79・怪盗の如く
今回はこっちを更新や! 暑くて進みが悪い! でも頑張るで♪
『転生したドララー』も、よろしく頼みまっせ♪
大きな木箱の様な障害物の陰に隠れた零華は、暮羽に対しての事を考えていた。
『あの人暗器使いだから、恐らく不意打ちや奇襲攻撃が得意だと思うけど、多分正面からの戦闘も行えるだろうね』
零華は理奈が空手をやっている事から、格闘術に優れている人間の動きをある程度分析出来た。先程の身のこなしから暮羽は格闘術も会得していると分析した。
零華は剣を見ながら、更に考える。
『ユリアン隊長と違い、暮羽隊長は近距離の接近戦型…懐に飛び込まれてナイフや暗器で攻撃されたら、僕も勝ち目は無いな…アレを使ってみるか…』
零華は生前の母から教わった、ある技術を考えた。それで成功するかは不明だが、やってみる価値はあった。
そして零華は何故か、今戦っている事が楽しく感じてしまうのであった。
※ ※
一方、暮羽は木箱の間を素早く移動していた。そして辺りを見回しながら立ち止まる。
「広橋! 出てこい!」
暮羽は零華の名を呼ぶが、返事は無い。
「…まあ良い…貴様が出てこなかろうが、私には無意味だ」
暮羽は不敵な笑みを浮かべながら呟いた。ユリアンに聞いたが、零華達は戦闘訓練を行わない平和な国で生まれ育ったという話の為、訓練経験も無い子供に負けるとは、暮羽は少しも考えていなかった。
零華を探す為、再び移動しようとした時だった。
「暮羽隊長! 北の方にあの子供の姿が!」
と、何者かの位置を教える声が響いた。その声は零華の声ではなかった。
「部下の声か…北の方だな!」
暮羽は声の指示のもと、自分が居る場所から北の方へと移動した。すると木箱の陰に、零華が着ていた服の袖と、支給された剣が見えた。それを確認した暮羽は、両袖から長針を取り出した。それには神経毒が塗られていた。それを零華に刺して動けなくさせ、この勝負を終わらせるつもりだった。
そして暮羽が素早く木箱の角を曲がり、零華に針を刺そうとしたが…
「!?」
其処にあったのは零華ではなく、零華が着ていたブレザーと剣だけであった。
「!」
反射的に後ろに振り返り、腕でガード態勢をとった暮羽。その瞬間、暮羽の腕に足が当たった。それは零華の足であった。
零華は暮羽にガードされると、素早く体勢を戻り、後ろに下がった。そして不敵な笑みを浮かべて…
「もう少しだったんですけどね…」
残念そうに呟いた零華。だがその声は本来の零華の声ではなく、先程聞こえた居場所を教える声であった。
「!? 貴様、それは…」
零華が違う声を発している事に、暮羽は驚いて尋ねる。
「変声術…母から教わった技の一つです」
と、今度は零華の本来の声で答える。
「まさかそんな技を会得しているとは…お前、何者だ…?」
暮羽にはもう、零華が只の子供には見えなかった。まるで何年もあらゆる技術を会得した兵士の様に思えた。
「僕は普通の中学生ですよ…」
零華は微笑を浮かべて答える。その笑みは普段なら見た者を、ドギマギさせる程の笑みであったが、暮羽には現状の空気の中、そんな事を気にする余裕は無かった。
「…そうか。だが貴様の折角の策も無駄になったな? 貴様は私を嘘の場所特定で油断させた後、不意打ちを打ち込むつもりだったみたいだが、私もかなりの訓練を積んでいてな。貴様は気配を消していた様だが、私には誤魔化せなかったな?」
暮羽から見て零華は完全に気配を消していたが、暮羽の訓練による危険察知により、零華の技は無意味になった。
「剣も私の傍ら…丸腰で私に勝てるか?」
零華の剣は暮羽の足元にある為、零華は取る事が不可能と判断し、挑発する様に告げた。
「……!」
ところが零華は少しも戸惑う様子も見せず、少し考えて何かを思いついた。そして見上げながら叫んだ。
「隊長の暮羽だ! 観覧席に居る私の部下! 今すぐ私の声がする場所に集合しろ!」
暮羽の声で、そう告げた。
剣士と暗器使いの戦いやから、戦闘描写が普通よりむずいわぁ…。
零華の変声術は、某怪盗の話を見ていて参考にしたんですわぁ♪
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