学園の制服に着替えて、自分のカバンを持って部屋から出た。
そして見回りの兵士に気付かれない様に、気配を消して宿舎から出ると、四番隊の敷地の近くにある森へと入った。
この森は暮羽との戦いの後、四番隊の訓練場に戻る途中にある事を見つけたのであった。どうやらこの街はベネチアに似ているが、ベネチアよりも各敷地が大きい様だ。
ユリアンの話では、この森は四番隊と五番隊を隔てる様に存在しており、特に危険な生物は生息していないとの事だった。それを聞いた零華は、ある目的の為に、深夜のこの森へとやって来たのであった。
森の奥に入った零華は、草の上にある手ごろな岩を見つけて、其処にカバンを置いた。そしてその中から取り出したのは…黒猫のぬいぐるみであった。
「あっ、間違えた! こっちじゃない!」
慌ててぬいぐるみを戻す零華。ぬいぐるみを持っている事を、他の皆に知られたくないと思う行動であったが、今は誰も居ない為、無意味な焦りであった。
「これだこれ…」
今度こそ取り出したのは、音楽プレーヤーとワイヤレスのヘッドフォン。零華はヘッドフォンを装着すると、音楽プレーヤーを操作した。
するとヘッドフォンから音楽が流れて、零華はその音楽に合わせて歌い始めた。
零華の目的…それは人の目の無い所で、歌を練習する事であった。
日本に居た時、動画サイトにて『ルクレツィア』の名で、女装して歌っていた零華。異世界に来たとはいえ、その練習を怠る事はしたくなかった零華は、この森で練習する事を決めた。但し昼間にやれば歌を聞かれて、それを見られてしまう可能性があったからだ。
それ以前に零華は、歌を歌う事が好きだった。修兵達ともたまにカラオケに行ったりしており、その際にも積極的に歌っている。
『零華』として歌っている時と、『ルクレツィア』として歌っている時は、何か違うらしく、修兵達に見破られる事は無かった。
零華は歌に夢中になって歌い続けた。そして零華は気付いていなかった。もし夜の森で歌うその姿を見た者が居たとしたら、まず間違いなく零華に魅了されるであろう。零華の歌う姿はとても美しく、見る者聴く者を全てを魅了する妖艶な雰囲気を醸し出していたからだ。
零華が何の歌を歌っているかは、読者の方々のご想像におまかせします(早い話が読者の方々の、好きな歌を零華の声(皆さんのイメージ)で、歌わせて下さいなぁ)♪ 因みに作者も零華の声のイメージはあるんやで♪
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