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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第3章・エグ・マリン王国での生活
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78・暗器祭り

 只今、『転生したドララー』と交互に更新中や♪

「暗器使い?」

「ああ…暮羽はエグ・マリン王国騎士団随一の暗器使いだ」

 観戦席から零華と暮羽の戦いを見ていた理奈がユリアンに対して尋ね、ユリアンも二人を見ながら答えた。

「何だよ、暗器って?」

 修兵が尋ねた。

「…簡単に言えば、暗殺用の仕込み武器だ」

 それに答えたのはシエラ。

「…いやちょっと待て!? じゃああの姉ちゃん、零華の事殺す気満々って事だろ!?」

 暮羽が零華に対して、暗殺用の武器を使っているという事は、それはつまり零華の事を亡き者にしようとしているのではないと、修兵は考えてしまう。

「訓練だから大丈夫の筈だ…多分」

「いや、最後の言葉で一気に不安になったわ!?」

 ユリアンの言葉に修兵は、当てにならないと考える。

「…零華…」

 理奈は心配すると同時に、零華なら大丈夫だと考える。

 観覧席でそう話しているとは知らない零華は、暮羽と対峙しながら尋ねる。

「その両腕の袖…ファッションかと思ったんですが、やっぱり違かったんですね?」

 零華は呉羽の両袖が当初から気になっており、注意をしていた。結果的にそれは正しかった。先程の飛刀は袖から飛び出ていた。

「ふむ…まさか初見で見破っていたとはな…今まで大半の者は只の飾りか意味のない衣服と判断していたが…広橋お前、なかなかの洞察力だな」

「…ありがとうございます」

 隊長である暮羽に褒められた事に、零華は素直に礼を述べる。

「だがそれと対処出来る事は…別問題だがな!!!」

 そう叫んだと共に、暮羽は零華に向かって走り出した。そして零華に近づくと同時に、左手の裾を振った。

 零華はまた飛刀が飛び出てくるのかと、左手を警戒しようとしたが、瞬時に右手の方を見た…右手には長針様な武器が握られていた。


 ヒュン!!!


 風を切る音と共に針が振られたが、零華はギリギリで回避した。針を避けられると、暮羽は素早い身のこなしで後ろに下がった。

「ほぉ…右目が見えないと言っていたから、右から攻めたが…やはり警戒していたか?」

と、笑みを浮かべながら零華に告げる暮羽。どうやら見切られるのは想定済みだった様だ。

「ユリアンさんとの戦いの事を聞いていましたね…その時僕が、右側に注意しているのを知ったんでしょう?」

 落ち着いた口調で返す零華だが、その喋り方は何処か楽しそうであった。

「貴様は右目が見えないと言っていた…だから右からの攻撃には細心の注意を払っていると予想していた上での攻撃だったが…それにしても、よく私の攻撃を二度も回避出来たな?」

 暮羽は零華が二度も回避に成功した事に、内心感心していた。いくらユリアンと互角に渡り合ったとはいえ、暗殺のプロフェッショナルである自分の攻撃を回避出来るとは、思ってもいなかったからだ。

「昔、母に鍛えられたんですよ。理由は不明でしたが、今となっては役に立っています」

 両親が生きていた頃、零華は母親である里乃亜に戦闘術を学んでいた。その結果今現在、暮羽の攻撃に回避を行う事が出来たのであった。

「…何者なんだ、貴様の母親は…? まあいい…今は戦いに専念しよう」

 そう言うと再度暮羽は、零華に向かってきた。しかし今度は両手を振る様子は見せない。

「…!」

 零華は何かに気付くと同時に、自分の足を蹴り上げる様に上げた。すると暮羽の足が回し蹴りを行う様に足を上げていた…靴の踵からは針が飛び出ていた。

「!!!…」

 まさか見切られて防がれるとは、暮羽は思ってもみなかった様で、驚いた表情を浮かべている。

「…やっぱり靴に仕込んでいましたね…飛び出しナイフか針だと考えていたんですが、流石にナイフは危険だから無いと考えて、針だと想定していました…恐らく毒針…ただ致死性は無い毒…神経毒ですか?」

「……」

 暮羽は何も答えなかったが、それは零華の指摘通りであった。暮羽の靴に仕込まれた針には、体を暫く麻痺させる毒が塗られていた。それは訓練用に使う物であり、実戦では致死性の毒か、零華の言うとおりナイフが飛び出る物である事もあった。

「はぁ!」

 零華は暮羽の足を振り払うと、後ろに下がった。

『…流石にこのまま戦うのは危険だね…こういうタイプは本来、ゲリラ戦が得意だけど正面から攻撃してきてるという事は、正面からの攻撃も可能な格闘術を会得しているか、若しくは僕が子供だから侮っているとか…?』

 出来れば後者でいて欲しいと考える零華。そして考えた末に零華が考えた策とは…。


 ダッ…


「!?」

 その場からの逃走であった。

「くっ!!!」

 暮羽直ぐに零華を追いかけた。暮羽は分かっていた。零華は自分と戦うのが嫌で逃げたのではない…戦術を考える為の戦略的撤退である事を…。

 暮羽は何とか追いつこうとしたが、零華は自分達が戦っている障害物を利用して、暮羽から自分を見失う事を成功させた。

 暮羽は本来此処は、自分達の得意のフィールドである筈なのだが、零華それを瞬時に利用し、障害物を利用して逃げ延びた。そんな零華に、暮羽は驚きと恐怖を感じていたのであった。


 何か最後の方は、纏まらない形になってもうた…。

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