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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第2章・異世界召喚編
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63・謎の手紙

 日本に居る理奈の父親・政光の視点の話やで♪

 夜七時を過ぎた、理奈の父親・中里 政光の弁護士事務所に、一本の電話が掛かってきた。

「先生! 奥様からです」

 事務所に所属している弁護士からの通達を聞き、政光は受話器を取って外線ボタンを押した。

「私だが、どうしたんだ…? 理奈がまだ帰ってこない? 零華君の家に行っているんじゃないか?…零華君もまだ帰っていない? じゃあ店に居るんじゃないか…?」

 政光は妻に色々と聞くが、どの内容も否定する言葉しか返ってこない。

「…橘さんの所の麻美ちゃんも帰っていない?」

 理奈の親友の麻美も帰宅していない事を聞き、政光は嫌な予感がした。

「…私は学校に行ってみる。君は家で待機していてくれ」

 そう伝えると政光は電話を切り、素早く帰り支度をすると、弁護士達に先に帰る事を謝罪し、事務所を後にした。


※          ※


 桜花学園の職員室迄行くと、何やら中が騒がしかった。政光が中を覗くと、大勢の保護者でごった返していた。

「一体どういう事なんだ! うちの息子は何処に行ったんだ!?」

「娘が帰って来ないんです! 早く警察に!」

 職員室の中は怒声や悲鳴で、大騒ぎになっていた。政光は何とか保護者の間をすり抜けると、別の保護者に詰め寄られている理奈の担任に尋ねた。

「中里 理奈の父親です。何があったんですか?」

 政光が冷静な声で尋ねると、担任は困惑した表情で答えた。

「それが私にも分からないんです。隣のクラスの担任によれば、悲鳴の様なモノが聞こえた後、教室を見たら誰も居なかったと…」

「何だソレは!? 集団誘拐でもあったというのか? 学校内で!?」

 保護者の一人が文句を言いながら掴みかかろうとしたので、政光が抑え込んで、再度尋ねた。

「何か心当たりは無いんですか? 何かの兆候とか?」

 政光が担任に尋ねると、保護者の一人が声を上げた。

「あの! 関係あるのか分からないんですが…」

 政光が振り返って、その保護者の方を見た。

「何ですか? もしかしたら何か分かるかも知れないですから、お願いします」

 政光が言うと、保護者は少し考えてから言った。

「実は娘が今朝、変なメールが来たと言っていたんです。何でも『異世界に行きませんか』みたいなメールなんですが…」

「!!!!!!!」

 保護者からその話を聞いた途端、政光の顔が強張った。

「そんなメール関係ないだろ! マンガじゃあるまいし!」

 先程担任に掴みかかろうとした保護者が、その保護者の言葉を否定した。他の保護者も関係ない話だと判断した。

「……」

 だが政光だけは違かった…。

「…すいません…もしかたら娘は戻っているかも知れないので、失礼させてもらいます…」

と、弱々しい声で担任や保護者達に告げると、足早に職員室を去っていった。


※        ※


「あなた」

 政光が家に帰ると、妻が出迎えた。

「あなた…理奈と零華君は…?」

「…すまない…少し一人にさせてくれないか…」

 それだけ告げると政光は、返事も聞かずに二階の自室へと向かった。

 自室に着くと政光は、部屋にある机の引き出しの、鍵のかかった引き出しの鍵を開けた。そしてその中から、一枚のボロボロな紙を取り出した。そしてその紙を見ながら、政光は静かに呟いた。

「…和樹…また同じ事が起きた…」

 そう言った政光の手から、その紙は机の上に落ちた。その紙にはこう書かれていた。


 この手紙は睡蓮中学校の2‐1の生徒全員に配られた手紙です。


 男子10番・中里 政光 貴方は異世界に行きますか?


   YES NО


 そしてそれは、YESに丸が書かれていた…。


 何でなん…何で政光が、零華や理奈に送られたメールと、そっくりな手紙を持ってるん?

 次の二つの登場人物で、今章は終了ですわぁ。

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